国際問題・戦争に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
「嫌韓は日本の韓国化」産経の保守派論説委員が嫌韓ブームを批判

『呆韓論』(産経新聞出版)
“嫌韓”がブームだ。書店には韓国がいかにひどい国かを書いた「嫌韓本」が何種類も平積みされ、ベストセラーも続々誕生。雑誌や夕刊紙も毎号のように韓国批判を展開している。
その内容もすさまじい。単行本は「韓国人は息を吐くように嘘を吐く」「韓国は売春婦の輸出大国。日本と米国には数万人単位でいる」というような記述であふれ、雑誌・夕刊紙は、「反日韓国の暴走が止まらない」「竹島の次は対馬を狙っている」など、韓国の反日の高まりを危機的に報道。朴槿恵大統領に対しても「無能力」「おばさん外交」と容赦のない罵詈雑言を浴びせかけている。
これらの記事を読んでいると、韓国は反日一色で対話の姿勢もなく、いつかは竹島だけではなく日本の国ごと乗っ取られてしまうのではないか!?という恐怖さえ膨らんでくる。
ところが、こうした日本の嫌韓ブームに対して、意外な人物から批判が飛び出している。その人物とは黒田勝弘氏。日本のマスコミでは最も韓国に批判的なスタンスをもつ産経新聞のソウル駐在客員論説委員で、30年間にわたって韓国問題を取材してきた典型的な保守派韓国ウォッチャーだ。
その黒田氏が今年2月、韓国で最大部数を誇る保守系新聞「朝鮮日報」が発行する週刊誌「週刊朝鮮」で、こんな指摘をしているのだ。
「現在(の日本)は韓国にかんするすべてのことが気に食わないといった『韓国たたき』が流行っている。『韓国は売春大国であり、強姦天国』だとか『不良食品があふれる国』『トイレにいって手を洗わない男が多い』『課外地獄で子どもたちの自殺が急増』『サムソンも危ない』など、悪い点だけ指摘する本が次々にベストセラーになっている」
「韓国では以前から『日本の失敗は韓国の喜び』だった。これがいまや『韓国の失敗は日本の喜び』になったようだ。私はそういう風景をユーモアで『日本の韓国化』と言うのだが、このような日本の言論の低質化は見るに耐えない」
これまでずっと韓国の反日ナショナリズムを批判してきた人物が、ここにきて日本の反韓、嫌韓を憂えているというのは意外だが、黒田氏から見ると変わったのは、日本のほうらしい。
「年末年始に5回、日本へ帰ってきた。講演、セミナー、テレビ出演のためだったが、韓国を嫌う反韓感情に驚いた」
「私は韓国で『日本を代表する極右言論人』『妄言製造機』などと言われているが、日本に行って韓国人、韓国社会の実像、対日感情などを紹介すると『韓国に対して融和的すぎる』『韓国批判が足りない』『親韓派に成り下がった』『黒田記者は韓国の対日工作員ではないか』などと、むしろ批判を受ける」(同記事より)
つまり、嫌韓ブームによって、日本がかつての韓国のようにエキセントリックになってしまった、というのである。
一方、韓国のほうは日本で報道されているように必ずしも反日の空気が高まっているというわけではないらしい。黒田氏は今年5月30日に放映された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)「激論! 反日・嫌韓、ド~する!日韓関係」に出演した際にこう語っている。
