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1日11時間も! 高橋尚子“パチンコ依存症”報道で改めて話題に…パチンコにハマった人たちの悲惨な実態
ARS所属アスリートのページより
開幕したばかりのリオデジャネイロオリンピック。TBSのスペシャルキャスターとしてブラジル入りし、これからテレビで頻繁に目にすることになるであろう、シドニーオリンピック金メダリスト高橋尚子に関する思わぬスキャンダルが報じられた。なんと、Qちゃんにパチンコ依存症疑惑があるというのである。
それを報じた「女性自身」(光文社)2016年8月16日号によると、高橋尚子はリオデジャネイロ入りする直前の7月下旬、自宅近くのパチンコ店に入店する姿を目撃された。時間は午前11時30分ごろ。そして、Qちゃんは店が閉店する午後の10時40分まで、約11時間ぶっ通しでパチンコ台の前に座り続けていた。ちなみに、記者の推測では20万ほど勝っていたのではないかというほどの大当たりであったという。
まあ、これぐらいならパチンコが趣味の人の暇すぎる休日の一コマとしてそこまで珍しくもないかもしれないが、Qちゃんのパチンコ目撃談には驚くべき点が二つある。
一つは、11時間近くパチンコを打ち続けるなかで、トイレと飲み物を買いに行く以外に休憩をとらなかったこと。いっさい食事を摂っていないのである。
また、もう一つは、夜の8時30分にマネージャーも務める恋人の西村孔氏が一度車でパチンコ店まで迎えに来ているのにも関わらず、パチンコを止めることはなく、西村氏を先に帰らせているということだ。
ここまで来ると、やはりパチンコ依存症が始まりかけているのではないかと心配にならざるを得ない。
何をオーバーな、と思われるかもしれないが、一度、パチンコ依存症に陥ってしまうとけっこう大変なことになるらしい。場合によっては、精神を病んでしまったり、犯罪行為の引き金にもなってしまうケースもあるという。
実は、我が国はギャンブル依存症大国である。14年8月に厚生労働省研究班が出した調査結果によれば、現在「病的ギャンブラー」と判断される人は全国に536万人いると推計されている。これは成人全体に換算すると、国民の4.8%となる。およそ20人に1人がギャンブル依存症なのが我が国の現状なのである。同時に行われた調査では、アルコール依存症の患者は109万人との数字が出ており、このことと照らし合わせて見ても、ギャンブル依存症がいかに身近な病気であるかということがよく分かる。ちなみに、ギャンブル依存患者の数字は、アメリカでの調査では1.6%、フランスでは1.24%、韓国では0.8%となっており、4.8%を叩き出した日本のギャンブル依存症罹患率は飛び抜けて高いと言わざるを得ない。
では、ギャンブル依存症を悪化させた患者はいったいどんな人生を歩むことになってしまうのか? 精神科医としてギャンブル依存の患者を見続けてきた帚木蓬生氏は『ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患』(光文社)のなかでその恐ろしい実例を紹介している。
まずは、パチンコにハマり過ぎたがゆえの学業や仕事の放棄。そして借金生活にまみれる例だ。
〈Aさんは高校1年のとき。ギャンブル好きの父親に連れられて競馬場に初めて行った。やがてひとりでパチンコ店にも行くようになり、週1回はパチンコをして、費用はアルバイトで得た金から出していた。短大にはいってから、パチンコの回数は週に4、5回に増え(中略)ほとんど講義には出なかった。(中略)
20代前半になって借金開始、50万から100万円に増えたため、弁護士に相談して任意整理をした。月に3万円ずつ5年で返済が決まった。しかし弁護士費用の8万円をパチンコで使ってしまい、立替えてもらった親からこっぴどく叱られた。(中略)
これまで1年やめてはいるものの、パチンコ店の横や液晶の宣伝を眼にすると、ハッとする〉
