安倍晋三の総裁選支配の実行部隊は2人の元側近官僚!? 原発ムラと内調がバック、岸田に協力し河野にはスキャンダルで揺さぶり

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自民党HPより


 本サイトでも早くから予想していたように、自民党総裁選は、各候補が安倍晋三・前首相に気に入られようと尻尾をふる“媚び媚び合戦”の様相を呈している。

 すでに安倍氏が支持を表明している高市早苗氏はもちろん、岸田文雄・前政調会長も、2日夜にBS-TBSの番組で森友問題について「調査が十分かどうかは国民が判断する話。国民は足りないと言っているわけだから、さらなる説明をしないといけない」と発言したものの、その後、安倍前首相が高市支持を表明すると、大慌て。「再調査するとは言っていない」などと前言を撤回してしまった。

 さらに、河野太郎・行政改革担当相も安倍前首相と会談した後、自らの長年の主張だった「脱原発」と「女系天皇容認」を完全撤回、原発については、再稼働の容認姿勢まで示している。

 また、河野氏も岸田氏もここにきて、ブルーリボンバッジを頻繁に着け始めたことも話題になっている。

 周知のように、ブルーリボン運動は、北朝鮮拉致問題の運動団体が始めたもので、安倍前首相をはじめとする極右・保守系政治家が好んでつけられることで知られる。河野氏、岸田氏はこれまであまりつけることはなかったが、昨日10日、河野氏の記者会見では、左胸にバッジがつけられていた。

 また、岸田氏も8月26日の出馬表明会見ではつけていなかったのに、9月9日、『バイキングMORE』(フジテレビ)に出演したときは、やはり左胸にブルーリボンバッジをつけていた。

 これは明らかに、拉致問題解決を錦の御旗に掲げてきたる(実際は何もやっていないが)安倍前首相に、忠誠を誓う意思の表れといっていいだろう。

 病気を理由に政権を投げ出し、コロナ対策の混乱をつくり出した最大の戦犯であるにもかかわらず、いつのまにか、総裁選びの鍵を握り、すべての候補が自分に尻尾をふってくる状況に──。安倍氏のほくそ笑む顔がちらついて気分が悪くなるが、“稀代の無責任元総理”のこのキングメーカー戦略には、手足となって謀略に動いている実行部隊がいる。

 それは、安倍政権時代、安倍氏の側近中の側近だった今井尚哉・元首相補佐官だ。

 今井氏は安倍政権時代、“影の総理”といわれるほどの存在だったが、菅首相になってからは外され、政界から遠ざかっていた。ところが、岸田氏が総裁選に名乗りをあげる少し前から、その今井氏が岸田事務所に出入りするところが頻繁に目撃されているのだ。

河野の総裁就任をどうしても阻止したい原発推進派の今井尚哉・元首相補佐官が岸田陣営に接近

「週刊文春」によると、今井氏は岸田事務所の山本高義政策秘書に戦略や政策を指南しているというが、安倍首相が送り込んだと考えて間違いないだろう。

「安倍氏としては、とにかく石破(茂)氏だけは総裁にしたくない。次に、避けたいのが河野氏。それで、票を分散させるために、高市氏を立たせたわけですが、本命は一応、岸田氏。それで、岸田氏には自分の側近だった今井氏をつけて、コントロールしているということでしょう」(全国紙政治部デスク)

 しかし、今井氏がこの総裁選でやっているのは、岸田陣営への指南だけではない。河野太郎の目を潰すための謀略も行なっているといわれている。

 それが、9月初めに「週刊文春」が報じた河野氏のパワハラだ。エネルギー基本計画(エネ基)をめぐるオンライン会議で、官僚に対して「日本語わかる奴、出せよ」などと恫喝した音声が流出したのだが、相手の官僚というのは資源エネルギー庁の次長だった。

 資源エネルギー庁といえば、今井氏の出身である経産省の管轄で、自身も同庁の資源・燃料部政策課長を努めており、今井氏がもっとも影響力を持っているとされる役所だ。そんなところから、あのパワハラ音声の告発は、今井氏が後輩の官僚にやらせたものではないかという見方が広がっているのだ。

 しかも、今井氏のこうした動きには、岸田氏を後押しするというだけでなく、自らの原発利権を守るというという意味合いもあるはずだ。

「今井氏は、ゴリゴリの原発推進派で、安倍政権時代は再稼働を推進するだけでなく、新増設を認める路線転換まで働きかけてきた。今年春には、原発の新増設を求める自民党議連が発足して、安倍氏が顧問に就任したが、これも、今井氏が仕掛けたといわれている。そんな今井氏にとって、かつて脱原発を掲げ、いまも新増設に消極的な河野氏は、絶対に総理大臣にしたくない。安倍氏の場合は『自分の言うことを聞くなら最悪、河野でも』という感じだろうが、今井氏のほうはもっと河野阻止の思いが強いはず。安倍氏が河野氏に対して距離を取り、その阻止のために高市を立てたのも、今井氏が安倍氏に河野潰しを強く進言した結果なんじゃないか、という見方もある」(政治評論家)

元内調トップの北村滋も、総裁選で暗躍か 公安を使って河野太郎の情報を集めているとの見方

 しかも、今回の総裁選で動いている安倍側近は今井氏だけではない。安倍政権時代は内閣情報官として、さまざまな政敵潰しの謀略を仕掛け、「官邸のアイヒマン」ともいわれた北村滋・元国家安全保障局長の動きも活発になっている。

 北村氏は7月、股関節の治療を理由に、国家安全保障局長を退任。ところが、そのあとすぐに、『文藝春秋』9月号のインタビューに登場し、「病気はあくまで言い訳で、菅政権を見限って退任した」とささやかれていた。

 そして、実際に菅政権がごたつき、岸田文雄氏が総裁選に立候補を表明する少し前から、やはり岸田陣営と接触している。

「岸田氏と北村氏は開成高校の同窓で、北村氏は安倍氏と岸田氏をつなぐパイプ役にもなっている。昨年、開かれた同校の同窓会『永霞会』では、岸田氏が会長を務め、安倍前首相のメッセージを北村氏が代読するということもあった。総裁選に突入してからは、岸田陣営にいろいろ情報を上げているという話だ。自民党議員や党員の情勢を逐一上げているのはもちろん、公安ネットワークを使って、石破氏や河野氏のスキャンダルを必死で探しているという情報もある。もしかしたら、近く週刊誌の」(前出・全国紙政治部デスク)

 まさに、総裁選を前に安倍謀略政治を担ってきた両輪が揃い踏みという感じだが、しかし、重要なのは、彼らがいま、岸田陣営についていても、飼い主はあくまで安倍前首相であるということだ。

 この先、もし、岸田氏よりも高市氏のほうが勝ち目があるとなれば、安倍前首相とともに、今井氏も北村氏も岸田氏を切り捨て、高市氏に乗り換えるだろう。

 そして、河野氏優勢の状況が変わらず、河野氏が総裁になったら、2人は安倍氏が河野氏をコントロールするために、これまでかき集めた情報を使って、揺さぶりをかけるはずだ。

「実際、河野がここにきて、脱原発や女系天皇を撤回したのも、安倍の支持が欲しいという積極的理由よりも、今井や北村の揺さぶりが効いてるんじゃないか。まともに安倍に逆らったら、スキャンダルを仕掛けられかねないという恐怖で日和っている部分もあるんじゃないか」(前出・政治評論家)

 安倍・菅政権が終わっても、謀略政治はまだまだ続くということなのか。

最終更新:2021.09.11 09:16

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