稲垣吾郎MC のNHK番組が日本の五輪ナショナリズムやヘイト、排外主義を批判! 稲垣は「ネット右翼」にも言及

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NHK『100分deナショナリズム』番組公式ページより


 オリンピック推しを前面に出した『NHK紅白歌合戦』に続き、年が明けてメディアではいよいよオリンピック盛り上げムードが一層高まるなか、そうした雰囲気に一石を投じるような異色の番組が放送された。

 NHK Eテレで元旦に放送された番組『100分deナショナリズム』だ。人気番組『100分de名著』のスペシャル番組で、稲垣吾郎と安部みちこアナウンサーがMCを務め、社会学者の大澤真幸氏、作家の島田雅彦氏、政治学者の中島岳志氏、漫画家のヤマザキマリ氏をスタジオに迎え、名著から「ナショナリズム」の本質を探るという内容だった。

 ナショナリズムについて特集するということ自体は、ほかのテレビ番組でも珍しくはない。ただ多くの場合、アメリカにおけるトランプ大統領の登場や、ヨーロッパにおける極右勢力の台頭など、あくまでも海外で起きている対岸の火事として報じられることが多い。

 しかし、今回の『100分deナショナリズム』は、これを現在の日本の問題としてとらえていた。しかも、稲垣吾郎が「ネット右翼」について考察する場面まであった。

 まず番組冒頭、今年は2020東京五輪の年ということで、マスコミも含めて浮かれているなか、「近代五輪の父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン男爵が掲げた「オリンピックのあるべき姿」を紹介。それは、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というものなのだが、稲垣吾郎は「でも実際はどうでしょう」と正面から疑義を唱える。

「そうは言っても、オリンピックは国どうしの戦いです。代表選手には誇りとともに大きな重圧がかかります。そのなかで懸命にがんばる姿に私たちは心を揺さぶられます。勝つと『日本人すごい!』と誇らしくなります。私たちはなぜこうした強い感情にとらわれるのか。いま、世界のあちこちで、このナショナリズムが高まっています。日本も例外ではありません」

 番組VTRでは、旭日旗が掲げられたヘイトデモの様子や、嫌韓特集を組む「正論」(産経新聞社)や「月刊Hanada」(飛鳥新社)、「週刊ポスト」(小学館)、さらにはネトウヨ雑誌「ジャパニズム」(青林堂)の表紙なども映し出されていた。ヤマザキマリや島田雅彦も、現在の日本で、五輪が醸し出すナショナリズム的な同調圧力を象徴的に指摘した。

 ヤマザキ「2020年と言えばオリンピックが開催される年ですから。私もオリンピックの漫画も描いていますが、運動と哲学ってものの関係性が基軸にあるはずの運動竸技会が、いまでは国威を象徴するための、ひとつの経済的大イベントと化し、国のために頑張っている人がいるんだから、私たちも頑張りましょうっていう煽りを受けているような気持ちになってしまいます」
 島田「メダルとるのは選手の誉であって僕たちには関係ないというか、よかったね、ぐらいですよね。それを国をあげて、あるいは国を代表して戦うということ自体が、何か歪な感じはしますけど」

 オリンピック礼賛一色のメディアのなかで、NHKの番組が日本のオリンピックのナショナリズムの歪さを指摘したというのは画期的と言っていいだろう。

 さらにこの番組でもうひとつ、出色だったのは、日本のナショナリズムや伝統が国民から自然発生したものではなく、「後付けでつくられたもの」「上からのナショナリズム」であったことを指摘したことだ。

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