これぐらいならまだ若気の至りで済むかもしれないが、深刻になると精神を病んでしまうこともある。こうなると、自分で自分をコントロールすることが不可能に。家族よりもパチンコの方が大事になり、人生が壊れてしまうのだ。
〈Bさんは高校卒業して会社にはいり、20歳からパチンコを週1回始めた。20代終わりに見合い結婚したあと、パチンコの回数が週に4、5回に増えた。
30代になって長男が誕生したとき、消費者金融の借金が300万円に達した。妻が一部を貯金から返済し、残りは自分でローンを組んで返済を続けた。しかし40代になって借金は400万円になり、妻が再び貯金から返済した。それでもパチンコとスロットはやまず、40代の終わりには、また250万円の借金をつくり、妻の貯金では返せなくなった。
うつ病も併発、仕事ができなくなり依願退職し、そのまま失踪した。妻が捜索願いを出して発見され、精神科病院に入院した〉
依存症が悪化していくと、どんどん善悪の見境がつかなくなっていく。薬物中毒患者が覚せい剤などを求めるあまり友人や家族を騙したり、クスリを買う金欲しさに違法行為を働くのと同じ精神状況になってしまう。次に紹介するのは、遵法意識もメチャクチャになり会社の金をギャンブル代に変えてしまった例である。
〈Zさんは大学生になってすぐ、パチンコとスロットを始めた。授業には全く出ず、毎日パチンコ店にいた。消費者金融から借金をし、ついに限度額を超えてブラックリストにあげられ借りられなくなった。それでもパチンコとスロットは続いた。大学は2年留年して退学した。20代半ばに結婚、妻の実家の自営業を手伝うようになった。子供が生まれたあとも、営業で出かけると言ってパチンコ店にはいっていた。30代になると、妻のクレジットカードで、こっそり借金もした。妻の親から馘を切られ、別の会社に就職し、妻もパートタイムで働き出した。パチンコとスロットは続き、何度も両親のところで借金した。30代半ば、会社の金300万円を使い込んだことが発覚し、両親が完済した。しかしひと月後、2回目の使い込み160万円が発覚、今度は給料とボーナスで完済することで、会社は許してくれた、しかし、数日後に蒸発、両親が警察に捜索願いを出し、4日後、車の中で生活しているのが見つかった。会社は、借金を両親が返済したので依願退職にしてくれた。しかし妻から離婚の申し出があり、離婚となり、その他の借金については自己破産申請中である〉
このケースでは運良く会社が許してくれ、横領で逮捕といった事態にはなっていないが、ギャンブル依存が重大な事件の引き金になった例はいくつもある。
例えば、2014年に大騒動となったベネッセの個人情報流出事件も、発端となったのは情報を不正に持ち出したシステムエンジニアがギャンブルでの借金に窮して顧客データ約4000万人分を売却したことで起きている。
また、01年、青森県弘前市の消費者金融・武富士に強盗に入った男が放火に至り従業員5名が死亡した事件は、犯人が競輪などで積み重ねた借金を苦にしたのが原因だった。08年に難波駅前の個室ビデオが放火され16名が死亡した事件も、「死にたかった」と動機を語る犯人のトラブルの元凶には、パチンコや競馬で重ねた借金があったと報道されている。
では、高橋尚子の場合はどうなのだろう。後日、「女性自身」に直撃されたQちゃんは、質問に応え、恋人が迎えに来たのに帰らなかったのはちょうど勝ちに入ってしまっていたからで、パチンコに行くのも月に何回かという程度。また、ご飯を食べなかったのは、「昼間は飲み物だけ」という食習慣を現役時代から続けていたからだと明るく説明していた。
ただ、一方では、高橋がパチンコを打っている姿はかなりの頻度で目撃されており、「女性自身」が今回、盗撮に成功したのも、タレコミがあったからだという。
まあ、強靭な意志をもつQちゃんのこと、ここまで紹介してきたようなひどい依存症に陥る心配はないと思うが、相手はギャンブルという魔物である。くれぐれもご用心いただきたい。
(井川健二)
最終更新:2017.11.12 03:04
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