上西小百合議員の問題でも被害者面…橋下市長はなぜ不祥事の責任を問われないのか

左/うえにし小百合オフィシャルウェブサイト 右/橋下徹オフィシャルウェブサイトより
予想以上に大きなニュースとなった“浪速のエリカ様”、維新の党の上西小百合議員の国会サボリ問題。上西議員にはあらゆるメディアから厳しい追及が続いているが、本サイトとしてはそれよりも首をひねりたくなるのが、上西議員の所属する維新の党顧問、大阪維新の会代表を務める橋下徹大阪市長の対応だ。
「納税者の皆さんは納得しない。(議員を)辞めたほうがいい」と即座に議員辞職を勧告し、一見、毅然とした対応をとったかに見える橋下市長だが、よくよく発言内容を聞いてみると、自らの責任には完全に頬被り。「彼女はこれまで国会議員としての言動に非常に問題がある」「だってこれ、現金で給料2200万円に1200万円の経費、29歳の女の子に入っていくわけです」、あげくは「あの議員とは2度と付き合いません」と、まるで自分が被害者であるかのような発言を連発しているのだ。
「橋下市長はおそらくなんの責任も感じてないですよ。議員辞職を勧告したのも、統一地方選や大阪都構想の住民投票に悪影響が出ることを恐れたというだけ。それと、上西議員が保守オヤジを籠絡するのが得意で自民党幹部に急接近していたことも気に入らなかったようです。橋下市長は上西議員がそのうちほとぼりがさめたら、自民党に鞍替えするんじゃないかと警戒して、徹底的につぶしにかかったんじゃないかといわれています」(全国紙大阪本社社会部記者)
だが、その「29歳の女の子」を国会議員にした張本人はまぎれもなく橋下市長自身である。もともと候補者に強く推したのは松井一郎大阪府知事らしいが、2012年の最初の選挙では橋下市長が全面的にバックアップした。そして、当選後は女性局事務局長、党国会議員団副幹事長に抜擢。実父を第一秘書にすえたり、昨年12月の選挙では運動員が選挙違反で逮捕されるなどの問題が次々に発覚していたのに、処分もせずに放置してきたのだ。
しかも、橋下市長がつくりだしたトンデモ議員は上西議員だけではない。維新の党、とくに橋下市長の率いる大阪維新の会系の国会議員、府議、市議はひどい不祥事を次々引き起こしている。ひき逃げ、LINEでの女子中学生恫喝、婚約者へのDV、体罰セクハラ……。そしてその度に、橋下市長は今回と同様、「とんでもないことだ」とまるで他人事のように当事者を批判して、自分の責任に頬被りしてきた。
「橋下さんにとって議員なんてただの数合わせ、資質や人柄なんてどうでもいいんですよ。しかも、橋下さんがああいうキャラだから、倫理観のかけらもないようなうさん臭い人間ばかり集まってくる。それを片っ端から議員にしている。維新の議員なんてみんな上西さんと似たり寄ったりですよ。実際には犯罪者予備軍のような人物さえまじっています」(政界関係者)
それでいて、不祥事が発覚すると、知らんぷりを決め込むのだから、橋下徹という政治家の無責任ぶりにはただただ呆れるばかりだ。
ただ、こうしたトンデモ議員は維新にかぎった話でもない。小泉チルドレン、小沢ガールズ……小選挙区制によるドミノ現象で、自民党でも民主党でも政治家の資質に欠けるトンデモ議員が続々と誕生してきた。今の安倍自民党でも、ネトウヨやヘイトスピーカーがそのまま国会議員や地方議員になっている。
「今はそもそも、政治家志望者のレベルが低くなっていますからね。各党とも新しい候補者を探すとなると、ああいうレベルになってしまう。とくに地方議員はひどい。おそらく、きたる統一地方選挙で各党がたてている地方議員候補者の身辺調査を真剣にやったら、金銭疑惑や過去の不祥事が山ほど出てくると思いますよ」(前出・政界関係者)
政界の劣化ここにきわまれり、と言う感じだが、今回の騒動ではもうひとつ、メディアの動きにも疑問が残る。
上西議員の疑惑は関西テレビと「週刊文春」(文藝春秋)が動いて表面化したのだが、ネタ元は、上西議員や橋下市長が指摘した通り、対立候補の自民党・渡嘉敷奈緒美議員の関係者だと言われている。
もちろん、対立候補から情報が出ていようが、事実なら報道すべきだと思うが、問題は関西テレビの異常なまでの熱の入れようだ。
橋下市長は会見で関西テレビに対して、「記者複数人がムービー持って1人を囲むなんてありえない。どういうことなんですか」とかみついていたが、たしかに、国家議員に対してここまでの取材をするのは珍しい。たとえば、もっと重大な疑惑が浮上した小渕優子議員や下村博文文科相をカメラを持って追いかけ回したテレビ局が一局でもあっただろうか。
「テレビ局は自民党議員には絶対ああいう取材のやり方はしません。政権与党を怒らせると、後でどんな圧力を加えられるかわからないですから。でも、逆にネタ元が自民党で、相手が野党だったら、平気で強引な取材をする。今回はその“強きを助け弱きをくじく”テレビ局の体質がもろに出た感じですね」(テレビ局関係者)
劣化する政界に、堕落したメディア。もはやため息しか出ない。
(時田章広)
最終更新:2017.12.23 06:50
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