キンコン西野の「お金の奴隷解放宣言」はおかしくない! 絵本無料公開を批判する意見こそ「奴隷」の発想だ!

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 むしろ、こうした批判を見ていて痛感するのは、日本人が表現や創作さえ、「お金」という尺度でしか見られなくなっているという現実だ。これこそがまさに、西野のいう「お金の奴隷」状態といってもいい。

 もちろん、その表現や創作がただの金儲けの道具になっている現実はある。出版界でも、一部の売れっこ作家や芸能人だけが知名度をバックに大々的にプロモーションを展開してもらい、「有名人の本だから」「売れているから」というだけの理由で買われていく。一握りのベストセラーとそれ以外の売れないたくさんの本。現在の出版界は一強多弱の傾向がどんどん進んでいる。

 そして、西野も強者に属するひとりだ。おそらく、今回の批判には「おまえは売れてるからそういうことを言えるんだろう」というやっかみも入っているはずだ。

 しかし、今回の西野の言動は、逆にそういった状況に風穴を開けようとするものだ。一握りの売れた者が得た利益を独占するのでなく、社会に還元する流れをつくりだすきっかけになるものだ。西野は、そのお金の奴隷解放宣言でこんな指摘もしている。

「《自分は『えんとつ町のプペル』を子供にも届けたいのに、たった「お金」という理由で、受けとりたくても受けとれない子がいる。》
双方が求めているのに、『お金』なんかに「ちょっと待った!」をかけられているのです。
お金を持っている人は見ることができて、
お金を持っていない人は見ることができない。
「なんで、人間が幸せになる為に発明した『お金』に、支配され、格差が生まれてんの?」
と思いました。
そして、『お金』にペースを握られていることが当たり前になっていることに猛烈な気持ち悪さを覚えました。
「お金が無い人には見せませーん」ってナンダ?
糞ダセー。」
  
「お金を持っている人は見ることができて、お金を持っていない人は見ることができない」。そのことに「猛烈な気持ち悪さ」を感じるというのは、真っ当な感覚ではないか。

 ところが、驚いたことに、「お金の大切さ」を知ることのほうが大事だという意見が多くきかれる。たとえば声優の明坂聡美はツイッターで、

「勿論ブログも読みました。子供が「2000円は高くて買えない」って事が発端だとも書いてありましたが、だからこそだよ。 少ないお金を一生懸命貯めて買うから、お金の大切さや物の価値を理解するのに「じゃあタダであげよう」なんて言っていたらその感覚がなくなってしまうよ。」
「タダで提供できるものが良いもの程、作品の価値も、クリエイターに支払う対価も下げてしまう可能性がある。 だって「○○みたいな有名作品がタダなのに、それより無名な作品にお金を払う価値があるの?」ってなるもの。 えんとつ町のプペルが何十人もの人と作り上げた素晴らしい作品だけに残念。」

 などと西野に対する批判をツイート。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)でも藤村幸司リポーターが「子どもたちにお金の大事さを教えるのも大人じゃないの」などとツッコんでいた。

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