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年末特別企画 リテラの2015年振り返り
AV禁止令、病みツイート、使用済み衣装を売ってお金を…アイドル事件簿ランキング(前編)10〜6位
制服向上委員会 公式ブログ Powered by LINEより
もう終わる、もう終わると、毎年のように言われながらも、なんとかここまで続いてきたアイドルブーム。今年最も売れたシングル曲は、180万枚近く売り上げたAKB48「僕たちは戦わない」、その他もシングルチャートはアイドル関係のものばかりで、絶滅寸前と言われて久しい音楽業界は、今年もなんだかんだまだ人気のあるアイドル関連のアイテムで食いつないできた1年であった。しかし、思い返せばアイドルたちにとって2015年はそんなに良い年だったとはいえない。アイドルブームの負の側面、本格的終焉を思わせる出来事も数々起きた。今年、アイドル業界に何が起きたのかを振り返ってみたい。
★10位 元アイドリング!!!の菊地亜美が、グループ卒業後“AV禁止令”を暴露
今年は、3月にBerryz工房が無期限活動停止、そして10月にはアイドリング!!!が全員卒業と、10年以上の長い歴史をもつアイドルグループが次々と消えてしまった年であった。
そんななか、昨年11月までアイドリング!!!に所属していた菊地亜美が、卒業後にAV出演を禁止され、誓約書まで書かされていた事実を語り話題となった。
しかし、菊地が話している「アイドルからAV女優へ」という転身はジョークではない。天下のAKB48グループからも、過去、中西里菜、高松恵理、米沢瑠美、成瀬理沙、鬼頭桃菜といった面々がAV女優へ転身。実は、「アイドル→AV女優」という転職コースが確立されつつあるのである。しかも、どのメンバーも、グループ在籍時より、AV女優になった後のほうが名前が売れているという状況すらある。
来年以降、ますますこのコースをたどる人たちが増えてしまうのだろうか。
★9位 AKB48小嶋陽菜がSNSで「病み」を告白する後輩メンバーを批判!
「AKB48の後輩からのLINEとかを読むと、ビックリします。病んでるコが多いなぁって」
「今って、病んでることがおしゃれな時代なのかなと思うんです(笑)。だからなのか、「疲れた」とか、「もう無理」とか平気で書けちゃうし、みんなでコメントしたり共有し合ってて。その感覚がギリ昭の私からすると考えられないんです」
「あれもよくわからない」「過呼吸のなり方(笑)」
AKB48の最年長メンバー・こじはること、小嶋陽菜のこんな発言が話題を呼んだ。「SPA!」(扶桑社)6月9日号のインタビューで後輩メンバーについて語ったもの。
たしかに、AKBメンバーの病み告白、闇証言は多い。たとえば、NMB48山本彩は総選挙期間中の5月8日、プレッシャーに耐えかねたのか、SNSに「最近、動悸と耳鳴りと幻聴が多いんですけどこれって五月病?(笑)」、「人が居らへんのに数人の会話が聞こえたり部屋で歌声が響いてたり走ってないのに救急車のピーポーピーポーって音が聴こえてきたりする」と、精神科の受診をすすめたくなるような状況を投稿。
また、渡辺麻友は、主演ドラマ『戦う!書店ガール』(フジテレビ系)の不振が続く5月、SNSに「不人気」「さよなら」と書き込み、ファンを心配させた。
病み告白をするのはAKBメンバーに限らず、他のアイドルにも少なくない。握手会、コンサート、レッスンに取材と、大人でも音を上げるような多忙な生活を強いられるうえ、そのスケジュールを学業も両立させながらこなさなくてはいけないアイドルたち。ただでさえ、多感な時期の少女たちである。心の整理がつかず「病んで」しまい、SNSに「闇」を感じさせるコメントを書き込んでしまうアイドルが後を絶たない。
こじはるが「病んでることがおしゃれ」と指摘するように、意識的に「弱さ」を見せることで「この子を支えたい」とファンに思わせる、一種のブランディグという側面もあるだろう。
本物の「病み」か「ファッション」か。いずれにしても、大人たちがアイドルたちを過酷な状況に追い込んでいるのは間違いないだろう。アイドルシーンが厳しくなることが予想される来年、アイドルの病みはさらに深刻になるかもしれない。
★8位 濱野智史が衝撃の裏切り発言「アイドルってクソだな」
濱野智史が、自身のプロデュースするアイドルグループ・PIP(正式名称Platonics Idol Platform)のことを公衆の面前で貶めた。
濱野といえば、『アーキテクチャの生態系──情報環境はいかに設計されてきたか』(NTT出版)などの著書により気鋭の社会学者・若手批評家として注目されながら、なぜかAKB48、特に、ぱるること島崎遥香にハマってしまいアイドルオタク化。『前田敦子はキリストを超えた』(ちくま新書)という、どうかしてるとしか思えないタイトルの新書を上梓したり、AKBだけでなく地下アイドルのライブにも通いつめるまでになり、そして終いには、好きが高じて14年から前述のPIPを運営、自らアイドルのプロデュースにまで乗り出してしまった男だ。そんな濱野が、9月、トークショーの壇上で10月にメジャーデビューを控えるPIPにこんな言葉を叩き付けた。
「アイドルってクソだなって分かったんで」
「僕、最近、グループアイドルってないな、と思ってきた。自分でつくってみて分かったんですけど、ある年頃の女性を集団でまとめると、まあ、ろくなことがない。嫉妬、妬み、いじめ、陰湿な何々、もうね、はっきり言って、マネジメントなんてできませんよ。『勝手にいじめとかやってろ!』とかなるんですよ、正直」
「アイドルグループの運営を1年ぐらい前から始めて思ったんですけど、これをまともなビジネスにしようと思ったら、ヤクザになるしかない。ウチのグループってメッチャ辞めていくんですけど、辞めさせなくなかったらヤクザになるしかない」
この発言を受け、その後ネットは大炎上した。立ち上げ当初「アイドルの搾取構造を変えたい」と語っていた濱野の志は一体どこに行ってしまったのか、あきれるほかない。来年はPIPのいっそうの活躍を期待するばかりである。
★7位 使用済み衣装に通知表も切り売り! アイドルの極貧、過酷な実態が次々明らかに!
