五輪から選挙まで…電通の安倍政治への黒い関与を現役社員が暴露!「電通は乙武を都知事にする計画だった」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
dentsu_01_160613.jpg
「電通ウェブサイト」トップページより


 本サイトが先日スクープした、自民党が民放各局に公職選挙法違反の政党CMをゴリ押ししている問題は大きな反響を呼んだ。とりわけ、フジテレビ関係者が「自民党が弁護士を連れてフジテレビに乗り込んできた」と証言するなど、その圧力行為は度を超えていると言わざるをえない。そして、やはりこの問題の影にちらつくのは、自民党の政党CMの売り込みに際してフジテレビを担当したという広告代理店・電通の存在だ。

 この国内最大手の広告代理店は、これまでも自民党の選挙広報のほとんどを担い、日本の政治に深くコミットしてきた。2020年五輪の開催地誘致に際して、東京の招致委員会が少なくとも2億3千万円という巨額の賄賂を関係者に渡していた疑惑は記憶に新しい。本サイトでも取り上げてきたように、電通はその賄賂の仲介役となったとみられている。

 そんななか、電通の巨大な政治的影響力を暴露するスクープインタビューを、先日、インターネット報道メディア「IWJ」が公開した。IWJ代表でジャーナリストの岩上安身氏が、現役の電通社員への単独インタビューを敢行したものだ(外部リンク:「IWJ」5月26日付 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/304006)。

 岩上氏の取材に応じたのは、現在も電通本社に勤務しているという「生粋の電通マン」・中村氏(仮名)。個人が特定できないよう胸から上は映されず、声も加工が施されているが、内部の人間でなければ入手が困難な複数の社内報だけでなく、招致活動に際したバッジまで持参していることから、電通の人間であることは間違いない。

 インタビューで中村氏は、岩上氏から英紙ガーディアンが報じた五輪招致“裏金”疑惑への電通の関与について問われ、「ほぼ全部(正しい)。信憑性はあると思います」と答えている。やはり電通が買収行為だけなく五輪招致全体をコーディネートしていたわけだが、さらに興味深いのは、中村氏がこんな“五輪招致の舞台裏”まで暴露していることだ。

 2013年、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会での最終プレゼンでのこと。例の滝川クリステルの「おもてなし」や、他でもない、安倍首相が高らかに宣言した「アンダーコントロール」発言について、「こうしたプレゼンテーションを考えるのは?」という岩上氏の質問に対し、中村氏はこう語っている。

「すべて電通です。電通は、今回、名前は忘れましたが、イギリスのプレゼンのディレクターがいまして。2016年のときには、その方はイスタンブールのディレクターだった。2020年では東京について、その方が全部考えた。電通も一緒になって考えたんでしょう」
「プレゼンターは全員(電通が)決められます。誰が何をしゃべる、というシナリオも」
「当時、汚染水の問題が注目を浴びていた。ライバル(の海外都市)もそこをつく。それを解決しなければいけなかったということで、『アンダーコントロール』ということを(安倍首相に)言わせたのも、電通なのかな、と。なぜかというと、クライアントさんに東電が当時ありましたから」(中村氏、IWJより)

 東電が莫大な予算を武器に、電通や博報堂を通して“原発広告”を乱れ打ちしていたのは周知の通りだが、なんと、あの「アンダーコントロール」なる世紀の大ウソを安倍首相に言わせたのも電通だったとは……。

 たしかに2020年五輪招致レースは、最終候補地が3都市に絞られた当初、本命がマドリード、次にイスタンブールときて、東京は最下位とみられていた。その理由のひとつが福島原発事故の汚染水問題だ。国内では今も「五輪開催よりも被災地復興を」という声が根強いが、最終プレゼン当時は3.11からわずか2年半後。安倍政権と電通は、汚染水制御宣言で外国との招致レースのダメ押しを図るとともに、日本国内に対しても原発再稼働に世論を誘導する“妙手”とでも考えたのだろう。だが、現在でも福島第一原発の廃炉や汚染水の問題が一向に解決していないことは言うまでもない。

 一国の首相の言葉まで左右する電通。さらに中村氏は、その政界への過大な影響力を示す、こんな驚きのエピソードまで明かしている。

「この前、乙武さん(の不倫)問題がありましたよね。実は、舛添さんの後釜を、乙武さんにしようとしていたのです。うちの会社が考えていたんだと思います。自民党と一緒になって考えていた。参議院にまず、乙武さんを出させて、2020年には……というシナリオを書いていました。でも(乙武氏がスキャンダルで)自爆したので(なくなった)」(中村氏、IWJより)

