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安倍首相がまたやらかし! 加計とのゴルフ追及に「テニスならいいのか」、圧力問題では自分で嘘をバラし犯人を示唆
星浩氏から追及された安倍首相が…(TBS NEWS公式 HPより)
昨日、民放各局のテレビ番組で石破茂元幹事長と討論した安倍首相だが、またしてもやらかしてくれた。とりわけ失笑したのが、『NEWS23』(TBS)でキャスターの星浩氏から加計学園問題について追及されたときのことだ。
星氏が、許認可を与える立場の安倍首相が利害関係者である加計孝太郎理事長とゴルフや会食を繰り返すことは適切ではないと指摘すると、安倍首相は「加計さんとは利害関係者になってからの付き合いではなく、学生時代からの長年の付き合いだ」と反論。もっとも、利害関係が発生しているにもかかわらず、“腹心の友”だからとゴルフや会食を続けるベタベタな関係に疑惑の目が向けられたわけだが、星氏から、たとえば利害関係者である金融庁の幹部とメガバンクの頭取は学生時代からの友人であってもゴルフをしちゃいけませんよとごく当然のツッコミをされると、安倍首相は、いつものムキになったときの口調でこんなことを言い出したのである。
「ちょっと星さん、ゴルフに偏見をもっておられると思います。いまオリンピックの種目になってますから。ゴルフがダメでですね、テニスはいいのか、将棋はいいのか、ということなんだろうと思いますよ?」
「ゴルフをやってるとですね、なにかよからぬことをしているのか、という誤解をおそらく持っているんだろうと思いますが、そうではないですよ。ゴルフもやっぱりスポーツのひとつですから」
これにはおそらく多くの視聴者が爆笑したのではないか。テニスだろうが、将棋だろうが、利害関係者と交友をもつことが問題だと言っているのに、なぜかゴルフ擁護をおっぱじめた安倍首相。あげくは、「テニスならいいのか」って、あんたは小学生か。ようするに安倍首相は、総理大臣という最高権力者が、利害関係者と頻繁にゴルフや会食をすることの不適切性をまったく理解していないのだろう。
対する石破氏は「(自分であれば)自分が権限を持っている間は接触はしない。あらぬ誤解を招いてはいけませんので。長年の友人であっても」と述べていたが、こういうごく当たり前のことを安倍首相はなぜ言えないのか。政治家としての資質云々以前の問題だろう。
しかし一方で、決して笑ってられないのが、安倍首相が昨日の民放連続出演のなかで、例の圧力問題を正当化しようとしたことだ。
周知の通り、今回の総裁選に際しては、安倍陣営からあからさまな圧力をかけられている内情が、自民党員から暴露されまくっている。たとえば、自民党所属の岡田裕二・神戸市議は「官邸の幹部でもある、とある国会議員から、露骨な恫喝、脅迫」を地方議員たちが受けていることを告白。複数報道によれば、この国会議員とは、安倍首相の右腕である西村康稔内閣官房副長官で、「石破の応援演説に参加すれば将来に差し障る」などと恫喝したという。
さらには、現役閣僚である石破派の斎藤健農水相も14日の集会で、安倍首相を支持する国会議員から「内閣にいるんだろ。石破茂元幹事長を応援するなら、辞表を書いてからやれ」と恫喝されたことを暴露。斎藤農水相は議員の名前こそ伏せたが、安倍側が石破派議員や石破氏支者に対して猛烈な圧力をかけていることが白日のもとにさらされたのだ。
当然、昨日の民放出演では、いくつかの番組で各キャスターからこの件について質問が相次いだ。安倍首相はこの話題になると終始、落ち着かない様子で目をキョロキョロと泳がせていたが、この問題では必死で詭弁を展開、ましてや圧力を正当化しにかかったのである。
「圧力は昔の方があった」発言のすぐ後に「圧力なかった」「私も受けたことない」
たとえば『news every.』(日本テレビ)では、「角福戦争のころは私も親父の秘書をしていましたからよくわかっているんですが、こんなもんじゃないですよ」「私も何回も負ける総裁選挙をやりまして、もっと激しい言葉がありましたよ、何回も」などと弁明。ようは、“私だっていろいろ圧力をかけられてきたんだからツベコベ言うな”と言いたいらしいが、開き直りとしか言いようがない。
その後に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)でも、安倍首相は圧力問題について「私だって若い議員のころ、野中(広務)さんやなんかに歯向かっていきましたよ、それは。あのときのね、平成研支配のほうが私の時代よりもね、全然(圧力が)強いですよ」などと主張。長らく自民党を担当してきた元共同通信政治記者のコメンテーター・後藤謙次氏が「私はそうは思わないですね」と返すと、発言を無理やり遮って「それは後藤さんが平成研の番だったからじゃないですか」とお得意の陰謀論で攻撃する始末だった。
しかもこの男、息をするように嘘をつく。たとえば安倍首相は『報ステ』のなかで、橋本龍太郎と小泉純一郎が争った1995年総裁選のエピソードを持ち出し、「私も小泉応援団だったんですが、そんときわれわれもですね、一度、けっこう圧力をかけられてねってことを結構、みんな言ったんですが」として「こういう(圧力の)話はよくある」と正当化。そこでMCの富川悠太アナウンサーから「実際にそのときは(圧力が)あったんですね?」と訊かれるのだが、すると、安倍首相は笑いながらこんな軽口を叩いたのだった。
「いや、ほとんどないんです(笑)。ないけど、われわれもそう言ったほうが、いわば陣営かわいそうだなっていうことにもなりますし。ただ、実際にあったかもしれませんし、私にはまったくなかったな」
