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NON STYLE井上の当て逃げ事件で芸能マスコミが大騒ぎ 小泉今日子の当て逃げ事件ではマスコミ無視、ドラマもCMも放送されたけど…
「NON STYLE 井上裕介のみんなのアイドルになりたくて」より
NON STYLE井上裕介の“当て逃げ”事件が、いま大きな波紋を呼んでいる。
事件のあらましはこうだ。井上は今月11日深夜、世田谷区で運転中にタクシーと接触。相手のタクシー運転手は頸椎捻挫と腰椎捻挫で全治2週間のけがを負ったが、井上は救急車を呼ぶことも救護することもなく、そのまま逃走。報道によれば事故の際、運転手がナンバーを覚えていたため、自宅に戻っていた井上は警察によって任意同行されたという。現在、井上は自動車運転処罰法違反(過失傷害)や道路交通法違反(救護義務違反)の疑いで捜査を受けているようだ。
この一件はワイドショーやスポーツ紙でも大きく取り上げられたが、こうした事態に、13日、井上はすべての芸能活動自粛と自宅謹慎を発表。レギュラー番組や年末年始の特番などもキャンセルされることとなった。さらに活動自粛と謹慎は、刑事処分が決定するまでの約2カ月間、継続する予定だという。
たしかに、所属事務所のよしもとクリエイティブ・エージェンシーの発表でも「(井上は)接触したかもしれないと認識していた」というから、悪質な当て逃げであり、相手がけがまで負った人身事故である以上、芸能活動自粛も仕方のないことだろう。
ところが、芸能界において、過去に同様の当て逃げ事件を起こしたにもかかわらず、活動自粛どころか、ワイドショーや芸能マスコミにも大きく扱われることなく、何のお咎めもなかった事件がある。
それは、2005年に小泉今日子が起こした“キョンキョン当て逃げ”事件だ。
小泉が事故を起こしたのは同年1月26日の早朝6時20分ごろだった。この事件を報じた毎日新聞05年1月28日付の記事によると、小泉は目黒区の路上を運転中、新聞配達中の男性が止めていた原付バイクの右側に車の左前部を衝突させ、そのまま現場から立ち去ったという。
その際、男性にけがはなかったというが、バイクが転倒し、右のステップが破損。そのため男性は警察に通報、車のナンバーの一部を覚えていたことで小泉所有の車が浮上し、事故の翌日に警察から道交法違反の疑いで事情聴取された。このとき、小泉は「自分が運転していたと思う」と認めている。つまりこれは立派な当て逃げ“事件”だった。
ところが、この大物アイドルの当て逃げ事件へのマスコミの反応は異様だった。一応、一部スポーツ紙は事件を取り上げたが、それは「バイクにぶつけて倒した認識はなかった」という小泉の言い分や、小泉が新聞販売店を訪れて謝罪したことなどを中心にしたもの。かなり好意的な、そして腰が引けたように報じただけだったのだ。
また、ワイドショーはもちろんのこと、週刊誌さえも小泉のこの事件にはほぼ沈黙も守った。それどころか、この一件を報じた「女性自身」(光文社)は「本当にバイクと接触したことは気づかなかったんです」という小泉の釈明インタビューを掲載、“故意ではない”という主張を後押ししたほどだ。
警察も動いている事件だというのに、異様なマスコミの対応──。その理由は明白だろう。小泉と言えば、その所属事務所は“芸能界のドン”と呼ばれる周防郁雄社長率いるバーニングプロダクションであり、なかでも小泉は周防社長のいちばんのお気に入りだからだ。
「当時、バーニングはキョンキョンの当て逃げに相当ナーバスになっていたようです。とくに早朝の事故であること、さらに“女友だちの家で過ごした帰り”ということで、今回のノンスタ井上のケース同様、飲酒運転だったのではないかと疑われていました。そのためバーニングは“B担”と言われる御用記者や、スポーツ紙、テレビ局に“報じることはまかりならん”と強い通達を出したのです」(スポーツ紙関係者)
その効果は絶大だった。なにしろ小泉はこの事件が発覚して以降も、芸能活動を自粛することなど一切なかったからだ。しかも、小泉に起訴猶予処分が下ったのは事故発生から約2カ月後の3月15日だったが、その5日前の同月10 日、倉本聰脚本のドラマ『優しい時間』(フジテレビ)の第9話に小泉はゲスト出演し、カットされることもなく普通に放送された。前述したように、ノンスタ井上は刑事処分が出るまでは活動自粛と謹慎を続けるというが、大きな違いだ。
さらに、こうした事故でのイメージ悪化をもっとも嫌うはずのテレビCMも、何の影響も受けなかった。当時、小泉は1年の契約金が1億円と言われた大手化粧品会社・資生堂のCMに出ていたが、事故後も継続されたのだ。
そして、刑事処分決定後の3月28日、小泉は中野裕通のファッションショーにモデルとして、当て逃げ事件以降、初の公の場に登場。また、4月18日には4年振りの主演映画『空中庭園』の先行試写会で舞台挨拶をしている。こうした“キョンキョン・イベント”をスポーツ紙はこれをこぞって取り上げたが、事故の件につっこむマスコミはほぼゼロ。スポーツニッポンにいたっては〈書類送検(起訴猶予処分)されたショックからも、すっかり立ち直った様〉と気遣いを見せていた。
もちろん、今回のノンスタ井上の所属事務所も、テレビ局への影響力の強い吉本興行だ。しかし“芸能界のドン”が寵愛する大物アイドルと、人気者とはいえ吉本の芸人では、芸能マスコミへの圧力度とヒエラルキーは歴然とした差がある。つまり、事件化しても責任追及される芸能人とされない芸能人に分かれているのである。これはあまりに不公平な話だ。
ワイドショーの“報道”など、しょせん芸能事務所のパワーバランスの上にしか存在しない。今回もそれがまた証明された、というわけだ。
(林グンマ)
最終更新:2016.12.15 11:04
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