佐藤浩市がテレビの萎縮・右傾化に危機感表明!「このままだとナショナリズムに訴えるドラマしか残らなくなる」

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 ご存じの方も多いだろうが、三國といえば一貫して反戦を訴えてきた反骨の俳優だ。しかもそれは筋金入りで、三國は中学時代から軍国主義に反発し、徴兵を逃れるために逃亡。そのときの思いを、三國はこう語っている。

「徴兵を逃れ、牢獄に入れられても、いつか出てこられるだろうと思っていました。それよりも、鉄砲を撃ってかかわりのない人を殺すのがいやでした」(朝日新聞1999年8月13日付)

 その後、逃亡した三國は特高に連れ戻され戦地に送られたが、「一発も鉄砲を撃てなかったいちばんダメな兵隊」(川名紀美『女も戦争を担った』冬樹社)と振り返っている。それでも、三國は言う。「私はこれまでの人生にいろんな汚点を残しましたがね、あの戦争に加担したことがいちばん大きな汚点だったというふうに感じているんです」と。

 三國と佐藤はけっして仲の良い親子ではなかった。というよりも、ふたりの確執は事あるごとに囁かれていた。実際、ふたりにとって実質上の初共演作となった映画『美味しんぼ』の制作発表でも、佐藤が「俳優はサービス業」と話すと三國が「サービス業などという考え方は間違っている」とすぐさま批判するなど、マンガのなかの海原雄山と山岡士郎を地で行く不仲ぶりを見せつけていたくらいだ。

 だが、だからといってふたりは、わかり合っていなかったわけではないだろう。13年に三國は逝去したが、そのお別れの会で、佐藤は三國を「ひどい父親」と言いながらも、「それ以上に僕に残してもらったものがある。僕がここに立って、やりたいと思える芝居をやれるのは三國連太郎という人がいたから」「彼から受け取ったものは父親としての人生より数倍濃厚なものだったかもしれない。自分がどこまで理解しているかわからないけど、それを自分の中で守って行きたい」と語っている。

 俳優として、そしてひとりの人間として、佐藤が三國から受け取ったもの。そのなかには三國が最期まで抱えもった戦争への思いもあるだろう。戦争を憎み、差別を憎み、権力を批判しつづけた三國だが、今回、佐藤が述べた「ナショナリズムに訴えかけるようなドラマしか、もう残された道はないんだろうか」という問いかけは、現在の社会とメディアの状況を的確に捉えたものだった。どうか佐藤にも、俳優として三國の反骨心を今後も継承してほしいと願うばかりだが、最後にもうひとつ、前述した昨年3月のインタビュー記事から、佐藤のメッセージを紹介して締めとしたい。

「戦後70年というのは、70年間戦争をしてこなかったということ。これを未来永劫続けていくために、どんな小さな声であっても、我々が継承していかなければならない」
(水井多賀子)

最終更新:2017.11.24 09:34

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