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調子に乗る安倍晋三が東京五輪強行を自画自賛! 一年延期を「感動を与えるため」と強弁、「オールジャパンで成功」「国民の絆は強固に」
自民党HPより
医療崩壊が深刻化するなか、ついに本日27日には国内の重症者数が2000人となったが、そうした現実を尻目に、予想通り、あの男が「五輪成功の功労者」として出しゃばりはじめた。安倍晋三・前首相だ。
「TOKYO五輪、金メダルものです!」
安倍前首相は今月26日発売の極右雑誌「WiLL」(ワック)10月号に登場し、こう題した記事で、五輪開催強行を自画自賛し、「オールジャパンで成功」「日本国民の絆はいっそう強固に」と言い募ったのだ。
よくもまあこの状況下でこんな話ができるものだ。東京五輪の開催が現在の感染爆発に大きく影響を与えたことは論を俟たないが、世界的パンデミックの最中に東京五輪が強行開催されたのは、もともとはこの男が昨年春に「1年以内の延期」をゴリ押したせいだ。
しかも、五輪開催中の7月30日には「桜を見る会」前夜祭の費用負担問題で検察審査会は「不起訴不当」と議決したことが判明。つまり、この男は再捜査を受ける立場にいまあるのだ。
安倍前首相は「不起訴不当」と伝えられたのと同じ日、読売新聞の朝刊に掲載されたインタビューに登場し、「陸上男子400メートルリレーに金メダル期待」などと無邪気に語っていた。本当ならば、このように御用メディアを使って世の中の五輪祝福ムードに乗じるかたちで自分の存在をアピールしようと考えていたのだろうが、急転直下、「不起訴不当」となったため、大会期間中は鳴りを潜めざるを得なかったというわけだ。
そして、ほとぼりも冷めたと見るや否や、こうして御用メディアを使って“東京五輪の功労者は俺だ”と言わんばかりにしゃしゃり出てきたのである。
まったく、相も変わらずこの男の頭のなかには私利私欲しかないことがよくわかるというものだが、肝心の中身も呆れるような話ばかりだ。
「1年延期」についても「人々に感動を与えるため」と開き直った安倍晋三
たとえば、安倍前首相は「1年延期」問題についても〈大切なのは中止することではなく、安全で安心な大会を開いて多くの人々に感動を与えることだと考えました〉と無茶苦茶な正当化をした上で、〈そうした経緯があっただけに、東京五輪が無事に開催されたことは感無量です〉と記述。本日27日時点でオリパラ関係者のコロナ陽性者数は累計759人にものぼり、ついにはコロナ陽性のパラ関係者が入院となったというのに、いまだに「安全で安心」「無事に開催」などと主張するのである。
さらに、安倍前首相といえば東京五輪開幕前には「反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています」と言い放ち猛批判を浴びたが、いまごろになって〈今回も感染が拡がるなか、国民の皆さんが「果たして大丈夫か」と心配されたのは当然のことです〉などと言い出す始末。
しかも、実際にその国民の心配は的中して感染が拡大、直ちに治療を受けるべき患者がそれを受けられず自宅で亡くなるという医療崩壊に陥っているいるが、そんな状況下でも安倍前首相は、政治家として信じられないようなことを口にするのだ。
〈まさにオールジャパンで成功に導くことができた。日本の努力を称賛する海外メディアの報道などを見て、本当に嬉しい気持ちになりました。〉
入院すべき患者が入院できないという悲鳴が轟く最中に、「五輪は成功し、海外メディアにも褒められて嬉しい!」と無邪気に口にする、この神経──。だいたい、腰砕けの国内メディアとは違い、海外メディアは東京の感染者増や「バブル方式」のザルっぷり、ラムダ株の国内初確認を隠蔽していた問題を追及するなど東京五輪に厳しい視線を向けていた。だが、安倍前首相のなかではそうした報道はものの見事に“なかったもの”扱い。「称賛されて本当に嬉しい気持ちになった」と、事ここに至っても“日本スゴイ”というネトウヨ感性を爆発させるのである。
さらに、とどめの一言がこれだ。
〈コロナ禍において、私たちは会合や会食を控えなければならず、仕事でも日常生活でもリモートでのコミュニケーションを余儀なくされています。人と人とのリアルな交わりが希薄になるなか、スポーツがもたらす感動は私たちを一つに結びつけてくれた。表彰台で日の丸が掲げられ、君が代が流れる──感動を分かち合うことで、日本国民の絆はいっそう強固なものとなります。思い出の共有はアイデンティティに向き合い、日本人としての誇りを形成するうえでも欠かせない要素です。〉
「新規感染者数、最多更新」というニュースが読み上げられるその最中に「金メダル獲得」のニュース速報が覆いかぶさる異常な光景が繰り広げられたように、東京五輪によって多くの国民は引き裂かれた。それはいま開催されているパラリンピックでも同じだ。しかし、そうした国民を苦しめる現実には一切目を向けず、安倍前首相は「表彰台で日の丸が掲げられ、君が代が流れることの感動によって日本国民の絆はいっそう強固になった」とはしゃぐだけ……。
安倍は総裁選でキングメーカー気取り、菅、岸田、高市、誰になっても「傀儡政権」に
最初からわかっていたことだが、ようするに、この男にとっては徹頭徹尾、東京五輪は国威発揚のための装置でしかなく、自分の権力維持のためにその恩恵にあずかることしか頭にないのである。
もはや負の遺産となった東京五輪をつくった張本人が、この期に及んでも五輪礼賛を繰り広げ、自分の功績だとアピールするという厚顔無恥ぶり。しかも、ネトウヨすら読んでいるのか怪しい極右雑誌で語っているだけならまだしも、さらに呆れるのは、これが明らかに自民党総裁選に向けた動きであるという点だ。
昨日、9月17日告示・29日投開票と日程が決定した総裁選だが、自民党最大派閥である細田派を牛耳る安倍前首相は、自身は再捜査を受ける身でありながら、すっかりキングメーカーきどり。現段階では「菅義偉首相の続投を支持」のポーズをとっているが、出馬表明した岸田文雄にしろ、出馬に意欲を見せている高市早苗や下村博文にしろ、全員が安倍前首相にとっては自分の息がかかった人物ばかりで、どう転んでも安倍前首相の傀儡政権になることは既定路線だ。むしろ、安倍前首相にとって重要なのは、今後も権力を維持するため、この総裁選でいかに自分の影響力を誇示できるかということ。そんななかで「東京五輪成功の功労者」という看板を使い倒そうという目論見なのだろう。
しかし、繰り返すが、東京五輪は感染爆発を招き、さらには国民を分断した「負の遺産」であり、安倍前首相は「功労者」ではなく、まぎれもない「戦犯」だ。そして何度でも言うが、御用メディアにしゃしゃり出てアピールする暇があるのならば、まずは「桜を見る会」前夜祭の明細書、ならびに河井案里氏の選挙買収問題の責任者として、検察から返却されている自民党本部から流れた1億5000万円の使途にかんする書類を国民に提示するべきだと言っておきたい。
(編集部)
最終更新:2021.08.27 09:21
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