2010年代、いわゆる「アイドル戦国時代」に入ったあたりから爆発的に増え始めた「地下アイドル」。彼女たちの生活は、過酷な労働環境を強いられているのにも関わらず給料は当たり前のように「0円」など、想像を絶するものがある。
これまでも彼女らや、オタクを含めたその周囲の人々の実態がドキュメンタリーのテーマとして取り上げられることはしばしばあった。しかし、今年は例年になくこの話題がメディアに取り上げられる量が多かった。ざっとあげただけでも、『ザ・ノンフィクション 中年純情物語~地下アイドルに恋して~』(フジテレビ系)・姫乃たま『潜行 地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)・山口めろん『アイドルだって人間だもん!』(創芸社)・真鍋昌平『アガペー』(講談社)・小明『アイドル脱落日記 ウェディング オブ ザ デッド』(講談社)、と枚挙に暇がない。
そのなかでもとりわけ衝撃的なのが、姫乃たま『潜行 地下アイドルの人に言えない生活』だ。地下アイドル兼ライターとして活動している筆者が、自分の目で見てきた地下アイドル業界の「闇」を綴った本である。地下アイドルの楽屋裏で起こる出来事は、我々の想像を遥かに超えるほど「ブラック」であった。
「「地下アイドルで食っていきたいなら、思い出でもなんでも売れ」と、ベテランの地下アイドルが言い放っていたのが印象的です。彼女は幼少期の写真や小学校の通知表のコピー、お母さんの写真(!)まで売っていましたが、地下アイドルとして生きるって、時にそういうことなのかもしれません」
「所属事務所に衣装を売らされている地下アイドルも、ごく一部ですが存在します。ひどい時にはライブ後すぐに着替えさせられて、その場でオークションが始まる、なんてこともありました。あの時、楽屋で着替えさせられていた女の子たちの悔しそうな横顔は、いまでも忘れられません」
今年これだけメディアに現状が告発されたことで「地下アイドル」たちの労働環境は少しでも改善されるだろうか? 来年こそは彼女たちが笑顔になれる話題を聞きたいものだ。
★6位 制服向上委員会が激しいバッシングにも負けることなく、安倍政権、安保法制にNO!
景気の悪い話が多かった今年のアイドル界にあって、異彩を放ったのがこのグループだろう。
〈諸悪の根源 自民党/Oh ズサンナ その政治/戦後から 何も変わらない〉(「Oh ズサンナ」)
〈大きな態度の安倍総理 おじいさんと同じ〉(「おじいさんと同じ」)
6月、神奈川県大和市の主催するイベントでこんな歌を披露して、自民党所属の大和市議から圧力を受けたアイドル・グループ、制服向上委員会。このニュースにより、彼女たちの名前は立ちどころに多くの人の間で知られることとなった。
しかしこの一件で、批判されたのは圧力をかけた自民党側でなく、制服向上委員会のほうがネットを中心に激しい非難にさらされた。彼女たちのもとには「アイドルなのに政治運動するのはおかしい」といった攻撃、「こいつら全員ぶっ潰す」といった“脅迫メール”までもが寄せられたという。
とくに多かったのが「どうせサヨクの大人に操られているんだろう」「洗脳されて自民党批判を歌わされてるだけ」という批判で、爆笑問題の太田光までが、ラジオで「さすがにちょっと痛々しいよね」「やらされてるんだろうなあ、かわいそうだよね」と発言した。
なみのタレントならここで黙ってしまうところだが、彼女たちはちがった。この太田発言に対しては、制服向上委員会メンバーの齋藤優里彩が「私からすると安倍さんにゴマをすってる太田光さんの方が痛々しく見えます」と反撃ツイート。安保法制反対デモにも参加するなど、批判にひるむことなく政権批判、安保法制反対の声をあげ続けた。
本サイトでは、8月彼女たちにインタビューを行ったが、政治的発言を理由にテレビやイベント出演ができないことに対しても、
「テレビに出るために、脱原発の歌を歌えないとなるぐらいなら、私はテレビなんか出たくない」
「アイドルフェスティバルではプロテストソングは歌わせてもらえない。だから、いくら活動の場が広まるといっても、自分たちの主張を曲げてまでそういうイベントに出たいとは思わない」
とキッパリ。さらに口をつぐむミュージシャンや芸能人に対しても、「怖じ気づくな!」と鼓舞した。
空気を読む芸能人ばかりが多いなか、アイドルの力を見せつけた爽快な出来事だった。
アイドル事件簿、まだまだ続きます。5位〜1位もこのあと配信!
(編集部)
最終更新:2015.12.30 10:55
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