「僕は30年以上、韓国に住んでいますけれども、一般の人々は反日の感情は後退していますね。我々が、日本語を使っても問題ないし、韓国のみなさんは日本のものが大好きだし、村上春樹の新作が出れば、韓国の書店に行列ができるし、韓国のみなさんは日本に対する親近感が日常的にはある。(中略)今、日本の反韓のほうが非常に目につくのですけれども、韓国における反日的な情報、ニュースばっかりが入って、それでイメージしているということはあります」
日本の反韓感情の高まりは、韓国の反日があるからこそ……と思いきや、全く逆で、韓国の一般国民は冷静なのだ。
別の全国紙のソウル特派員も「日本と違って、韓国のベストセラーランキングには反日、嫌日本などはランキングしていません。ただ、韓国の政治家や一部のメディアは反日のポーズをとっているので、日本のメディアがそれを大きく取り上げて、反韓、嫌韓のネタにしているというのが実情でしょう」と語る。
日本のメディアや出版社がここまで嫌韓に躍起になっているのは、ずばり「嫌韓ものを出せば売れるから」(出版関係社)だ。元時事通信ソウル特派員という経歴の室谷克実氏が書いた『呆韓論』(産経新聞出版)は発売2か月で20万部を超えるベストセラーになったし、匿名の韓国人歯科医師が書いたという『韓国人による恥韓論』(シンシアリー/扶桑社)も10万部を超えている。雑誌も「嫌韓」記事を掲載すると、売り上げが 2割アップするという話もある。
「出版不況の中で、嫌韓は数少ない売れるコンテンツですから。各社ともとにかく中身なんて二の次でどんどん出そうとする。それで、同じ著者に同じような内容の本が何冊も出版されている。2000年代にブームになった『嫌韓流』(山野車輪/晋遊舎)の使い回しのような内容の本や、陰謀論のようなトンデモ本もけっこうあります」(出版関係者)
一部の過激な嫌韓論者と売らんかな主義のメディアによって黒田氏のいう「日本の韓国化」という事態を招いているとしたら、まったく皮肉としかいいようがない。
ちなみに黒田氏は、嫌韓・反韓感情に流されずに、韓国を利用、活用して冷徹な実用主義外交をしようという「用韓論」を提案している。
「日本の反韓ネット住民の間では『韓国にはイライラする。離れて住みたい』という『離韓論』があふれている。日本のテレビインタビューでも同じような質問が出るので、私は次のように答えた。『韓国は引っ越しできない相手だ。これを機会に日本において韓国はプラスマイナスを含めてどのような価値がある相手なのか考えてみたらどうか。その結果で対処すればいい』」(同記事より)
こんな冷静な意見が「韓国の対日工作員」よばわりされるのだから、日本の言論状況は相当なところまできているといっていいだろう。
(エンジョウトオル)
最終更新:2014.07.16 07:06
新着 | 芸能・エンタメ | スキャンダル | ビジネス | 社会 | カルチャー | くらし |
高市早苗は統一教会問題でも“嘘”をついていた! 政治資金不正隠しの問題では領収書偽造、収支報告書“勝手に修正”が筆跡鑑定で…
総務省文書の放送法解釈変更は氷山の一角! 安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧 古舘、国谷、岸井が次々降板したのも…
安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか
岸田には安倍が乗り移っている! 極右政策強行だけでなく「ごまかし答弁」の手口や民主党への責任転嫁、逆ギレぶりまでそっくり
三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由! ネットはこんなに盛り上がっているのにコワモテ週刊誌がなぜ?
