浅田真央の現役復帰報道の裏で熾烈な駆け引きが…商品価値低下を防ぐための作戦説も

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浅田真央オフィシャルウェブサイトより


「浅田真央、現役続行」――。 5月13日、スポーツニッポン、日刊スポーツ、朝日新聞が休養中の浅田真央が現役続行を視野に練習を開始したことを一斉に報じ、大きな盛り上がりを見せている。その愛くるしい笑顔と圧倒的強さで国民的にも絶大な人気を誇る浅田の復帰は、多くの人々にとって歓迎すべきことだったのだろう。ワイドショーなど他マスコミもこれをトップ扱いで後追いしたほどだ。さらに浅田は18日に予定されているアイスショーの会見で進退について表明する予定だという。

 だが翌14日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では一転、「今月中に引退発表」として、既に引退を決意した浅田が佐藤信夫コーチなどごく親しい人にその気持ちを伝えたと報じたのだ。スポーツ紙に比べ締切の関係もあるだろうが、それにしてもあまりの間の悪さに「『週刊文春』の大誤報」として笑いもの扱いされているほどだ。

 しかし、こうした相反する報道の裏には「週刊文春」誤報とはまったく別の、ある事情が存在した。というのも「週刊文春」の取材に対し、佐藤コーチは「それ(引退発表)については私も同じような話を聞いています。ただ本人から直接聞いたわけではないですし…」と言葉を濁しながらも認めている。そして「週刊文春」で引退がスクープされたからこそ、浅田サイドは復帰を打ち上げざるを得なかったというのだ。

「13日のスポーツ各紙の復帰報道は『週刊文春』の引退報道潰しの意味合いが強い。実際には近しい関係者の間では浅田の復帰の可能性が極めて低いことは周知の事実なんです」(フィギュアスケート関係者)

 というのも、浅田をめぐる状況は極めて厳しいものがあるからだ。その最大の理由が「ルール改定」だ。2014年4月に国際スケート連盟(ISU)がルール変更を発表したが、なかでも浅田にとって大きかったのは「ジャンプの踏切違反の厳格化」だった。ルッツはアクセルの次に難易度が高く得点も高いジャンプだが、しかし浅田にはルッツの踏み切りに癖があり、ほぼ毎回のようにエラーがついていた。

 しかも、それを矯正すると全体のバランスを崩すため、佐藤コーチも否定的だったと言われている。浅田にとってこのルール改正は現役続行に大きな影響を与えたといわれ、ルール改定が発表されたおよそ1カ月後に休養宣言したことの関係も取り沙汰された。それだけではなく、浅田の専売特許だったトリプルアクセルを成功させるなどロシア勢の台頭もあり、浅田が現役に復帰しても勝つのは困難だと見られている。そのため負けず嫌いな浅田自身、復帰する意思はほぼないと目されているのだ。

 しかし、簡単に引退宣言をするわけにいかない事情もあった。それが7月から全国各地で開催が予定されている浅田のアイスショーだ。

「完全に引退するとなると、人気の浅田とはいえ、その商品価値は激減してしまいます。そのため商品価値が下がらないようにギリギリまで引っ張りたいというのが本音でしょう」(同前)

 実際、昨年の休養宣言以降、浅田の“商品価値”は下がっていると言わざるを得ない。毎年5月に発表される「日経エンタテイメント!」(日経BP社)のタレントパワーランキングで浅田は毎年ランクインしており、14年には堂々の1位だったが、しかし15年はなんとベストテン圏外になってしまった。この数字からも明らかなように、浅田の人気は現役選手だからこそ保ちつづけられたものだったのだ。人気を復活させ、商品価値を維持させたい──そのためには早々に“完全引退“を宣言するわけにはいかない。もちろん、こうした思惑は浅田本人だけではない。スケート連盟、所属事務所、スポンサーなど、浅田利権に群がる関係者の総意だろう。

 では、18日の会見で発表されるのは、引退なのか、復帰なのか。

 実はこの会見は浅田が主演を務めるアイスショーの宣伝のためのもので、進退について明言されない可能性すらある。実際、引退続行を報じた各紙を見ても「練習しながら競技に復帰できるかどうかを見極める場合は、18日までに結論が出ない可能性もある」(朝日新聞)など予防線とも取れる慎重な表現を用いている。

 また、仮に現役続行に踏み込んだとしても、曖昧なものになる可能性が高い。現時点ではあくまで「現役続行を目指して練習する」、しかし「グランプリシリーズは出場しない」「地方大会での復帰をめざす」というように。
 
 グランプリシリーズに浅田が参加する場合、その可否を5月中に決めなくてはいけないが、グランプリシリーズへの不参加がイコール引退というわけではない。もっとも重要な試合である世界選手権はグランプリシリーズに出なくても出場の可能性はある。地方大会、全日本選手権と勝ち上がれば、出場資格は得られる。

 例えば浅田のライバルでもあった韓国のキム・ヨナもバンクーバー五輪後、グランプリシリーズは出場せず、シーズン最後の世界選手権のみに出場したし、引退・現役復帰を繰り返しているロシアのプルシェンコも、グランプリシリーズは参加しなかったがソチ五輪には出ているのだ。

 浅田の場合も、グランプリシリーズはエントリーしなくても「地方大会から世界選手権を目指す」と、とりあえず表明しておけば、引退の結論はまだまだ引っ張れる。

 しかし、先に指摘したように、ルールの厳格化がある以上、浅田が実際に現役をつづけても勝てる可能性は低く、最終的にはこの地方大会にも出場せず、引退することになるのはほぼ確実だろう。

 さまざまな大人の事情から、引退と現役続行報道の駆け引きが行われているのだが、しかし、浅田の去就がここまで話題になるのも、彼女の存在感の大きさゆえだろう。引退しようがしまいが、今後のさらなる活躍を期待したい。
(林グンマ)

最終更新:2016.08.05 06:04

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