『ひるおび』恵は“主婦の味方”じゃなかった!? 「オレは育児に向いてない」「育児の何が大変なの?」と無責任発言連発

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ワタナベエンターテインメントHPより


 1月31日放映された(2月3日再放送)『NHKスペシャル「ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~」』が大炎上状態となっている。

 発端はコメンテーターとして出演した恵俊彰の発言だった。この日のスタジオコメンテーターは4児の父親でもある恵のほか、1児の母親である北陽の虻川美穂子と眞鍋かをりの3人だったが、虻川が自身の体験として夫が子どものおむつのを交換する時の段取りが悪く苛立ちを感じると語った時のことだ。

 すると恵はいかにも意外そうに、自身の子育てを引き合いに出してこんな発言をしたのだ。

「でもおむつ、(夫が)協力してくれてるわけですよね? オレ、それもしなかったの」

 この時、番組では育児に非協力的な夫へのイライラがテーマだったが、しかし恵はまるで悪びれることなくオムツ交換をしなかったことを語ったのだ。さらに恵はおむつ交換に関する驚くべきエピソードを語り出した。

「(おむつ交換を)一回やったんですよ。やったらですね。ウンチがどっと背中を通じて首筋のほうまで流れていって、それを拭いているうちに全体がそういうことになってしまいまして。オレには向いてない」

 そう身振り手振りで、面白可笑しく説明をする恵。だが、虹川は思わず「違うんですよ、向いていないじゃないんですよ。それでもお母さんはそれを拭かなきゃいけない」と異議を唱えたのだ。

 恵が言う「オムツを代えるのは自分に向いていない」とはつまり「育児に向いていない」とも取れるが、多くの視聴者も同様に感じたのだろう。とくに女性がこの発言に敏感に反応し、直後からネットでは恵に対する批判が殺到したのだ。 

「子育てはママだけのものなの?」「恵みの奥さんは大変だったろうな」「恵俊彰みたいな男がいる限り 少子化問題は永遠だな」「NHKはなぜこんな人選をしたのか」

 中には、こんな意見もあった。

「もし自分の夫がこんなこと言い出したら、「私も失敗した、私も育児に向いていない。(だからやらない)」って言う。誰も育児しなくなった結果、子どもが死ぬ」

 夫の育児協力、さらには社会全体の共同養育がテーマとなっているにも関わらず、子どものオムツ交換が上手くいかず以降それを放棄したというエピソードを披露する恵。その発言はテーマや趣旨からズレているだけでなく、もしこれが母親の発言だったら、育児放棄、虐待といった批判さえ巻き起こるような類いのものだ。あまりに無自覚な恵に対し、虹川や眞鍋だけでなく多くの女性が唖然とし、不快感を表明するのは当然だろう。

 しかも恵の問題発言はこれだけではなかった。

 母親の孤独がテーマの番組冒頭のVTRで激しく泣く赤ちゃんを抱いた母親の「何の地獄かと思いました」というコメントや、子育てが辛いのは個人の問題ではないとのナレーションに対し、眞鍋と虹川は共に共感したが、しかし恵だけは違った。意味がわからない、困ったとばかりの表情でこう疑問を呈したのだ。

「教えてくださいよ。具体的に何が地獄なんですか?」
「(子どもが)生まれてきてやっぱり幸せだったり、かわいかったり、愛おしかったり……」

 虹川がこれに対しても「孤独なんです」と答えるとさらに恵は畳み掛けた。

「はーぁ、何でそんなになるんだろうか?」

 4児の父親である恵は、子育て中の母親の孤独や多くの苦悩に対し、ただ困惑し、一貫して意味が分からないとばかりの態度だったのだ。しかしこれは決して恵一人の認識、問題ではないはずだ。

「子どもは無条件で可愛い。子育てが出来るのは母親として幸せなことだ。たかが泣いたくらいで、そして父親がオムツを交換しないからといって地獄はないだろう」──。恵、いや“恵なる父親たち”は本気でそう思っているはずだ。しかも恵は現在においても、女性たちがなぜ怒りを表明し、批判しているのかさえ分からないかもしれない。

 なかなか寝付かないで泣き叫ぶ子どもに途方に暮れる母親。一方明日の仕事に差し支えると不満を漏らす夫。ほとんど寝る暇もなく心身ともに疲れきっているのにオムツひとつ交換しない夫。そこには1日中赤ちゃんとだけ過ごす孤独に対する想像力もないし、育児を母親に丸投げしていることにも無自覚だ。これが残念ながら多くの父親の共通認識なのだろう。しかも恵は育児に“協力的”だとの自負があるから尚更だ。

 たとえば13年には『親父の役目 四人目が生まれて思うこと』(マガジンハウス)といった育児本を出版し、風呂やトイレ掃除など家事にも勤しんでいると発言している。また最近でも朝日新聞のインタビューに登場し、当初は積極的でなかった育児を現在はやっていると胸を張る。

「経営者であり典型的な九州男児だった父は子育てにはいっさい関わりませんでした。だから僕も最初はそのスタンスでしたが、長男が生まれ、妻が大変そうだったのを見かね「何か僕に手伝えることない?」と、徐々に育児に参加するように」
「自分の子供にはなるべく寂しい思いをさせたくない気持ちで、今はできる限り4人の子育てを分担しています。実はこれが僕には本当にありがたい時間なんです」(朝日新聞2015年10月12日「育児への参加が「ほっとする瞬間」」より)

「育児を分担している」「手伝う」。昨年巻き起こった家事ハラ問題でも“自分は手伝っている”という男性側の意識が大きな問題とされた。「手伝っている」、つまり家事や育児の主体はあくまで女性であり、男性はその補助をやっていればそれでいいというものだ。恵発言はまさにそうした意識の表れだろう。

 しかも恵は単なる芸能人ではない。『ひるおび!』(TBS)という主婦層をターゲットとした時間帯の情報番組の司会者という立場にもある。社会問題を敏感に扱うはずの人物さえ育児に関してこんな程度の認識──。前述の『NHKスペシャル』は育児や母性を科学的に検証するというドキュメントだったが、浮き彫りにされたのは現代ニッポンの母親と父親の育児に対する“認識格差”。何とも皮肉である。
(伊勢崎馨)

最終更新:2016.02.05 12:40

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