寝屋川中1殺害事件では差別も…見捨てられた福島原発「除染作業員」の悲惨な実態

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 これは単に現場の監督が行き届いていないというだけの問題ではない。背景には、国の姿勢を含めた構造的な問題があるのだ。

『除染労働』(被ばく労働を考えるネットワーク編/三一書房、2014年)という本に、その実態が描かれている。現在、除染作業に従事する人々の半数以上は地元の労働者だというが、当初は全国各地から仕事を求めて福島にやってきた人々が主だった。そのなかには「どうせ働くなら少しでも福島の復興に貢献したい」という思いを胸に除染に来た人もいた。しかし、本書によれば、実際には、「除染作業はその『思い』に見合った誇りのある労働ではない」と言わざるを得ない状況にあるという。

 まず、現場で頻発しているのが、日当のピンハネだ。除染作業は国の直轄事業であり、労働者には雇用主である会社からの労賃のほかに、「特殊勤務手当」(いわゆる、危険手当)が支給されることになっている。だが、現場ではこの危険手当のピンハネが横行しているのだ。

 本書でピンハネを告発している外川真二さん(30代、関西出身)のケースを紹介しよう。外川さんは、2012年7月から9月にかけて、福島県楢葉町の除染に従事した。雇用元は2次下請けであるA社で、日当は10000円という条件だった。だが、A社は国から危険手当がでることになったからと説明しつつ、日当を5500円に減額。これは当時の福島県の最低賃金に相当する額だ。これに危険手当10000円を加えた15500円を支払うと説明したという。ようは会社が危険手当に手をつけていたのである。しかも、そこから以前は控除されていた宿舎などの滞在費等を過去にさかのぼって引かれ、実際の手取りは12000円になってしまった。

 本来であれば20000円の日当が支払われるはずだから、じつに8000円もの金額が下請け会社にピンハネされたことになる。こうした実態は、外山さんだけの話ではない。外山さんと同じ現場で働いていた別の作業員は、9800円をピンハネされていたケースもあったという。人によって額が異なるのは、雇用主の下請けのレベルが違うからだ。

 そもそも、除染作業は重層的な下請け構造になっている。まず、国や自治体が元請けのゼネコンJVに発注し、各建設会社などへ1次下請けに出され、そこから2次、3次と次々に下請けにだされるのだが、施工工程表に書かれるのは3次下請けまで、表向きには4次下請け以下はないことになっている。

 ところが、実際には下請けは何重にも下っていき、最終的には現場に人を送り込むだけの業者に行き着く。そのような人夫の出し入れをする業者は、かなりの部分が業務実態も法人登記もない業者で、事務所とされている場所にも看板も人もいないことが少なくないという。こうして何重にも入り込んだ下請けの分だけ作業員の日当が中抜きされているのだ。しかも現場では、3次までの下請け会社が指揮しており、これ自体も偽装派遣や偽装請負にあたり違法である。

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除染労働 (さんいちブックレット009)

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