安倍応援団の報道圧力団体「視聴者の会」がNEWS 加藤シゲアキにまで「偏向」と攻撃! 言ってもない台詞をでっち上げ

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放送法遵守を求める視聴者の会ホームページより


 森友学園・籠池泰典理事長の“爆弾証人喚問”はテレビマスコミを含む多くのメディアを賑わせたが、週明けの今週、ワイドショーは目に見えて取り扱う時間を縮小、嘘のように報道が下火になりつつある。これはやはり、テレビメディアが安倍政権の顔色を伺ってまたぞろ“自主規制”に走った。そういうことなのだろうか。

 そんな風に思っていたところに、28日、あの“安倍政権の報道圧力代行団体”こと「放送法遵守を求める視聴者の会」が、都内で「緊急記者会見」を行った。本サイトではもうおなじみだろうが、「視聴者の会」とは、『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)なる“安倍ヨイショ本”でデビューした自称文芸評論家・小川榮太郎氏を筆頭に、安倍政権を応援する右派文化人らが2015年秋に結成した会。不気味極まりない新聞意見広告を打って、放送法や「国民の知る権利」を曲解し、政策批判をしたというだけで報道を糾弾。当時『NEWS23』(TBS)のアンカーだった岸井成格氏を降板に追い込んだ、あの団体だ。

 しかも、森友問題をめぐっても、例のアッキーメールで、昭恵夫人が“自分たちの味方をしてくれる人”として「視聴者の会」事務局長・小川氏このことを籠池夫人に紹介していたことが明らかになっている。

 そんな連中が安倍首相大ピンチのタイミングで「緊急」と題した会見を行うのだから、きっと“森友問題の報道は偏向だ!”“安倍政権を貶める報道はけしからん!”とがなりたて、さらに“テレビ業界は左翼に支配されている”なる陰謀論をご開陳するのだろうと思っていたら、ほんとうにそのまんまだった。

 まず、冒頭は新たに「視聴者の会」の代表呼びかけ人に就任した作家の百田尚樹センセイの挨拶。作曲家・すぎやまこういち氏が「多忙」等で退任し、その後任として新たに就任したのだが、その挨拶はずっと昔から「視聴者の会」に参加していたように、まさにマスコミ偏向批判をがなり立て続けた。それはそうだろう。百田センセイといえば、一昨年夏、例の自民党議員の会合で、「沖縄の2つの新聞はつぶさなあかん」と発言。モロな言論弾圧発言で大問題になった御仁。こんな人間が代表呼びかけ人になるということ自体、「視聴者の会」が安倍政権に批判的なメディアや報道を「つぶす」ことを目的にしている証明に他なるまい。

 だが本番はここからだ。同会の中心的人物である上念司氏のスピーチでは、「ちょっと調べたらですね、(安倍首相と昭恵夫人は森友問題と)全然関係ないということがわかってしまった」などと一方的な幕引き宣言。さらに、例のネトウヨの願望と妄想の結晶である辻元清美議員に関するデマを、ネットに流れるそのままに「疑惑」としてもちだすのだった。

 まあ、それでもここまでは予定調和だから、驚かない。思わず吹き出しそうになってしまったのが、上念氏が「テレビが『昭恵夫人を証人喚問に呼ぶべき』という大キャンペーンを張っているんですよ」などと煽って、テレビキャスターやコメンテーターらの発言をあげつらったことだ。

 会場のスクリーンにはその「発言集」とやらが列挙されたのだが、そこでは『報道特集』(TBS)の金平茂紀氏や『報道ステーション』(テレビ朝日)の後藤謙次氏、『羽鳥慎一モーニングショー』(同)の玉川徹氏、田原総一朗氏、TBSの佐古忠彦氏などの名前が並ぶ。会見では一緒くたに「彼らが昭恵夫人の証人喚問を要求している」などと解説されていたが、一応突っ込んでおくと、会場のスクリーンに映し出されたセリフの引用は、約半分は必ずしも証人喚問を求めているわけでなく、国会で説明するべきと話しているケース。これこそ印象操作だと思うのだが……。

 しかし、驚いたのは、こうしてあげつらったのが、ジャーナリストやキャスターだけではなかったということ。たとえば、元Jリーガーの中西哲生や、パックンマックンのパックンことパトリック・ハーランなども取り上げて、“ほら、こんなに昭恵夫人の証人喚問を求めている人たちがいますよ、テレビは偏っていますよ”という印象操作に利用したことだ。しかも、中西とパックンがテレビで言ったのは、昭恵夫人がFacebookで「反論」したことはフェアではないという趣旨にすぎず、別に証人喚問までは言っていない。

 さらに上念氏の八つ当たり(?)は、あのNEWSの加藤シゲアキにまで及んだ。ご存知の通り、加藤は『白熱ライブビビット』(TBS)の金曜レギュラーを務めている。会場では、加藤が『ビビット』で語ったセリフがこのように引用された。

「早く対応したかったということがあるんでしょう。だからあえてFacebookっていう手法を(昭恵氏は)使ったと思うんですけど、結果的にその、やっぱりアンフェアな感じはしますよね。偽証罪に問われるものと、やっぱり嘘をついていいわけではないですけれども、問われないという部分では、ちょっと全然重みが違うから、そこはちょっと気になるなと思いますね」

