昭恵夫人メールにあの男の名前が! 籠池妻に安倍御用評論家で言論圧力団体「視聴者の会」の小川榮太郎を紹介

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左『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)/右・安倍昭恵オフィシャルサイトより


“爆弾証言”が連発された森友学園・籠池泰典理事長の証人喚問。焦った安倍政権が公開したのが、籠池理事長の妻・諄子夫人と安倍首相の昭恵夫人とのメールのやりとりだった。

「私が関わったということは、裏で何かがあるのではと疑われないように、細心の注意を払わなくてはならないということだったのでしょう」

 2月25日に昭恵夫人が諄子氏に送ったこのメールについて、周知のように、籠池理事長が国会で「口止めとも受け取れる」と語ったことから、官邸と自民党が即時にマスコミ各社にリーク、ネガティブイメージの打ち消しに走ったかたちだ。実際は前後を見れば隠蔽をはかっているにもかかわらず、ワイドショーではさっそくこの官邸の情報操作にマル乗りして「これは口止めとは思えませんね」などと連呼している。

 だが、本サイトとして気になったのは、籠池理事長が国会で引用した部分とは別のところだ。それは、3月10日の昭恵夫人の送信メールのなかで、不意に“あの人”の名前が飛び出したことである。

「小川榮太郎さんがFBで反論しています。少しずつこの状況が異常だということになってくるはずです」

 これに対し、籠池夫人は「紹介してください 失業するので本をかいて借金かえします」と返信しているのだが、この小川榮太郎氏とは、2012年秋の自民党総裁選直前に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍ヨイショ本”でデビューした自称文芸評論家。安倍氏の首相再登板を後押しし、首相になって以降もずっと安倍応援団の一員として「正論」(産経新聞社)や「Hanada」(飛鳥新社)などの極右雑誌で論陣を張っている。

 本サイトの読者ならよくご存知だろうが、小川氏は現在、「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)なる安倍応援団の事務局長を務め、活動の中心的役割を担っている。「視聴者の会」といえば2014年安保法制報道をめぐり、放送法を曲解して当時『NEWS23』(TBS)のアンカーだった岸井成格氏に対し「偏向報道」といちゃもんをつけ、結果、番組降板につなげた安倍政権の“言論弾圧代理機関”である。

 その事実上のボスである小川氏の「FB」、つまりFacebookの投稿を、昭恵夫人は籠池夫人に伝えたということらしい。事実、小川氏は、このやりとりがあった3月10日の前日、自身のFacebookで森友学園を擁護するようなこんな投稿を行っていた。

〈塚本幼稚園の経営者や教育方針を「異常」に見せて社会的廃業に追い込む手口は、これ以上放置しては最早自由社会の否定。〉
〈テレビメディアが今してゐる事は、人間として最も恐ろしい罪に該当するのではないか。
 犯罪以上の、人倫上の深刻な罪ではないだらうか。〉

 つまり、小川氏は森友学園問題をテレビメディアの“過熱報道問題”にすり替えて、“塚本幼稚園を追及するな”と主張しているように見える。「視聴者の会」は散々“マスコミは安保法制賛成派の声を報じない!国民の知る権利を奪っている!”などと言いがかりをつけていたが、いやはやどの口でと言いたくなる。

 しかも、小川氏は同じく9日の別の投稿で、テレビの森友学園報道について〈一つの幼稚園を保守的な教育方針故に風評被害で倒産に追ひ込まうとするメディアレイプ〉と評したうえで、〈視聴者の会の活動を改めてグレードアップしないとならないやうだ。(略)ここまで無法な振舞が続くと、電波停止への規制強化が必要となるのか〉とも投稿している。一部のテレビメディアが教育勅語の暗唱など塚本幼稚園の方針に疑義を呈しただけで、政府による「電波停止への規制強化が必要」と結論付ける。もはや論外と言うしかない。

 まあ、このように小川氏のFacebookの投稿も大概ヤバい代物なのだが、本当に危ういのは、これを籠池夫人にメールで報告する内閣総理大臣夫人の感覚だろう。考えようによっては、森友学園問題で窮地に立たされている安倍政権がいま報道規制に乗り出そうとしているとも受け取れるし、そうでなくとも、首相夫人が政府による「電波停止への規制強化が必要」との意見に首肯しているのなら大問題だ。昭恵夫人はこのメールの意図について国民の前で説明するべきだ。

 また、このメールのやりとりには他にも重要な点がある。それは、籠池夫人から「紹介してください」と頼まれた後、昭恵夫人がこんなメールを送っていることだ。

「小川榮太郎さんがお電話されたようですが、繋がらず留守電にもならなかったと言われていたので携帯番号お教えします(編集部註:この後電話番号が続く)」

 これに対し、籠池夫人は「落ち着きましたらお電話いたします 必ず致します」と返信している。つまり、昭恵夫人は籠池夫人に小川氏の紹介を頼まれ、小川氏に対し、籠池夫人に連絡するよう伝えた。そして、このメール内容が正しければ、実際に小川氏は籠池夫人に電話をかけようと一度は試みた。そういうことになる。

 おい、ベタッベタではないか。ようするに小川氏は、昭恵夫人からの“鶴の一声”で籠池夫人に電話をいれようとするような関係なのである。小川氏が安倍政権の熱烈な支持者であることはいまさら言うまでもないが、ここまで安倍一家と個人的に昵懇だったとは。しつこいようだが、それでいて安保法制に異を唱えるキャスターらを「公正中立に反する」「偏向だ!」とがなりたてているのだから、心底あきれる。

 ちなみに、たいして話題にならなかったのであまり知られていないが、実は小川氏はこのメールの件以外でも、この間の森友学園問題をめぐって週刊誌で名前が浮上したことがある。「週刊文春」(文藝春秋)3月9号で「安倍晋三記念小学校 “口利き”したのは私です」と証言した塚本幼稚園のPTA会長・川田裕介氏が、小川氏と個人的面識があったと明かしたうえで、「十二年四月には、六本木の『豚組 しゃぶ庵』の個室で、安倍さん、SP、秘書の初村滝一郎さん(現政策秘書)、小川さんら八人で食事をしました」と語っていたのだ(小川氏は川田氏との面識は事実だが、安倍首相との会合の記憶はないと「文春」に回答)。

 いずれにせよ、森友学園をめぐるテレビ報道を敵視し、「電波停止への規制強化が必要」などと主張する小川氏が、今後、「視聴者の会」を使った大規模な“森友報道バッシングキャンペーン”を展開する可能性は、極めて高いだろう。

 ただし付け加えておくと、小川氏は決して籠池理事長を守るためにこうした意思表示をしたわけではないだろう。事実、23日の証人喚問の後、一転、小川氏はFacebookで〈籠池氏問題で悪質なのは、安倍昭恵夫人から現金100万円を寄付金として受け取つたといふ話〉〈金を出したとされてゐる側の総理夫妻が全面否定し、貰つたと主張してゐる人物は嘘だらけ〉〈あべこべで、しかも信憑性の乏しい話〉などと連投。籠池理事長をこき下ろし、安倍政権を必死に擁護している。

 ようは“親玉”の十八番が手のひら返しであれば“子分”もまたしかり。なんとも醜い話だが、そういうことらしい。われわれは安倍政権の情報操作と同時に、この“安倍政権を支える言論弾圧代理人”の動向も注視し続ける必要がある。

最終更新:2017.11.21 07:35

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