天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容

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 執拗に迫る天皇に、原子力規制庁長官は手続き上の道筋しか答えられない。

「前の民自党政権の四大臣会合のような政治判断は想定していない、ということですね」
「もしも原子力発電所に、フクシマよりも酷い事故があったら、どうやって事故を収めるのですか?」
「原発でフクシマ以上の事故が起きたときに、災害対策本部が立ち上がり、総理が本部長として指揮を執ることが法律には書いてありますね。しかし、結局のところ、いったい誰が責任を持って事故を収めることになるのですか?」

 長官は答えられない。それはそうだろう。実はいまの日本の実情では、具体的に誰が事故を収めるのかという根元的なことが決められていない。警察も消防も自衛隊も、協力を要請されることはあっても、暴れ始めた原発に突撃する義務はない。天皇は、この原発事故対策の本質をズバリ言い当てている。

「(前略)じゃあ、誰が事故を収束させるのか決まらないまま、それで再稼働をしてよし、というわけにもいきませんね?」
「……本当の保守というのは、原発の再稼働にこだわったり、経済成長を追い求めたり、ということではなくて、我が国の美しい国土や伝統文化を守る、ということではないですかね? この前、小吹衆議院議長にもお話をしたら、小吹さんはよくわかっていましたけどね」

「小吹衆議院議長」が伊吹文明前衆議院議長をモデルにしていることは言うまでもない。

 もちろん、ここに出てくる天皇の言葉はフィクションである。だが、作者の若杉は前作発表後、複数のメディアの取材に答え、自らが政策の意思決定に関わる立場にいることを認めたうえで、役所内で直接、あるいは間接的に見聞きした「真実」を小説として伝えたかった、と語っている。天皇とのやりとりをここまで踏み込んで書いているということは、確実な情報源がいるということだ。元財務官僚の高橋洋一は同書の帯に「この小説は95%ノンフィクションだ!!」と記している。

現行憲法下では天皇は国政に関する権能は有しないとされているが、閣僚や官僚の内奏やご進講の際には当然のことながらさまざまな質問やコメントが発せられる。だが、その発言内容を外部に明らかにすることは天皇の政治利用として厳に戒められている。逆にいえば、天皇と直接接触している一部官僚や政治家は政策に対する天皇の意向を知っている、が、表に出せない。出せるとしたら、フィクション(小説)というかたちをとるしかない。

 小説『東京ブラックアウト』が政官界で注目されているのはそのためだ。若杉は小説の形をとって、天皇の原発再稼働反対の意志を国民に伝えようとしているのではないか、と──。

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