美輪さまの愛も盛り上がる! 『花子とアン』秘蔵っ子ふたりが出演

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NHK連続テレビ小説「花子とアン」公式サイト「語り 美輪明宏さんインタビュー」より


 本日7月18日放映の『花子とアン』でなんとも意味深なシーンが流れた。
 
 仲間由紀恵演じる蓮子(仲間由紀恵)が駆け落ち相手・宮本龍一とおちあうシーン。待ち合わせ場所のカフェに急ぐ蓮子。不安に駆られながら蓮子を待つ龍一。ふたりの様子を交互に映し出しながら、ドラマの最後の約3分の間、ひと言のセリフもなく、美輪の歌う「愛の讃歌」が響きわたる。そしてようやく出会ったふたりはひしと抱き合って—―。

 このシーンがなぜ意味深かというと、その駆け落ち相手、宮本龍一を演じた新人俳優・中島歩が、バックで迫力ある歌声を響かせた美輪明宏、美輪さまの秘蔵っ子といわれている存在だからだ。中島は、昨年、美輪のライフワークともいえる舞台「黒蜥蜴」のオーディションで美輪の相手役、黒蜥蜴の年下の愛人・雨宮潤一役に選ばれ、俳優デビューをはたしたのだが、このときの美輪の入れこみようは相当なもので、中島のことを「あの子は私の若い頃に似ている」とベタ褒めしていたという。

 一方の中島も、「手取り足取りで(美輪さんから)『本当に手がかかるわね』って言われて」「美輪さんはやっぱり魅力的。演出のときもすごく丁寧」と美輪との濃密の稽古の様子を語っており、さらには「美輪さんに認められるための芝居」をしたいと、美輪に完全に心酔している。

 その中島が、今回、美輪がナレーションをつとめる『花子とアン』で仲間由紀恵の相手役という非常に重要な役に抜擢されたのである。絶賛された2012年の紅白歌合戦出演以降、美輪のNHKへの影響力は強まっており、このキャスティングの裏には美輪さまの推薦があったのではないかといわれている。

 しかも、『花子とアン』には、美輪さまと“深い関係”の俳優がもう一人出演している。この俳優は、蓮子が主催するサロンに出入りする新聞記者・黒沢を演じている木村彰吾だ。
 
 木村は01年の舞台『毛皮のマリー』のオーディションで見いだされて以降、美輪の主演舞台では毎回のように恋人役を務めてきた。その親密ぶりはたびたびマスコミの話題にもなっており、07年には美輪がレギュラー出演していた『オーラの泉』に、まだ無名だった木村がゲストとして登場。江原が「美輪と木村は前世で夫婦だった」と口にするほど“公認”の仲だった。「女性セブン」(小学館)7月10日号によれば、二人が共演した北野武監督の映画『TAKESHIS'』への出演も、「美輪が北野監督に推薦状を書いて実現した」ものという。

 また、美輪のサポートはプライベートにも及び、かつては美輪が乗っていた1000万円以上するワインレッドのジャガーを木村が乗り回していた時期もあったという。

 実は木村の存在は10年前に休刊したスキャンダル雑誌「噂の真相」が03年にいち早くスクープしていた。美輪さまが木村にエレクトーンを買い与える“お買い物デート”の様子をグラビアページで報じているのだ。この記事で写真を見た演劇担当記者が木村のことをこんなふうに解説している。

「現在、美輪明宏の舞台『黒蜥蜴』で準主役を務めている俳優の木村彰吾ですね。美輪さんといえば、目をつけた俳優に回数を重ねるごとにいい役を与えるから、今誰が『お気に入り』かすぐ分かるんです。木村の場合もその典型的パターン。もともと彼は、確か美輪さん主役の舞台くらいにしか出演していないような全くの無名だったはずですよ」

 この話、誰かの話とそっくりではないか……そう、冒頭で中島歩が『黒蜥蜴』で美輪の相手役に抜擢されたと書いたが、その前は木村彰吾がこの役を演じていたのだ。美輪主演の『黒蜥蜴』は05年、08年にも上演されており、ずっと木村がその相手役を演じていたのだが、5年ぶりの上演となった昨年、中島に交代になった。とすると、“お気に入り”のポジションも、木村から中島にとって代わられたのだろうか。

 その可能性はおおいにあるだろう。美しいものを集める女盗賊の物語『黒蜥蜴』は、美輪を見出した三島由紀夫が、江戸川乱歩の小説を美輪のために戯曲化した作品であり、美輪にとってはもっとも思い入れの強い作品。その相手役には、おそらく自分が今、一番“美しい”と思っている男を選んでいるはずだからだ。

 当の中島も『黒蜥蜴』をめぐる自分と美輪の関係についてこんなふうに語っている。

「雨宮は黒蜥蜴に出会って、人生が劇的に変わったと思うんです。だから呪われたように黒蜥蜴についていこうとするし、そのために、“生き人形”を作ったり、彼女の美意識に近づこうとする。その呪われている感じや、黒蜥蜴のことを盲目的に愛している狂気のようなものを表現したいと考えています」
「稽古での美輪さんと僕の関係こそが『黒蜥蜴』だと思うんです」
  
 もっとも、一方の木村も今回の朝ドラにキャスティングされているところを見ると、美輪から完全に見捨てられたというわけではなさそうだ。先の「女性セブン」も「木村の出番が多いのも、スタッフが美輪さんに気をつかっているからなんて声も聞こえてくるほど」と指摘している。

 新旧二人の美しい男を育て上げ、自分がナレーションを務めるドラマに出演させる。普通なら、番組の私物化と邪推されそうだが、人生を “愛”と“芸術”に捧げてきた美輪さまにとってはむしろ、当たり前の事といえるかもしれない。

 美輪の華麗なる恋愛遍歴はあまりにも有名だ。三島由紀夫を筆頭に、赤木圭一郎、岡田眞澄、田宮二郎、天知茂と噂になった有名人は数知れず。今から45年前の時点で“恋の巡礼“の経験人数はすでに2千人だったという。

 その愛し方も美学を貫いており、著書『天声美語』(講談社)では「椿姫」を例に挙げ、相手に何も求めずに、相手を愛し続ける無償の愛こそが「ごく当たり前の愛し方」で、「私自身、これまでボーイフレンドたちには、こういう愛情で接してきた」のだという。

 また、同書には「美しくなるための生き方」についてもこう書かれている。

「真に美しい女は、オペラと同じ総合芸術なんです」「美しい部屋で趣味の良い家具や食器に囲まれて、上品な服を身につけ、いい本を読み、クラシックなどのいい音楽を聴いていると(中略)とくに着飾っていなくても、美しさが漂ってくる」

 美しくなるために、自分のまわりに美しいものを集めて、美しい生活を送る。そんな自分の価値観や美意識の集大成として舞台、唄や芝居、講演、出版があるのだという。その意味では、自分の美意識にかなう青年たちを側に置いて育てるのも、美輪にとってはそれが愛情表現であり、同時に、自分の世界観を表現するための重要なパーツでもあるからだろう。

 いよいよ佳境にさしかかってきた『花子とアン』では、蓮子が宮本と駆け落ちし、そこに黒沢が絡んでくるという展開が待ち受けている。実際にあった「白蓮事件」をモデルにしたこの修羅場の物語で、主要人物を演じる二人が共に美輪の寵愛を受けた俳優であることは興味深く、物語を天から見守るかのような美輪さまのナレーションも、より味わい深く響きそうだ。
(時田 優)

最終更新:2014.07.18 11:14

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