 見ての通り、加藤の発言は、籠池理事長が偽証罪に問われかねないところに出てしゃべったのに、昭恵夫人はFacebookってアンバランスじゃないか?という程度。実に視聴者目線であり、大部分の国民の感覚もこんなところだろう。ところが、確認だが、これを上念氏は「昭恵夫人を証人喚問すべきという大キャンペーン」などと吹いて紹介したのだ。いや、もうほとんど“当たり屋”レベルのやり口。こんなネトウヨみたいなオッサンに突然、言いがかりデマを打たれた加藤がちょっとカワイソウにすらなってくる。

 だが、連中は自分たちがデマをふりまいてることなんておかまいなしだ。新代表の百田センセイも我が意を得たりと、上念氏のデタラメデータをもちいて、「こういうことを言うコメンテーターの声を非常に民放は多く放送していますよね」と受け、「これも完全にバランスを欠いた放送かと思います」などと主張。だったら聞くが、籠池理事長の証人喚問の前後にワイドショーをハシゴし、官邸の情報操作を垂れ流しまくっていた“御用ジャーナリスト”の山口敬之氏や田崎史郎・時事通信特別解説委員などはどうなる。加藤シゲアキのFacebook云々発言と比べるまでもないだろう。

 その後も「視聴者の会」の暴走は止まらない。ケント・ギルバート氏はBPO(放送倫理・番組向上機構)を攻撃。「委員の顔ぶれを見てください。これ、ひどいです。(しんぶん)赤旗に出てる人とか、『特定秘密保護法案に反対する映画人の会』とか、『マスコミ9条の会』とか、『ギャラクシー賞』(選考)委員。あのね、(昨年受賞した)『報道ステーション』の番組自体がなんでBPOの対象にかからなかったのか不思議でならないんですよ」などと言って“左翼組織”に認定。完全にネトウヨ脳全開だが、あげく「頭おかしい弁護士がこういうこと(BPO審議議員)をやる」などという誹謗中傷まで言い出す始末だった。

 この昂ぶるネトウヨムードに百田センセイも躍動。「民放は自分たちの言って欲しいコメンテーターを呼んで(政権批判を)言ってもらう」「ここにいる(視聴者の会の)メンバーは民放に呼んでもらえないと思いますよ」などと、“われわれは保守だからテレビから干されている”という被害妄想をアクセル全開にした。

 それにしても、森友問題は偏向報道だとか、BPOは頭のおかしい左翼だとか、言いたい放題だが、一方のお前らはどうなのか、といいたくなるではないか。事務局長の小川榮太郎氏は完全に政権とベッタベタの関係だ。それで「中立」「公平」がどうとかこうとか、一体どの口がと言わざるをえない。小川氏は26日、自身のFacebookで昭恵氏のメールの件についてこう釈明していた。

〈昭恵夫人が10日、籠池夫人にメールで私の記事を伝へた所、籠池夫人から私に連絡を取りたい旨の打診があつた。〉
〈籠池氏並びに森友学園をメディア被害から守る為に微力でも役立てればと思ひ、昭恵夫人に対し、先方と連絡先を交換する事を了承した。
 その後、10日夕方から、籠池理事長と電話のやり取りをし、メディア対応に限定した助言を数回やり取りした。〉

 昭恵夫人から連絡を受けて電話を入れるというのは、まさに政権と切っても切れない親密な関係と言わざるをえない。ちなみに、さらにその後には、著述家の菅野完氏に対して、〈メールから確実に推定されるのは、菅野氏が籠池氏に「安倍総理が地検に云々など」と荒唐無稽な話をそこで吹き込んだのだらうといふ事だ〉〈籠池氏は身の破滅の中で、溺れる藁をもつかむ思ひで菅野氏と野党4党の何らかの甘言に乗つたのではないか〉という陰謀論を爆発させていた。

 そのあげくが、今回のとほほな会見である。まあ、おかげで「視聴者の会」がいかに、安倍首相を守るという偏った目的をもつ“トンデモ言論弾圧代行団体”であるかを再確認できたわけだが、しかし、トンデモだからと言って笑ってすますわけにはいかない。小川氏は今回の会見の最後、「視聴者の会」の今後の活動について、こんな計画をぶちあげていた。

「当会は、放送事業者の健全性の担保のために、放送法・電波法に基づく行政処分、業務停止などの不利益処分も含む検討・研究を開始する」

 つまり「視聴者の会」は、いよいよ政府によるテレビ局へ「業務停止」について、現実的な検討段階に入ったというわけである。なにが「視聴者の知る権利に応えていただきたい」(同会HP)だよ。もう体裁すらとり繕ってないじゃないか!

 昨年の高市早苗総務省による「電波停止」発言もそうだが、同会の動きと安倍政権の動向が不気味にリンクしていることを考えると、これはトンデモといっても完全にヤバいトンデモである。大メディア、とくにテレビ局はそろそろ無視をやめて、この“報道圧力団体”の本性が剥き出しになったいまこそ、徹底して反論・追及していくべきだ。

最終更新:2017.11.22 01:12

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