つまり、安倍氏によれば、自分には圧力がなかったにもかかわらず「圧力を受けた」とウソを言いふらしていたというのである。もっとも、この宰相が“類い稀な嘘つき”であることはいまや公然の事実であるが、ひどいのは“自分たちも圧力をかけられたとウソをついて同情を誘ったことがある。だから斎藤もウソをついてるんじゃないか”と誘導していることだ。いやはや、実に大した人間性である。
斎藤大臣に圧力をかけた“犯人”を示唆してしまった安倍首相
いや、それだけではない。安倍首相は「本当にそういう出来事があったのかどうかね、(自分の)陣営に訊いたんですよ。知ってる?と。 みんな、そんなことがあるはずがないって大変怒ってました」などと嘯き、続けざまに斎藤農水相が圧力議員の名前を伏せたことをあげつらって、「もしそういう人がいるんであれば、名前を言ってもらいたいんですね。どういう意図で言ったのって私も確かめてみたいと思います」などと生放送で“脅し”まで仕掛けたのだ。
こうした安倍首相の攻撃に対しては、さすがに石破氏も毅然とこう言い放った。
「斎藤健さんっていう人は、作り話をするような人では絶対にない。それは閣僚として、ああいう場に立つわけですよ。ありもしないことを言うような人ではまったくない。彼がそう言ったからにはそういうことがあったんでしょう。それじゃあ誰なんだ?という話ですがね。これ、仕組みがなんか財務省のセクハラ疑惑に似てるような気がするんですよね。被害者に『名乗り出なさい』と言うような。斎藤さんは(圧力議員が)誰かってことは言わないですよ。そこはね、彼のいろんな配慮があったんだと思う。(名前を)言っちゃったらどうなるんですか。もうそれこそ党内めちゃくちゃでしょうよ」
すると、安倍首相は露骨に嫌そうな表情をつくって、「ただですね、名前を言われないためにですね、いろいろな人が疑われていて、週刊誌からあなたが言ったんだろうと、こう言われているんですよ。非常に嫌なことになってるんですね!」。逆に被害者ヅラをして、またぞろワケのわからないことを延々とがなりたて始めるのだが、ヒートアップしすぎたのか、なんと自ら“犯人”をポロリと示唆してしまったのだ。それは、こんな発言だ。
「やっぱり、彼(斎藤農水相)に対して、若くして大臣になりましたから、若いというのは当選回数がね、ですからそのなかで、そういういろいろジェラシー等もあるんだろうと思います。そういう世界ですから。それを前提にね、『自分は大臣になってないのに君は大臣になったじゃないか!』と言う人もいるかもしれません」
安倍首相は当初、「本当にそういう出来事があったのかどうか」と打ち消していたはずなのに、いつの間にか妙に生々しい話になっているのは、これはもう、本当は“犯人”をよく知っているということではないのか。
永田町でささやかれている圧力犯と安倍の示唆コメントが一致!
実際、永田町ではいま、斎藤農水相に「石破支持なら大臣を辞職しろ」と圧力をかけた議員が実名で取り沙汰されているという。全国紙の官邸担当記者が苦笑いしながら解説する。
「まことしやかに名前が挙がっているのが、西村(官房副長官)さんと萩生田(光一・幹事長代行)さんですね。すでに複数の自民地方議員から圧力発言をバラされたように、西村さんはこの間、石破支持に回りそうな議員に対して露骨な締め付けをやってきた。萩生田さんも度々メディアへ圧力文書を送りつけたり、政敵を貶める怪情報を流すなど暗躍している。萩生田さんと西村さんは2003年初当選の同期で歳も一つ違い、萩生田は当選5回で西村は6回と、ともに入閣適齢期だけど大臣経験はない。一方、斎藤大臣は、年齢こそ上ですが、二人より少ない当選4回で登用された。総理がわざわざ言わなくてもいいのに『ジェラシー』とか『当選回数』とかと口を滑らせたのは、懐刀である萩生田さんか西村さんをイメージしていたとしか思えませんよ」
ちなみに、安倍首相は前述のポロリ発言の直後、誤魔化すときに使う例の笑みを浮かべながら「別に(圧力は)犯罪を犯して(いるわけではない)……セクハラは犯罪ですから、(圧力は)犯罪ではない!わけですからね。ですからそれについてはやっぱり、えー、誰々がこう言ったと言えば、言われた人は反論すればいいじゃないですか、自分はこういうつもりで言ったと」などと予防線を張っていた。
財務次官セクハラ問題の際、麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」と発言し、のちに政府としても「現行法令において、『セクハラ罪』という罪は存在しない」とする答弁書を閣議決定したのは記憶に新しいところだが、石破氏が批判しているのは被害者のほうに「実名を出せ!」と恫喝したことであって、結局、安倍首相は問題がなんなのか全くわかっていないらしい。
いずれにしても、総裁選で次々とあらわになった圧力の事実は、単に自民党のなかだけの問題ではなく、安倍政権の本質そのものを象徴している。国連までが懸念を示している日本政府によるマスコミへの報道圧力問題しかり、安倍政治に抗議する市民を「こんな人たち」呼ばわりしたこともまたしかり。安倍政権は自らに批判的な人々を恫喝することで、口を塞ごうとしているのである。
こうした政治権力による圧力は、最終的に国民に向けられる。そのことを、わたしたちはゆめゆめ忘れてはならない。
(編集部)
最終更新:2018.09.18 05:01
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