天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
blackout_01_150114.jpg
『東京ブラックアウト』(講談社)

 安倍政権が原発再稼働に前のめりになっている。国会で安倍晋三首相が「(原子力規制委員会の基準に)適合すると認められた原発から順次再稼働を進めたい」と述べたとおり、新基準に合格した九州電力川内原発が今年春にも運転を始める見通しだ。続く関西電力高浜原発にもゴーサインが出た。安全審査申請中の原発は合計14原発、21基にものぼる。

 そんな政権の姿勢に水をさすかのように、永田町、霞ヶ関界隈で密かに読まれ、静かな波紋を広げている本がある。『東京ブラックアウト』(講談社)だ。言わずと知れた、ベストセラー『原発ホワイトアウト』の第2弾。現役キャリア官僚の匿名作家、若杉冽による“リアル告発ノベル”である。

 前作は「原発はまた、爆発する」という衝撃的な副題のもと、政官財のトライアングルがなぜ原発再稼働に固執するのか、その真の理由を克明に描き出した。端的に言うと、原発再稼働とは、原発によって生み出されるレント(超過利潤)と呼ばれる巨大マネーの還流システム(小説では「モンスター・システム」と表現されている)の再稼働に他ならない。その目的のため、電力会社、官僚、政治家が何を考え、どう行動しているのかを暴き出した

 実際、安倍政権発足後のわずか2年で日本の原発政策は若杉の小説に書かれたとおり(電力会社の思惑どおり)、アッと言う間に「フクシマ以前」に戻ってしまった。

 第2弾となる本作『東京ブラックアウト』は再稼働後の苛烈な事故の実際をシミュレートしているのだが、政官界が刮目しているのは、天皇の原発に対するスタンスが描かれたくだりだ。結論を言うと、天皇は原発再稼働には反対なのだという。

〈改めて指摘するまでもなく、今上天皇と皇后両陛下は、東日本大震災の被害に心を痛められている。とりわけフクシマ原発の事故については、美しい日本の国土が放射性物質により汚染され、いまだに一五万人以上の住民が住み慣れた土地からの避難を余儀なくされていること、そして、天から与えられし農作物や畜産物の恵みの多くが、未だ放射能の基準値を超え出荷停止となっていることに、深い悲しみを覚えておられる。(中略)
陛下が私的旅行として足尾銅山の跡地を訪問されたことも、原子力災害を二度と繰り返すことのないようにとの陛下の強い意志の表れである。〉(同書より)

 小説には、原子力規制庁長官に就任した警察官僚の井桁勝彦が御所に呼ばれ、天皇と会話するかなりきわどいシーンがある。カギカッコ内は小説に書かれた天皇の“お言葉”だ。

「そろそろ我が国の原子力発電所がまた動き出しますか?」
「……井桁さん、それで、原子力発電所はまた動き始めますか?」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

東京ブラックアウト

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発安倍晋三皇室若杉冽野尻民夫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 幻冬舎・見城徹社長に寄せられた作家の批判総まくり! 幻冬舎から著作出版の作家も…能町みね子は「青林堂と合併すれば」
2 安倍首相が「サイバー攻撃受けただけで武力行使可能」と宣言
3 百田尚樹vs古市憲寿、ウソついたのは
4 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
5 玉川徹が『バイキング』の小室圭さんバッシングの嘘を批判!
6 秋篠宮家の料理番がブラック告発
7 百田尚樹『日本国紀』批判で出版中止の津原泰水に直撃
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 読売が出会い系通い記事批判に失笑反論
10 丸山穂高「戦争」発言で長谷川豊、百田尚樹がマスコミを批判
11 「佐藤浩市が安倍を揶揄」の炎上は言いがかりだ
12 安倍が再びバノンから「偉大なヒーロー」と
13 佐藤浩市がテレビの右傾化に危機感表明
14 佐藤浩市をフェイク攻撃した安倍応援団が批判殺到で逃亡
15 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
16 つんく♂が秋元のメンバー差別に
17 瀬戸内寂聴がさらに激烈安倍批判
18 ジャニーズが“2.5次元”に危機感
19 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
20 DT浜ちゃんの息子がシティボーイ!?
1国民健康保険料が大幅値上げ、年間10万円増額も
2安倍首相と省庁幹部の面談記録ゼロ!安倍政権“公文書破壊”の実態
3石野卓球がワイドショーに勝利した理由
4忖度道路めぐり安倍の直接指示の新事実が
5安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』一行を堂々招待
6安倍が“忖度道路”の要望書を提出、山陰自動車道でも利益誘導
7上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
8 塚田「忖度」発言は事実! 麻生利益誘導の疑惑
9イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥
10野党議員をデマ攻撃「政治知新」の兄・自民党県議を直撃!
11NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ人物が専務理事に復帰
12維新勝利で橋下徹が「反対した年配の人が死んじゃった」
13中村文則が安倍政権批判に踏み込む理由
14 『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」企画炎上の異常
15 安倍首相「桜を見る会」招待状が8万円で売買との報道!
16菅官房長官「令和おじさん」人気の正体!
17ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
18「あつまれ!げんしりょくむら」以外も…原子力ムラの醜悪SNS戦略
19衆院補選で安倍自民党が大惨敗の予想が!
20 ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に“安倍政権への皮肉”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