山口補選トンデモ候補は家系図アピールの岸信夫息子・信千世だけじゃない! 安倍元首相の後継は“安倍以上の極右”
高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル! 高市が「赤旗」をデマ呼ばわりも領収書偽造や隠蔽工作の実名証言が次々
維新の在阪マスコミ支配のなか「カジノ用地賃料疑惑」を追及するMBSが松井市長から卑劣な恫喝を受けるも“新事実”を敢然と報道
細田衆院議長が盟友・安倍元首相に全責任なすりつける醜い大嘘弁明…それでも細田追及する記者はTBSラジオとCBCテレビの2人
夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任 自分の会社と夫の会社のつながり、夫のビジネス「太陽光発電」を後押しする発言
れいわから出馬 水道橋博士が主張する「反スラップ訴訟法」の重要性! 維新・松井だけでなく自民党も批判封じ込めで訴訟乱発
自公維新が提出「国民投票法改正案」にネットで批判の声広がる! 小泉今日子も〈#国民投票法改正案に反対します〉と投稿
三浦瑠麗が「医者はワイドショー見てコロナ怖がりすぎ」と医療従事者を嘲笑! 専門家から反論されると半笑いで「私、医者じゃないんで」
Netflix版『新聞記者』の踏み込みがすごい! 綾野剛が森友問題キーマン官僚に、安倍御用ジャーナリストはあの人が…
NHK捏造・虚偽放送問題で河瀬直美監督のコメントが無責任すぎる!ドラマの デモ描写に異議唱えた『相棒』脚本家と大違い
NHKで河瀬直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作
コロナと五輪で悪質ぶり発揮した御用コメンテーター10位〜6位発表! いつもの顔ぶれに夏野剛、谷原章介、ブラマヨ吉田&小杉も
【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】スポーツ選手に「五輪問題」を問うのは“誹謗中傷”ではない! 五輪開催に異を唱えた有森裕子、平尾剛が語る「アスリートと社会」
【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言! 日本有利の不公平はびこる東京五輪
【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」
高市早苗は統一教会問題でも“嘘”をついていた! 政治資金不正隠しの問題では領収書偽造、収支報告書“勝手に修正”が筆跡鑑定で…
安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか
高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル! 高市が「赤旗」をデマ呼ばわりも領収書偽造や隠蔽工作の実名証言が次々
維新の在阪マスコミ支配のなか「カジノ用地賃料疑惑」を追及するMBSが松井市長から卑劣な恫喝を受けるも“新事実”を敢然と報道
細田衆院議長が盟友・安倍元首相に全責任なすりつける醜い大嘘弁明…それでも細田追及する記者はTBSラジオとCBCテレビの2人
夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任 自分の会社と夫の会社のつながり、夫のビジネス「太陽光発電」を後押しする発言
タモリも懸念「新しい戦前」は岸田政権の“防衛増額”から始まる! 元自衛隊幹部も「砂糖の山にたかるアリ」「子どもの思いつき」と批判
吉村知事がぶち上げた「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」研究がトホホな結果でこっそり終了! 吉村は会見も開かず責任逃れ
統一教会最古参元幹部が安倍晋三と教団の深い関係をテレビで激白! 総理復帰を決意させた「高尾山登山」にも深く関与
防衛省のロシア並み情報操作計画発覚に岸田首相は「事実誤認」と否定するも大嘘! 入札企業に「主目的は国内世論工作」と説明していたことが判明
防衛費増額の財源で「法人税」を削除し「国民全体の負担」だけにした政府有識者会議は読売社長、日経元会長、朝日元主筆がメンバー
菅首相の追加経済対策の内訳に唖然! 医療支援や感染対策おざなりでGoToに追加1兆円以上、マイナンバー普及に1300億円
菅首相のコロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰! ブレーンの「中小は消えてもらうしかない」発言を現実化
菅首相の追加経済対策が“自助”丸出し! コロナ感染対策は10分の1以下、大半が新自由主義経済政策に…坂上忍も「バランスおかしい」
悪評「マイナポイント」事業の広報費は54億円、1カ月で半分を浪費! 事務局事業も電通がトンネル法人通じて140億円
三浦瑠麗のアマプラCMは削除されたが…amazonもうひとつの気になるCM! 物流センター潜入取材ルポが暴いた実態とは大違い
安倍首相“健康不安”説に乗じて側近と応援団が「147日休んでない」「首相は働きすぎ」…ならば「147日」の中身を検証、これが働きすぎか
正気か? 安倍首相の諮問機関「政府税調」がコロナ対策の財源確保と称し「消費税増税」を検討! 世界各国は減税に舵を切っているのに
東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望! コロナで病院経営悪化も安倍政権は対策打たず加藤厚労相は “融資でしのげ”
感染200人超でも強行GoToキャンペーンの裏! “影の総理”今井補佐官と“菊池桃子の夫”新原局長が経産省利権にすべく暗躍、1兆7000億円計上
総務省文書の放送法解釈変更は氷山の一角! 安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧 古舘、国谷、岸井が次々降板したのも…
岸田には安倍が乗り移っている! 極右政策強行だけでなく「ごまかし答弁」の手口や民主党への責任転嫁、逆ギレぶりまでそっくり
三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由! ネットはこんなに盛り上がっているのにコワモテ週刊誌がなぜ?