 つまり、電通には自民党と組んで、舛添要一東京都知事の後任に乙武洋匡氏を据える計画があったというのだ。自民からの参院選出馬が濃厚とみられていた乙武氏の不倫問題が「週刊新潮」(新潮社)に暴かれたのは今年3月のこと。まだ舛添都知事の政治資金スキャンダルが持ち上がっていない時期である。ようは、舛添都政が2018年の任期まで続いたあと、政治家としての経験を積ませた乙武氏を担ぎ上げ、東京五輪を迎えるという青写真だったのだと思われる。

 五輪を始め、サッカーW杯や世界陸上、世界水泳など、スポーツ界のビッグイベントの利権のほぼすべてを牛耳っている電通だが、中村氏によれば、電通はいま「パラスポーツ」に目をつけているという。ようするに“乙武都政”で2020年東京パラリンピックに注目を集め、障がい者競技のブームをつくることで一稼ぎしようと狙ったのだろう。

 他にも、岩上氏による単独インタビューでは、石原慎太郎都政での2016年招致の内幕、電通によるマスコミ支配とスポンサーを誘導する圧力の実態、そして、今回の五輪賄賂疑惑に対する電通社内の反応などが赤裸々に明かされている。詳しくはIWJのサイト(http://iwj.co.jp/)でご覧いただきたいが、あらためて、首相の国際的発言や次期都知事の人選まで左右する電通の政治的影響は、もはや、一企業の力を超えていると認識せざるをえない。

 事実、近年の自民党の選挙は、電通なしではなりたたないものだ。電通は長きにわたり自民党の選挙広報をほぼ独占状態で引き受けてきたが、「週刊金曜日」(金曜日)04年11月26日号によれば、自民党と電通の関係が始まったのは、美濃部亮吉と秦野章の事実上の一騎打ちとなった1971年都知事選。自民党が推す秦野陣営の選挙活動の一切を取り仕切ったが敗北に終わり、この名誉挽回のため、電通は、自民党や政府系機関をメインスポンサーにもつ第9連絡局(現・第9営業局)を設置したという。

 以降、自民党は選挙広報の戦略からポスターやCM等まで電通に“丸投げ”してきた。小泉純一郎の「自民党をぶっ壊す」「聖域なき構造改革」などのワンフレーズ・ポリティクスも、電通トップが小泉に直接助言したものだと言われる。また、電通はコネクション目当てで大企業や政治家の子息を意図的に入社させることで知られるが、反対に電通出身の自民党議員も少なくない。たとえば、自民党のIT戦略を担当するネットメディア局長・平井卓也衆議院議員、前外務副大臣の中山泰秀衆議院議員がそうだ。なお、安倍首相の妻・昭恵夫人も電通出身者である。

 そして、今回の参院選でも注目すべきなのは、電通が担うインターネットを使った自民党の情報戦略だろう。社会学者・西田亮介氏の著書『メディアと自民党』(角川新書)によれば、実は、2013年のネット選挙解禁も電通の主導だったという。

〈自民党のネット選挙の分析に携わったIT系のある人物は、自民党のネット選挙対応の案件について、最初にコンタクトがあったのは2012年7月頃だったと振り返っている。ただし、そのコンタクトは自民党から直接行われたものではなく、電通から来たという。〉(同書より)

 さらに、西田氏の取材に対して、電通関係者はこう答えている。

「自民党のソーシャルリスニングを選挙で取り組んだのは、2012年の衆院選からだった。このときは普段政治を担当する局だけでなく、各部署から精鋭が集められて試行的に取り組むことになった。(略)電通では企業文化として、伝統的に、『投資案件』を扱っている。将来の成長や回収が見込める分野に自社の予算で企画を提案する。(略)アメリカの大統領選挙でのネット活用が大きな話題になっており、この分野が将来のビジネスになるのではないかと見込んだのである」(同書より)

 つまり、電通から率先して自民党にネット戦略を提案していたというのだ。実際、この時期から、自民党は専門の業者に依頼して、2ちゃんねるや、ツイッターなどのSNSを監視、不都合な情報を打ち消していく戦略に出たことが確認されている。

 ようはネットを使った世論の誘導だ。具体例のひとつとして、自民党の仕事を請け負っていたエルテス社をあげよう。エルテスは電通や経産省が所管の革新機構から出資を受けているという(「週刊金曜日」16年5月13日号)。ネットの投稿を24時間目視で監視しているというが、そこでクライアントに不都合な書き込み等を見つけた場合どうするか。これを目立たないように「逆SEO(検索エンジン最適化)」を行うのだ。公式サイトやブログ、あるいはポジティブな情報を大量に検索し、検索エンジンに表示される順位を上昇させることで、相対的にスキャンダルや批判等ネガティブ情報の検索順位を引き下げるのである。

