安倍首相がケント・ギルバートと対談! 百田尚樹の『日本国紀』とケントのヘイト本を賞賛しネトウヨ心性全開

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安倍首相とケント・ギルバート氏の対談が掲載されている「WiLL」3019年7月号

 参院選を前に芸能人と面会を繰り返し、政権PRに勤しんでいる安倍首相だが、ここにきて頭がクラクラしてくるような行動に出た。極右雑誌「WiLL」(ワック)7月号に登場し、なんと、あのケント・ギルバート氏と対談しているのだ。

 周知の通り、ケント氏といえば、数年前に突如“保守系文化人”として復活した米国人タレント。2014年の朝日慰安婦報道バッシングを皮切りに、右派メディアに盛んに登場するようになり、いまや“安倍応援団”の一員として確固たる地位を築いている。

 対談の内容は予想通りのシロモノだった。まず、ケント氏が新元号「令和」を「美しい響きの素晴らしい元号」と絶賛、「総理が選ばれたのですか」と水を向けると、安倍首相は「大変な重責を感じながら作業を進めて参りました」とPRするなど、またぞろ元号と天皇の政治利用に精を出す。そして、トランプ米大統領や日米同盟、拉致問題などの話題を経て、ケント氏が安倍首相の悲願とする改憲に強くエールを送って締めくくられている。

「野党にやる気がないから、国会で(改憲)議論がなされていないんです。メディアも、安倍政権なら何でもかんでもいちゃもんをつける辻元清美さんのインタビューを流している」
「なぜ憲法改正が必要か、自民党の国会議員が各選挙区で説明する機会を設けるべきでしょう。私を呼んでくれたら、いつでも講演しますよ」(ケント氏)

「自民党に所属しながら、改憲を否定するなど自己矛盾も甚だしい。そのような議員はいないはずです。前回の選挙でも、自民党は、公約の大きな柱として掲げました。令和の時代にふさわしい憲法づくりへ、機運を盛り上げていきたいと思います」(安倍首相)

 ちゃっかり“自民党の講演に呼んでネ”とアピールするのがケント氏らしいところだが、当然のように、安倍政権の政策は批判せず鋭い追及も皆無で、太鼓持ちのように褒め称えるだけだ。しかし、そんな“お手盛り対談”のなかでも思わず呆れてしまったのは、こんなくだりだ。

 安倍首相が「悠久の歴史のなかで培ってきた伝統と文化は、グローバルな時代だからこそ誇るべきものだと感じました」などと言いながら、なんと、ケント氏の著書や百田尚樹氏の『日本国紀』(幻冬舎)を堂々と宣伝したのである。

「海外で生活している人たちは日本の文化や歴史への関心が高いですし、若い世代はインターネットを通じて世界の情報を瞬時に集め、自ら発信しています。ケントさんの本や百田尚樹さんの『日本国紀』(幻冬舎)がたいへん売れているそうですが、その存在もネットで知る方が多いんだと思います。ケントさんの本は、大手新聞の書評欄ではあまり見かけませんから」
「手垢のついた既成概念にとらわれず、メディアが一方的に流す考えは果たして正しいのかと疑い、自らの頭で考える。そんな若者が増えてきているように思います。そのなかで、ケントさんや百田さんの斬新な切り口がウケているんじゃないでしょうか」

 いくら“お仲間”だからといって、一国の総理大臣が連中のネトウヨビジネスにここまで肩入れするというのは、ちょっとどうかしているとしか言いようがないだろう。いやはや、“安倍応援団”って儲かるお仕事なんだなあ、と改めて辟易とさせられる。もちろん『日本国紀』のコピペ問題についても、ケント氏の“中国韓国ヘイト問題”についても、安倍首相にとってはまったく“問題なし”らしい。

ケント「私に『米国紀』出版のオファー」安倍「素晴らしい」

 本サイトでもたびたび取り上げてきたように、ケント氏が2017年に出版した『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)は、民族や国籍でひとくくりにして〈「禽獣以下」の社会道徳や公共心しか持たない〉〈自尊心を保つためには、平気で嘘をつくのが韓国人〉〈嫉妬心や執着心は誰にでも多少はあるものです。しかしその病的なレベルについていえば、韓国人が世界一〉などと書き散らす悪質なヘイト本だった。

 にもかかわらず、この総理大臣は新聞などのマスメディアと対比させながら、ケント氏や百田氏のネトウヨビジネスを賞賛する。あまりにもグロテスクだろう。

 ちなみに、ケント氏は対談のなかで、「実は、いま私に『米国紀』を書かないかとオファーが来ているんです。でも、日本に比べて米国は歴史が浅いから、分厚い『日本国紀』と違って新書でまとめられるかもしれない(笑)」などと話している。“ビジネス保守”の本性が丸出しだが、これを安倍首相は「素晴らしい。完成したら教えてください」と持ち上げる始末。もう見てられないとはこのことだ。

 しかも忘れてはならないのは、ケント氏が例の“報道圧力団体”「放送法遵守を求める視聴者の会」の初期メンバーで、いまでも理事の一人だということだ。ふりかえっておくが、「視聴者の会」は安保法制に批判的な報道をした『NEWS23』(TBS)等をやり玉にあげ、当時のアンカー・岸井成格氏(故人)を結果的に降板に追い込んだ団体。森友・加計問題でも追及するメディアへのバッシングを煽動するなど、完全に安倍政権のメディア圧力の“別働隊”だ(ちなみにその後、ケント氏は加計学園の客員教授に招かれた)。

 安倍首相がケント氏との対談で著書のPRまでしたのは、そうした政権御用活動への“ご褒美”ということだろうが、それだけではない。

 首相動静を見ると、この対談は5月10日夕方に首相公邸で収録された。実はこの日、安倍首相はケント氏との対談のあと、すぐにTOKIOのメンバーと都内のピザ屋で会食している。テレビ各局のニュース番組や情報番組ではいま、多くのジャニーズタレントがキャスターをつとめており、このTOKIOとの会食も、政権に批判的な報道を“自主規制”させることが目的だろう。ケント氏との対談のからの流れを考えると、そのメッセージは明確だ。

 政権への疑惑追及や疑問の声を抑え込むため、“別働隊”にマスコミ批判をさせる安倍首相。時の最高権力者から褒美を与えられ、我が世の春を謳歌する応援団のネトウヨ文化人。あまりにげんなりするが、こうしたベッタリの関係で回っているのが日本政治のいびつな現実なのである。

最終更新:2019.06.01 08:04

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