改憲勢力3分の2に直木賞作家の中島京子が強い危機感! 内田樹も「安倍の狙いは憲法停止」と恐怖のシナリオを予測

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
chiisaiouchi_01_160725.jpg
中島京子『小さいおうち』(文春文庫)

 改憲隠しという姑息な戦略によって参院選で勝利をおさめた安倍政権だが、早くも憲法改正に向けて水面下で動き始めたらしい。公明党、おおさか維新の会に対しては、まず、緊急事態条項から手をつける“お試し改憲”の方向で根回しを開始。テレビでも、“安倍応援団”の評論家・ジャーナリストにその緊急事態条項の必要性を叫ばせるなど、露骨な世論誘導を展開し始めた。

 ところが、これに対する国民の反応は鈍い。改憲勢力が3分の2を占めたというのに、昨夏の安保法制のときのような危機感はほとんどなく、むしろ「改憲なんてそんなに簡単にできるわけがない」と、楽観的な空気が支配している。

 こうした状況に、警告を鳴らしているのが、山田洋次監督が松たか子主演で映画化した『小さいおうち』(文藝春秋)などの作品で知られる直木賞作家の中島京子氏だ。

 中島氏は先週発売の「女性自身」(光文社)8月2日号で、参院選の結果について、「『改憲勢力が議席の3分の2を獲得』という最悪のもの。私自身も大変なショックでした」と嘆き、国民投票に向けて憲法を守るための準備を始めるべきだと力説している。

「改憲は『国民の過半数の賛成』がないと成立しないと思っている人が多いようですが、大間違いです。国民投票は有効投票数の過半数で可決し、最低投票率は設けていない。今回の参院選の投票率は五十数パーセントでしたから、それと同じレベルだとすると、その過半数で可決となる。国民の『4分の1』ほどの賛成で改憲されてしまうのです」
「だから、国民投票を棄権してはダメ。日本国憲法やその解説書を読んだり、識者の意見に耳を傾けたりして、投票の準備をしてほしい。自分のためだけでなく、お子さんや、未来に生まれてくる子供たちに胸を張って渡せるバトンは『平和憲法』だけなんです」
 
 まさに、切実な危機意識と日本国憲法への思いが伝わってくるコメントだが、中島氏はこれまでも、憲法について積極的に発言してきた。

 その大きなきっかけは、やはり、中島氏が2010年に第143回直木賞を受賞した前述の小説『小さいおうち』だ。この作品は1930年代から40年代後半の日本が戦争に突き進み、次第に戦況が悪化する時代とその後を描いたものだが、“普通の人々”が、知らず知らずのうちに戦争に巻き込まれていく様がていねいに活写されている。中島氏は映画公開後のインタビューでこんなことを言っている。

「驚くのは本当に戦争が悲惨になるまで、ふつうの人々に悲愴(ひそう)感がないことですね。裏を返すと、人々が気づかないうちに、戦争が泥沼化し、気がついたら後戻りがきかなくなった。戦争って、そんなふうに始まるんですね。(略)時間を追って、戦争の経緯を背景に人々の日常を調べていったら、怖くなりました。今もまた、いつの間にか、ハチマキを巻き、竹やり持ってしまうんじゃないか。そういう可能性があるわけです。この小説を書いたのは安倍政権の前です。当時は『もしかしたらちょっと怖いな』という感じでした。でも、一昨年、安倍政権が誕生し、あっという間に時代が進み、今は『もしかしたら』が外れた感じがしますね。本当に私、怖いです」(日刊ゲンダイ14年2月8日付)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

小さいおうち

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

改憲勢力3分の2に直木賞作家の中島京子が強い危機感! 内田樹も「安倍の狙いは憲法停止」と恐怖のシナリオを予測のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。伊勢崎馨憲法直木賞の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 日産ゴーン会長逮捕した特捜部の裏! 
2 Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証
3 人権無視の入管が抗議の落書きに非難ツイート
4 警視庁捜査、ジャパンライフと安倍政権
5 「人の税金で大学に」麻生太郎の悪質性
6 BTS問題で『ワイドナ』が意外に冷静な姿勢
7 ナベツネにいったい何が? 読売の異変
8 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
9 百田尚樹がウーマン村本とのバトルで
10 安倍内閣の官房参与が消費税批判
11 百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
12 宮崎駿がブチ切れた川上量生の差別思想
13 ジャニーズタブーで犯罪もみ消し
14 ネトウヨのTWICE「慰安婦シャツ」炎上攻撃は韓国ヘイト
15 森友学園が麻生財務相側近に口利き依頼
16 安倍が膳場や池上にもらした改憲の本音
17 在日差別に怯え続けた芸能人の苦悩
18 BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
19 櫻井よしこ、竹田恒泰の森友講演料は?
20 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
1安倍政権の水道民営化強行の裏! 日本の水道が崩壊
2安倍内閣の官房参与が消費税批判
3BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
4安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
5警視庁捜査、ジャパンライフと安倍政権
6片山さつきだけじゃない! “ほぼ全員スキャンダル内閣”
7植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
8安倍政権がひた隠しにする外国人労働者の“奴隷”実態
9やっぱり安倍政権の外国人実習生調査結果は嘘だった!
10安倍政権が北方領土のため「年金の金」でプーチンに貢ぎ物計画
11安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
12安倍首相も桜田五輪相と同じ「事前通告がない」ウソの常習犯
13百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
14「人の税金で大学に」麻生太郎の悪質性
15Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証
16BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
17ナベツネにいったい何が? 読売の異変
18竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行
19BTSを「ナチス礼賛だ」と歪曲攻撃したナチ信奉者たち
20トランプ中間選挙会見で「晋三は自動車関税のことでハッピー」と皮肉

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