文春も報じた「慰安婦像の正体は米軍事故被害者」は完全なデマだった! 官邸とネトウヨ情報に丸乗りし印象操作

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慰安婦像の制作者がインタビューで明かした、本当の制作過程

 いい機会なので、このネトウヨデマをちゃんと検証しておこう。まとめサイトやネトウヨブログらが言うその「根拠」は、前述の2002年の米軍装甲車による事故で亡くなった2人の中学生のうちのひとり、シム・ミソンさんの顔写真と少女像の顔が「似ている」、という主張につきる。ちなみに、もう一人の被害者であるシン・ヒョスンさんは「予算的な問題」で制作されず、少女像の誰も座っていないほうの椅子はその名残であるなどともっともらしげに主張されるケースもある。

 しかし、そもそも少女像の顔とミソンさんの顔は、率直に言って「まあ、似ていると言われるとちょっと似ているかもなあ」というレベルである。しかも、その数少ない類似点も、せいぜい肩上までのボブカットと前髪の分け方の方向、つまり髪型が似ているだけだ。

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「WiLL」17年10月号が掲載したシム・ミソンさんと少女像の“比較画像”(田中英道「「慰安婦像」のモデルは米軍犠牲者の少女だった」)


 事実、文春によれば、ミソンさんの父親もモデル説について「初めて聞きました」としており、記者から「WiLL」の比較画像を見せられてから「言われてみれば似ている」と目を細めたという。理解しがたいことに、ネットではこの文春の記事が「父親がモデル説を認めた!」みたいな話に歪曲されているが、むしろ逆で、これは実の父親がいまに至るまで「少女像は娘に似ている」などとは思いもよらなかったことの証左だろう。

 もちろん、本サイトは「似てる・似てない」の水掛け論をやろうというのではない。デマであることの決定的な証拠があるのだ。それは、『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』(岡本有佳・金富子責任編集/世織書房)に収録されている少女像の制作者・キム夫妻のインタビューを読めば自明なのである。

 まず、同書のなかで妻のソギョン氏は、少女像がなぜ少女の形をしているのかについてこう述べている。

「私自身、女性として、娘をもつ母親として、この像をどうつくるか、さまざまなアイディアを考えました。もともとはハルモニの像をつくろうと思いました。しかし、連れて行かれた当時のようすを象徴的に表現するにはどうすればいいかを考えたすえ、あえて一五歳前後の少女の姿にすることにしました。おちろん、一〇代から二〇代後半までさまざまな年齢の女性が連れていかれたことは知っていました。しかし少女時代を奪われたことを象徴的にあらわそうと思ったのです」(『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』より)

 また、ネトウヨが「転用」の根拠とする髪型についても、ソギョン氏は制作過程をこのように明かしている。

「頭は、三つ編みやきれいに切りそろえられた短髪ではなく、ちょっと乱れています。無理矢理切られてしまったということを象徴して、ふぞろいな形になっています。(中略)はじめはお下げ髪にしてみたり、きれいに揃ったおかっぱにもしてみましたが、最後にこのようにむざんに切られた、ザクザクの髪にしました。切られた髪は家族とのつながり、国とのつながりを無理矢理絶たれたことも象徴しています」(同前)

 どうだろうか。この時点で、ネトウヨたちが言う「別の事件の被害者をモデルにした像をのちに慰安婦問題の少女像に転用した」なる説は、なんの証拠もないデタラメであることが明らかだろう。そのうえで、「いや、ソギョン氏は後付けの嘘を言っている」などとほざく輩のために、さらに決定的な証拠を提示しておきたい。

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