 こうした“ネット工作”を担当するIT系企業には、SNS監視等のサービスを提供するガイアックス社、ビッグデータ分析等を行うホットリンク社などがあるが、それを自民党側で束ねていたのもやはり、前述の電通出身の自民党ネットメディア局長・平井議員だと言われる。そして、ネット選挙に先駆けてこれらIT系企業と接触し、自民党を結んだのが電通だったのである。

 このように自民党と二人三脚の関係にある電通は、選挙戦略などを通じて、いまや国民を“洗脳”できるほどの力をもっている。今回、現役電通マンへ単独インタビューをしたIWJの岩上安身氏は、こう警鐘を鳴らす。

「歴史を振り返ると、1936年、日本政府は各通信社を統合して同盟通信社という国策企業をつくり、電通の通信部門もそのとき同盟通信に合併されました。情報統制や情報操作のため、通信社と広告代理店という、情報と宣伝と広告を国策通信社として一本化したのです。同盟通信は戦後解体され、電通も切り離されましたが、こうした前身を考えていくと、宣伝という形で戦争の扇動も行っていたわけです。
 戦争は国民へのプロパガンダなしにはなりたちません。そして、全体主義やファシズムは、自由や民主的な社会とは決して馴染まず、そこでは真実や事実を追い求める健全なジャーナリズムが必ず犠牲になります。いま、この国は武器輸出の緩和や大学での軍事研究の推奨など、明確な戦争遂行国家になろうとしています。そのとき電通が何をするか。今回のインタビューで電通社員の中村氏に質問していますので、ぜひご覧になっていただきたい」

 電通の企業理念は〈人へ、社会へ、新たな変化をもたらすイノベーションをつくっていく〉というものだ(電通公式ホームページ「企業理念」より)。しかし、電通がつくりだす「変化」は、実のところ“公権力の意向”に沿ったものであることを、私たちは意識すべきだろう。事実、今回の参院選でも安倍自民党は、本丸の改憲を争点化させないような広告戦略を打っている。電通による“準官製のプロパガンダ”に決して騙されてはいけない。
(宮島みつや)

最終更新:2016.06.26 11:20

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

五輪から選挙まで…電通の安倍政治への黒い関与を現役社員が暴露!「電通は乙武を都知事にする計画だった」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。五輪宮島みつや広告代理店選挙の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 文通費問題で「やる気なし」なのは維新!松井代表がセルフ領収証OKに
2 伊藤詩織氏への名誉毀損ははすみとしこ氏だけじゃない、国会議員も
3 『バイキング』坂上忍パワハラ報道は政権批判潰しだった!
4 クーポン券事務費967億円「過大でない」は嘘 子ども食事支援は22億円
5 吉村知事がコロナ協力金めぐる税金無駄遣いを棚上げし岸田クーポン批判
6 玉川徹が『ドクターX』に出演して岸部一徳に言われた一言
7 葵つかさが「松潤とは終わった」と
8 橋下徹がれいわ・大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名
9 安倍晋三に中国電力から原発マネーが 
10 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
11 菅政権で「公費不倫」の和泉洋人首相補佐官が“再任、官邸官僚のトップに
12 吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘! 違法流用の証拠も
13 竹田恒泰の「差別主義」を認めた東京地裁の判決文を改めて紹介
14 岸田首相のオミクロン対策はザルだ! 入国禁止は外国人だけで差別性丸出し
15 政治資金報告書で「維新」議員の文通費横流しとデタラメ使途が続々判明
16 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
17 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
18 三原じゅん子が「政権を握っているのは総理大臣だけ」と無知発言
19 山口敬之の逮捕をツブした中村格の警察庁長官就任に広がる抗議!
20 ジャニーズタブーで犯罪もみ消し
1 吉村知事がコロナ協力金めぐる税金無駄遣いを棚上げし岸田クーポン批判
2 クーポン券事務費967億円「過大でない」は嘘 子ども食事支援は22億円
3 自民党の“アシスト係”維新が賛成した最悪の法案総まくり
4 安倍晋三に中国電力から原発マネーが 
5 橋下徹がれいわ・大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名
6 コロナ禍で困窮のさなか介護料を月6.8万円爆上げの鬼畜
7 吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力!
8 政治資金報告書で「維新」議員の文通費横流しとデタラメ使途が続々判明
9 文通費問題で「やる気なし」なのは維新!松井代表がセルフ領収証OKに
10 伊藤詩織氏への名誉毀損ははすみとしこ氏だけじゃない、国会議員も
11 岸田首相のオミクロン対策はザルだ! 入国禁止は外国人だけで差別性丸出し

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