爆風スランプのドラマーがJASRAC批判…一方、理事長は「『カスラック』と言う人たちは議論の相手だと思っていない」

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JASRACの徴収の範囲が広がっている背景にある深刻なCD不況

 しかし、そもそもなぜ最近になってJASRACまわりで問題が立て続けに起きているのか? 「ミュージック・マガジン」17年4月号では、JASRACをめぐる最近の現象について、〈JASRACが徴収対象を広げてきた背景には、CDのセールスの落ち込みにより、レコード業界からの著作権収入が減少したことがあるとされる〉と説明されていた。

 実際その通りであることに疑いの余地はなく、であれば、今後CDのセールスが回復する見込みなどない以上、新たなビジネスを創出することで対処するしかないはずだ。しかも、その役割は、音楽ビジネスが激動している昨今、一層その重要性を増しているともいえる。

 JASRACの公式ホームページに掲載されているJASRACの紹介文を読むと、〈昭和14年に設立されたJASRACは、著作物がデジタル化されネットワークで世界をかけ巡る時代を迎えた今、70年を超える実績と経験をベースにデジタル化・ネットワーク化時代の著作権管理のあり方を追求するとともに、そのルールづくりを担い、人々にとってかけがえのない音楽文化の普及・発展に尽くしてまいります〉と紹介されている。

 しかし、ここまで見てきてわかる通り、現在JASRACがやろうとしていることは、ストリーミング時代における新しい著作権管理のあり方の模索でもなければ、著作権者や音楽文化に親しむ人々のための著作権管理業務でもない。ひたすら自分たちの既得権益を守るために徴収の対象を広げ、その矛先はいまや音楽を学ぼうとする子どもたちにすらおよぼうとしている。しかし、そこまで強引に集めた金は著作権者に公平には行き渡っていない。この姿勢にはやはり疑義の声が上がってしかるべきだろう。
(編集部)

最終更新:2018.10.18 03:58

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