ネトウヨ化したケント・ギルバートの文章に“捏造”が発覚、回収へ! ゴーストライター任せの粗製濫造も明らかに

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 梶谷教授が17日に自身のFacebookで明かしたところによると、16日午後、梶谷教授の研究室に「Voice」編集長とPHP研究所出版部の人間が来て“捏造事件”の経緯についてこう説明したという。

〈端的に言うと、問題の記事はケント氏結局本人が書いたのではなく、担当の編集者がインタヴューしたものをライターが文字起こしして構成したものであり、その過程でミスが生じた、ということのようです。すでに土曜日に受け取ったメールの中で担当の編集者より、口述取材の際に、“KAZUYA”という人物の発言を“梶谷(KAJIYA)”のものと取り違えた、という説明がありました(ちなみに私の姓の読み方は“KAJITANI”です)。〉
〈要は、もともとケント氏は彼がYoutubeで流していたネットニュースの内容を根拠にして「PRCはヨーロッパにおいても反日工作をかなり強めている」という発言を行ったのですが、それが聞き取り・文字起こしの際にKAZUYA→KAJIYA→梶谷と誤変換されて、最終的に私が言ったことにされた、というのが真相のようです。〉(梶谷氏のFacebookより)

 ようするに、ギルバート氏は原稿を書いているわけではなくただしゃべっただけ。それを編集とゴーストライターが文章にする過程で、別人の発言だと勘違いしてしまったということらしい。

 なんとも間抜けな話だが、しかし、問題はギルバート氏の姿勢だ。日本の政治や安全保障、歴史問題をエラソーに語っている御仁が、こんないい加減なやり方で本を作っていいのか。

 たしかに、出版業界では、芸能人のエッセイ、財界人の自伝はもちろん、評論家の時評や新書などでもゴーストライターが原稿化する、というケースが少なくない。

 だが、その場合でも、上がってきた原稿については著者本人が一度はチェックするのが普通だ。そうすれば、ケアレスミスはともかく、今回のように、重要コメントを間違ったままスルーするというのはありえない。

 ようするに、この間違い方を見ると、ギルバート氏は原稿をゴーストライター任せにしただけでなく、内容のチェックも編集部に丸投げしていたとしか思えないのだ。

 さらに驚かされるのは事後の対応だ。前述のように、梶谷教授の抗議を受けて、「Voice」編集部と発行元のPHPは謝罪と訂正を行った。が、当のギルバート氏は一切謝罪していないのだ。

 ギルバート氏のブログをみると、とりあえず「web Voice」へのリンクを貼って、〈「やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人」(PHP研究所)のP170にも同様の誤った記述がありますので、すでに同書をお持ちの方はリンク先の訂正のとおり読み替えて下さい。また、今後の増刷分については速やかに修正されるそうです。〉(16日)と、それだけ。まるで他人事というか、“編集が悪くて自分は悪くない”という態度が見える。

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