AV出演の過去が発覚しゴールドマン・サックスが内定取り消し!解雇、イジメ、離婚…元AV女優差別のヒドい実態

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ゴールドマン・サックス証券HPより


 AVに出演していた過去が明るみになり出演番組をすべて降板、勤めていたテレビ愛知からも去ることを余儀なくされたアナウンサー・松本圭世氏の騒動をはじめ、芸能人や大企業社員のAV出演歴暴きが後を絶たない。本サイトでも以前、小学館の女性新入社員が仮配属期間中にAV出演歴が発覚し、花形の編集職ではなく閑職に追いやられてしまった記事を配信しているが、またもやそのような騒動が報道された。今度はなんと、ゴールドマン・サックス(以下、GS社)から内定をもらっていた女性が、大学時代にAV女優として活動していたことが明るみになったのが原因で内定取り消しをされてしまったと言うのだ。

「週刊現代」(講談社)2016年6月11日号によると、内定取り消しをされてしまった女性は「みなもとしずか」の芸名でAV女優として活動。TOEICスコア935点の知識を活かして流暢な英語を披露し、「IQ130」をキャッチフレーズとしていた。頭の良さと作品のなかで見せる淫猥な姿とのギャップが人気を呼んでいたようだ。動画配信サイトDMMを見ると、現在も約10本ほどの出演作がラインナップされている。

 彼女がAV女優として活動していたのは、大学1年生から2年生にかけて(11年ごろ)。前述の通り、その後、見事GS社から内定をもらうのだが、内定をもらった年の12月のある日、突然内定取り消しの連絡が入る。記事ではその理由についてGS社に取材しているが、会社側はノーコメント。しかし、同社の内情に詳しい金融関係者のコメントとして、このような発言が掲載されている。

「高度な清廉性が求められる女子アナとは違いますし、通常、過去の経歴だけで内定取り消しには至りません。実は、年末が迫ったある日、突然GSへ『内定者に、AV女優のみなもとしずかがいる』という匿名の電話がかかってきたそうなんです。そこで、内定者の周辺を調べ直したところ、みなもとさんの私生活で就業規則に抵触するような部分が見つかったようで、内定を取り消すに至ったといいます。直接的に、AV出演だけが理由というわけではないようです」

 本来であれば、過去にAV出演していようと、入社前の話であるならばそのような経歴でもなんの問題もない。なので大学時代にAV女優であったことが発覚したとしても、本来であればGS社が改めて内定者の周辺を調べ直す必要は何もない。これは、「AV出演」だけでは内定取り消しの理由にはならないため、GS社側が他の理由づけのためにあら探しをしたということだろう。

 従業員の権利保護には、日本の企業以上に意識的であるとされる外資系企業でさえ、このような事例が生まれるということが分かった今回の騒動。しかし、先ほども述べた通り、AV出演の過去は懲戒や内定取り消しの理由にはならない。

 就業規則で副業禁止を定め、それに違反していた場合の罰則を明記している企業の場合は、何らかの処分の対象にもなり得るが、あくまでそれは入社した後の話。たとえば実際、13年には、AV撮影に数回出演し謝礼を受けとっていたとして、大阪府の消防士が停職6カ月の処分を受けているが、これは地方公務員法で副業が禁止されている公務員が副業としてAVに出演していたからだ。内定の段階ではなんの問題もない。

 ウェブサイト「日刊ゲンダイDIGITAL」でも、一般企業の会社員のAV出演に関する記事で、弁護士の長谷川裕雅氏は〈学生時代など過去に出ていた分には、解雇は難しい〉と説明している。

 ただ、「週刊現代」で報じられたみなもと氏のケースは、「ゴールドマン・サックス」という引きがあるからメディア上で話題になっただけで、実はこのような事例は氷山の一角だと思われる。「週刊ポスト」(小学館)11年12月23日号には、アダルトビデオメーカー社員の弁として、以下のようなデータが示されている。

「国内でのAV制作本数は、ネット配信や裏ビデオまで含めると、年間約3万5000本といわれています。単純計算しても1日100本がリリースされている。新人AV嬢も年間2000~3000人は確実にデビューしており、業界ではAV経験者はすでに15万人を突破したといわれています。日本における19歳から55歳の女性の数は約3000万人。大まかですが、3000万人分の15万人で“200人に1人”というわけです」

 この数字は決して誇張ではない。事実、多くの女性たちがAV出演した過去が夫や会社にバレはしないかと怯えている。「Yahoo!知恵袋」などの質問掲示板を見ると、そういった過去が離婚や解雇につながることを恐れる声や、実際にバレてしまい問題の解決法を求めている声がいくつも見つかる。

「SPA!」(扶桑社)2016年3月8日号にも、懲戒こそされなかったもののAV女優としての過去がバレたことで、出演作のパッケージのコピーが職場にバラ撒かれるなどイジメに発展、それにより退職を余儀なくされた経験から国外に新たな道を求め、東南アジアの日系現地法人に就職した女性が紹介されている。彼女は営業成績の良さから、現地採用ではなく日本での勤務に雇用契約を見直す話が出ても、過去のトラウマのため断っていると言う。

 現在の日本社会においても、このようにAV出演の過去を偏見の目で見る風潮は強い。そんななかでも、近年、特に強くバッシングと好奇の目にさらされることになったのは、元「日本経済新聞」の記者で、現在は社会学者として文筆活動をしている鈴木涼美氏だろう。彼女はAV女優として70本以上の作品に出演していた過去を「週刊文春」(文藝春秋)に書き立てられ、大きな波紋を呼んだ。

 鈴木氏が日本経済新聞社を退社したのは、「文筆業との両立に時間的/立場的にやや無理が生じたため」であり、会社側からの懲戒処分ではないとしているが、それでもAV出演の過去が発覚したときは、かなりきつい言葉を浴びせられたと雑誌のインタビューで答えている。

「私も週刊誌に過去を暴露されたときは親に迷惑をかけたり、元勤務先からも『日経のブランドに傷をつけた』など、やっぱりいろいろ言われました」(前掲「SPA!」より)

 そんな過去を踏まえ、鈴木氏はこんなことも語っている。

「一般人として結婚や恋愛をしようとしたとき、どうしても元AV女優という肩書は鎖のように行動を制限してきます。だからこそ常に、『自分は他人や世間からどう見られているのか』を考える必要があります。肩書の力が強すぎるからこそ、公表したらどう見られるか、損得はどれくらいかなど、元AV女優は人一倍“世間の空気を読む力”が問われてくるのです」(同前)

 AVに出演していたという過去が、まるで「犯罪」のように扱われる偏見や差別がなくなり、過去にとらわれずひとりひとりがのびのびと自分の能力を発揮できる社会が一日も早く来ることを願うばかりだ。
(田中 教)

最終更新:2017.12.05 10:22

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