安倍首相「こんな人たち」発言を坂上忍までが批判! 一方、安倍応援団は「帰れ」コールを“選挙妨害”と攻撃する愚劣

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 さらに、今朝の『とくダネ!』(フジテレビ)でも、田崎は「まあ動員したっていうか、集まったんでしょうけれども」と猪瀬と同様の動員説を唱え、「安倍やめろ」と声をあげた聴衆をこう批判した。

「安倍総理も負けるわけにはいかないっていうときに、彼らと言わずに『この人たち』みたいなこと言いましたよね。でも、こうやられた方にも、ちょっとこれ、まあ民主主義上どうなのかなっていう疑問は残りますね」

 安倍首相を批判した人びとは組織ぐるみの動員であり、民主主義を否定する選挙妨害だ。──あまりにもアホらしい主張ばかりで相手にするのもバカバカしいが、政治家の演説に対して国民が批判の声をぶつけたり、ヤジを飛ばすこと、それは当然の行為だ。

 まず、憲法21条では表現の自由が保障されているが、その根拠としてあるのは、国民が言論活動によって政治的意思決定に関与するという「自己統治の価値」だ。そして、この表現の自由は、あらゆる人権のなかでも優位的地位を占めている。政治に対する不満や不信感、政策への抗議のために国民が声をあげること、それこそが民主主義の姿なのだ。

 さらに、「市民を装った活動家」「組織ぐるみ」「動員」という批判があがっているが、今回、街頭演説会に際してはSNS上で「#0701AKIHABARA」というハッシュタグがあったものの、特定の組織が構成員に対して動員をかけるといった類いのものではまったくなく、まさしく“勝手連”的な動きだった。また、テレビでも大々的に流された「安倍やめろ!」という大きな横断幕を指して、「事前に組織として準備していなければあんなものはつくれない」とネトウヨは噛みついているが、あの横断幕はあきらかに2015年の安保法制に反対する国会前抗議で使われたものの「使い回し」だ。

 しかも、長尾議員は〈観衆の多くは安倍支持者〉というが、それこそデマで、熱烈な支持者は一部にすぎず、あの場にいたほとんどの人びとは“総理の登場を冷ややかに眺める聴衆者”だった。むしろ現場では、安倍首相を批判するプラカードをもたない人が、同じように「帰れ」と声をあげはじめるという光景も見られた。安倍政権への怒りが、あの場でたしかに伝播していった結果だったのだ。

 加えて言えば、仮にそれが「動員」だったとしても、そこには何の問題もない。先にも述べたように、権力に対し批判の声をあげることは憲法に保障された国民の権利であり、その意見に同意・賛同する者が集まることは当たり前のことだし、抗議運動とはそうやって広がっていくものでもあるからだ。

 ましてや、演説カーに車で激突したり、街宣車や拡声器などを使って作為的に演説を邪魔したのならまだしも、市民が集まって生の声で叫ぶことを「選挙妨害」と呼ぶのは、民主主義を否定する信じがたい暴論と言うべきだ。

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