国谷裕子がNHK『クロ現』降板の舞台裏を告白! 現場では続投方針だったのに突如、上層部から交代指示が…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 国谷氏が頭に浮かべたこれらのうち、最大の原因として考えられているのが、いわずもがな菅義偉官房長官への集団的自衛権にかんするインタビューだ。この14年7月3日の放送で、国谷氏は舌鋒鋭く集団的自衛権の行使にかかわる問題点を次々に質したが(詳しくは既報を参照)、放送終了後に菅官房長官が立腹し、官邸サイドはNHK上層部に猛抗議をしたと「FRIDAY」(講談社)が報じたほどに問題となった。

 同誌によれば、官邸は“国谷が食い下がったことが気にくわなかった”というが、このときの国谷氏の質問はいずれもが正鵠を射るもので、キャスターとして当然、聞き出すべき事柄ばかりだった。にもかかわらず、「相手に対する批判的な内容を挙げてのインタビューは、その批判的な内容そのものが聞き手自身の意見だとみなされてしまい、番組は公平性を欠いているとの指摘もたびたび受ける」(国谷氏の著書より)という現実がある。

 しかし、国谷氏の考え方は違う。「聞くべきことはきちんと聞く、角度を変えてでも繰り返し聞く、とりわけ批判的な側面からインタビューをし、そのことによって事実を浮かび上がらせる、それがフェアなインタビュー」と考えるからだ。

「菅官房長官への私のインタビューは、様々なメディアで、首相官邸周辺の不評を買ったとの報道がなされた。それが事実かどうか私は知らないが、もしそうだとすれば、『しかし』という切り返しの言葉を繰り返したことが、不評を買うことにつながったのかもしれない。まだまだ、『聞くべきことはきちんと聞く、繰り返し聞く』ということには、様々な困難が伴うのだろうか」

 だが、国谷氏が安倍政権から「不評を買った」のは、これだけではないだろう。たとえば、15年7月23日に放送された『クロ現』の特集「検証 安保法制 いま何を問うべきか」において、国谷氏がこだわった点はこんなことだった。

 番組づくりの上で、担当ディレクターは番組の構成表において「なかなか理解が進まない安保法制」と書き出していた、という。当時、当たり前のようにメディアは安保法制を語る際に使っていたフレーズだが、国谷氏はこの言葉に違和感を抱く。

「果たしてこの言葉の使い方は正しいのだろうか。『なかなか理解が進まない安保法制』という言葉は、文脈のなかでの置かれ方によっては、安保法制に反対が多いのは、人々の理解がまだ進んでいないからだ、という暗黙の示唆を潜ませることにならないだろうか。この言葉は、今は反対が多いが、人々の理解が進めば、いずれ賛成は増える、とのニュアンスをいつの間にか流布させることにもつながりかねないのではないだろうか。そういう言葉を、しっかり検証しないまま使用してよいのだろうか、私にはそう思えた」

 テレビは映像の力を発揮するメディアだ。しかし他方で映像は全体像を映し出すものではないし、ときとして人びとの想像力も奪うことがある。だからこそ、国谷氏は「言葉の持つ力」を信じ、同時に言葉に慎重だった。官製報道などではない、いま現在の問題を深く掘り下げて視聴者とともに考える──そうした番組をつくってきたのだという矜持が、国谷氏の文章には滲み出ている。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

キャスターという仕事

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

国谷裕子がNHK『クロ現』降板の舞台裏を告白! 現場では続投方針だったのに突如、上層部から交代指示が…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。NHK水井多賀子の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 「トランプに皮肉」村上春樹の本格的トランプ・安倍批判
2 本田圭佑の朝鮮学校訪問と発言の勇気
3 貴乃花出馬を阻む森喜朗との不仲
4 菅に日歯連から3000万円迂回献金
5 安倍首相がカジノ法で虚偽答弁!トランプ圧力やっぱりあった
6 茅ヶ崎市での慰安婦映画上映に慰安婦像を蹴った極右団体が
7 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
8 櫻井よしこは嘘つきだ!小林節が告発
9 『ワイド!スクランブル』コメンテーター就任の柳澤秀夫に期待
10 テイラー・スウィフトのトランプ批判に拍手
11 靖国神社宮司が天皇批判!右派勢力が陥る倒錯
12 フジ、テレ東、NHKの入管PR番組と安倍政権の排外政策
13 安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
14 グッディ!土田マジギレ真の原因
15 民主党=革マルを叫ぶ安倍の公安脳
16 ノーベル平和賞ムクウェゲ医師が批判した慰安婦問題
17 加計理事長のデタラメ会見に加計学園の職員が
18 旭日旗問題で國村隼の発言は正論だ! 
19 春樹『騎士団長殺し』と南京虐殺描写
20 さんま「戦争に税金使うな」と国税に抗議
1加計理事長会見で新聞・テレビ記者が徹底糾弾!
2サザン桑田が“政治風刺辞めない”宣言!紅白での炎上にもめげず
3 柴山文科相「教育勅語」発言は政権の総意
4安倍改造内閣は杉田水脈レベルの“ほぼ全員ネトウヨ内閣”
5安倍改造内閣に田崎スシローも「これまでで一番出来が悪い」
6加計理事長のデタラメ会見に加計学園の職員が
7ノーベル平和賞ムクウェゲ医師が批判した慰安婦問題
8沖縄県知事選の結果をマスコミが政権忖度でスルー!
9旭日旗問題で國村隼の発言は正論だ! 
10翁長前知事県民葬で菅官房長官に「嘘つき」の怒号
11百田、上念、有本、WiLL…安倍応援団の小川榮太郎切りが醜悪!
12『バイキング』坂上忍ら杉田水脈と小川榮太郎を徹底批判
13安倍首相がカジノ法で虚偽答弁!トランプ圧力やっぱりあった
14本田圭佑の朝鮮学校訪問と発言の勇気
15靖国神社宮司が天皇批判!右派勢力が陥る倒錯
16 『zero』有働由美子がニュース感覚“ゼロ”を露呈
17 ネトウヨ落語家・桂春蝶が不倫相手にDV
18茅ヶ崎市での慰安婦映画上映に慰安婦像を蹴った極右団体が
19テイラー・スウィフトのトランプ批判に拍手
20フジ、テレ東、NHKの入管PR番組と安倍政権の排外政策

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