映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー

佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
moritatsuya_01_160603.jpg
15年ぶりの単独監督作『FAKE』を6月4日に公開する森達也氏

 “「現代のベートーベン」全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!”──2014年2月の「週刊文春」(文藝春秋)のスクープを皮切りに、メディアを巻き込んだ大スキャンダルに発展した佐村河内守氏の“ゴースト騒動”。会見後、佐村河内氏は表舞台から姿を消したが、その佐村河内氏の「素顔」に迫ったドキュメンタリー映画が、6月4日より劇場公開される(公式サイト)。

 タイトルは『FAKE』。監督は、オウム真理教信者たちの日常を描いたドキュメンタリー『A』で物議を醸した森達也氏だ。

 騒動後、自宅に引きこもり状態となった佐村河内氏の日常を通して、“ゴースト騒動とは一体何だったのか、誰が誰を騙していたのか、真実とは虚偽とは何かをあぶり出そうとする『FAKE』は、現在の日本社会を投影する“問題作”でもある。

 佐村河内氏と二人だけの対話を試みる森監督。バラエティ番組の出演交渉に訪れるテレビ局関係者。容赦なく佐村河内氏に質問をぶつける海外メディア記者。騒動後も夫を支える続ける妻。そして、これまでの“佐村河内像”をひっくり返すであろう、衝撃的ラストシーン──。

 森氏の単独監督作としては『A2』以来15年ぶりとなる本作。なぜいま、佐村河内氏なのか。そこから浮かび上がる社会、メディアの病理とは何か。森監督に話を聞いた。

……………………………………

──なぜ、佐村河内氏を撮ろうと思ったのですか。

 もともと興味があったわけじゃない。2014年8月に書籍の企画を持ち込まれて、あまりその気はなかったのだけど彼と会って、2時間くらい話をしました。そのときに彼や、彼を取り巻く環境がフォトジェニックだなと強く感じたんです。特に美男というわけではないけれど、画になるなって。それは彼だけじゃなくて、傍に奥さんがいて、猫がいて。リビングはとても薄暗くて、窓を開けたらすぐ近くを電車が走っている。そういったものを全部含めて画になるなと。それで帰り際に、「あなたを映画に撮りたい」と伝えていました。……まあ無理やりに言葉にしたけれど、ほとんど直感です。

──ほとんどのシーンが佐村河内氏の自宅での撮影ですね。カメラを回しているときに「耳が聴こえているのでは」と感じたことは?

 アレ?って思ったことは何度もありました。でも、その次の瞬間、「ああ、やっぱり聴こえてないんだ」って思ったこともある。佐村河内さんの症状である感音性難聴は、聴こえる音と聴こえない音があり、「聴こえている音も曲がって聴こえる」と本人は言っています。これは体調によっても変わる。考えたら当たり前ですよね。あと、口話(口の形)を読んでいるときもある。佐村河内さんは奥さんの口話はかなりわかるんだけれども、初めて会った人の場合はほとんどわからない。人によって癖がありますから。つまりすべてグラデーションなんです。聴こえるか聴こえないかの二項対立じゃない。多くの聴覚障碍者はこの領域にいます。ところがメディアは、この端数をわかりやすく四捨五入して単純化してしまう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。インタビュー佐村河内守森達也編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
2 宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
3 「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
6 立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」
7 “G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
8 自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」
9 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
10 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
11 組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
12 JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係,
13 検察庁法改正から河井夫妻事件、首相辞任まで 安倍の“嘘”振り返り(後編)
14 自殺した赤木さんの妻が『バイキング』生放送中にLINEで…
15 封印されたAKB48盗撮事件
16 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
17 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
18 五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!
19 三浦瑠麗が近財職員の自殺にトンデモ発言
20 裁判で「安倍首相は逃げている」と陳述、赤木さんの妻が小川彩佳に語った覚悟
1赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
2「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
3「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事を追及できないマスコミ 朝日も…
4変異株クラスター発生のなか…政府は病床使用率の変更
5組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
6G7で“借りてきたネコ”状態の菅首相をヨイショするためNHKがフェイク!
7平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
8国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
9吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 
10“G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
11高須院長が田中事務局長と鈴木宗男に超法規的なリコール期限延長を陳情
12五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
13五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!
14宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
15夫婦別姓もLGBT法案も安倍晋三がツブした!
16立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