「週刊文春」からAKBスキャンダルが消える? 編集長休養は「春画」だけが原因だけではなかった

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 しかし、週刊誌は新聞などが書けない女・金・出世といった世俗的話題やスキャンダルを提供する媒体であり、それが週刊誌の使命でもあるはずだ。「週刊文春」にしても新谷体制のずっと以前、いや創刊当初からこうした路線を続けてきたのではないのか。

 さらにいえば、これまで「週刊文春」が報じてきたAKB関連記事は単なるタレントのスキャンダルではない。

 AKBの運営サイドは、多くのマスコミに対し様々な利権を分配することで、絶大なる影響力を構築し、その手腕でスキャンダルを封じ込めるなどマスコミタブーと化した存在だ。多くのマスコミがAKBに関する不祥事を書かないなか、果敢にもそれに挑んでいる数少ない雑誌が「週刊文春」だった。

 さらに、メンバーに未成年者も多く有するグループにも関わらず、その総支配人だった戸賀崎智信氏が脱法ハーブに手を染めているという衝撃のスクープを報じたのも同誌だった(2013年11月28日号)。

 またAKBは芸能界、テレビ局そして大手広告代理店などの利権、癒着構造といった問題も指摘されてきたが、それを明らかにしてきたもの「週刊文春」だった。

 その最たる例が今年4月2日号に掲載されたAKBメンバーと運営サイド、そして電通との乱痴気飲み会だろう。当時未成年だった峯岸みなみに酒を飲ませたうえ、電通社員を“コスプレセクシー接待”までさせていたという記事だったが、これは単なるスキャンダルではなく業界の構造、暗部に切り込んだスクープだった。

 だが、こうしたタブーに触れたことが、上層部から「やりすぎ」と目をつけられたのではないか、ともいわれている。

「一説には、この記事で電通からかなりのプレッシャーがかかったともいわれていますし、秋元康や運営から、文春の上層部にプロジェクトがもちこまれていたとも聞きます。ところが、新谷編集長のイケイケ路線のせいで、そういうビジネスがことごとくつぶされてしまう。今回の休養はそれに対する不満が背景にあったのではないか、という憶測が広がっています。新谷編集長の路線で「文春」はたしかにスクープを連発していましたが、それでも部数はじりじりと下がり続けている。いつまでもその路線ではやっていけないという判断なのでしょうか」(出版関係者)

 芸能報道の分野で他メディアが触れないタブーに切り込むというのは「週刊文春」の真骨頂だった。実際、AKBだけでなく、15年以上前の1999年には「週刊文春」は芸能界最大のタブーといわれたジャニー喜多川氏の少年への性的虐待問題を報道。これは海外でも大きく報道され、また国会でも取り上げられる事態となった。

 品位や信頼などという権威主義的な言葉で、編集長が休養に追い込まれた「週刊文春」だが、その裏でこの本当の伝統が捨てられようとしているのだろうか。今回の事態が、文春ジャーナリズムの終焉とならなければいいのだが。
(時田章広)

最終更新:2015.11.13 11:47

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週刊文春 2015年11月19日号

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