GSOMIA破棄 日韓対立は本当に「韓国のせい」か? 慰安婦合意から輸出規制まで…安倍首相の韓国ヘイト政策を一から検証

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民間の“慰安婦像”設置にヒステリックな反応、森友・加計隠しで韓国攻撃しかけた安倍

 翌2016年、かつての軍事政権の系譜にある保守系の朴政権がスキャンダルで倒れた後、大統領に就任した文在寅の登場は、まさに安倍首相の歴史修正主義に抗する韓国世論の象徴でもあった。周知の通り、文在寅は公約通りに日韓合意の交渉過程を再検証し、撤回へ向かう。安倍政権は、これにヒステリックな嫌がらせを繰り返した。

 たとえば、2017年の始めには、韓国で慰安婦問題を象徴する少女像が新たに設置されたことを受け、安倍政権が駐韓大使の一時引き揚げや日韓通貨スワップ協議の中断などの対抗措置を強行。さらに、韓国政府が慰安婦問題日韓合意見直しの方針を打ち出すと、安倍首相は平昌冬季五輪開会式への欠席をちらつかせるなど、幼稚な圧力を加え始めた。その結果、米国、韓国、北朝鮮での平和的交渉から“蚊帳の外”になったのは周知の通りだが、結局、安倍は“国益”をいくら損ねようとも、韓国を敵視することで国民の目をそらさせ、森友・加計問題などで揺れる政権の再浮上を計ったのである。

 そして、2018年にはいると、安倍政権が仕掛けた歴史修正主義の愚行はますます深みにはまっていく。GSOMIA破棄に直接的につながった徴用工問題の泥沼化も、そもそもは安倍首相の歴史修正主義が原因だ。

 同年10月、韓国の最高裁判所(大法院)が、戦中に日本へ労働力として強制的に動員された元徴用工らの訴えを認め、日本企業に賠償を請求する決定をくだした。もともと、元徴用工の個人請求権の問題は、歴代韓国政府も「日韓の政治的配慮」のもとで封印してきたが、この司法の判決を受けて、文大統領は「司法の独立」を重視し、尊重する意向を見せた。念のため言っておくが、三権分立を原則とする民主主義国家の行政の長として当たり前の判断である。

 ところが、安倍政権は「ありえない判断」「日韓請求権協定で解決済み」などと猛批判を繰り返し、あろうことか韓国政府へプレッシャーをかけた。つまり、安倍は民主主義の原則を完全に無視し、隣国の司法へ介入しようとしたのだ。もはや底が抜けた状態だが、これに韓国世論が強く反発したのは、徴用工問題が戦中日本の戦争犯罪に絡んだ人権問題だからに他ならない。

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