山口補選トンデモ候補は家系図アピールの岸信夫息子・信千世だけじゃない! 安倍元首相の後継は“安倍以上の極右”
「モーニングショー」や「報ステ」も…台湾有事シミュレーションを垂れ流し、岸田首相の戦争協力約束を賞賛する大政翼賛会ぶり
ビートたけしと瀬古利彦が「玉川徹待望」発言もテレ朝は玉川を政治に触らせない方針! 安保3文書改定の日に三國シェフインタビュー
岸田首相息子のフジ女性記者へのリーク疑惑で「まるで『エルピス』」の声! マスコミ政治部の醜悪すぎる癒着体質があらためて露呈
防衛費43兆円の財源はやはり増税! 一方「子ども関連予算」倍増は先送り…国民を見捨て金を軍事につぎ込む岸田政権
オリックスDHC買収で「虎ノ門ニュース」だけでなくヘイトデマ垂れ流しの「DHC テレビ」も解体の動き 問われる吉田会長の責任
玉川徹が出演予定の21日に番組から消えた理由は? 一方、菅前首相の弔辞は「銀座の焼き鳥屋」もでっち上げの可能性が浮上
瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃も
「BTSグラミー賞逃す」報道に「韓国人のニュースいらない」「日本人の受賞を報じろ」と炎上攻撃が! 日本スゴイの精神的鎖国
ぼうごなつこ『100日で崩壊する政権』を読めば、安倍首相が病気で辞任ししたのでなく国民が声をあげ追い詰めたことがよくわかる
百田尚樹が「安倍総理にお疲れ様とメールしても返信なし、知人には返信があったのに」とすねると、2日後に「安倍総理から電話きた」
村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…
村上春樹がエッセイ『猫を棄てる』を書いたのは歴史修正主義と対決するためだった! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…
安倍首相に利用された星野源がエッセイに書いていた“音楽が政治に利用される危険性” 「X JAPANを使った小泉純一郎のように」
“宇予くん”で改憲煽動のJCと手を組んだTwitter Japanはやっぱり右が大好きだった! 代表は自民党で講演、役員はケントに“いいね”
ウィーン芸術展公認取り消しを会田誠、Chim↑Pomらが批判! あいトリ以降相次ぐ“検閲”はネトウヨ・極右政治家の共犯だ
「ノーベル賞は日本人ではありませんでした」報道で露呈した日本の“精神的鎖国” 文化も科学もスポーツも「日本スゴイ」に回収
幸福の科学出家騒動は清水富美加個人の責任なのか? カルト宗教信者の子どもたちが抱える問題
話題の本『夫のちんぽが入らない』のタイトルに込められた深い意味…しかし一方では広告掲載拒否の動きが
福島の子ども甲状腺がん検診「縮小」にノーベル賞の益川教授らが怒りの反論! 一方、縮小派のバックには日本財団
介護殺人に追い込まれた家族の壮絶な告白! 施設に預ける費用もなく介護疲れの果てにタオルで最愛の人の首を…
宇多田ヒカル「東京はなんて子育てしにくそう」発言は正しい! 英国と日本で育児への社会的ケアはこんなに違う
今もやまぬ人工透析自己責任論の嘘を改めて指摘! 糖尿病の原因は体質遺伝、そして貧困と労働環境の悪化だった
『最貧困女子』著者が脳機能障害に! 自分が障害をもってわかった生活保護の手続もできない貧困女性の苦しみ
雨宮塔子が「子ども捨てた」バッシングに反論! 日本の異常な母性神話とフランスの自立した親子関係の差が
『NEWS23』に抜擢された雨宮塔子に「離婚した元夫に子供押しつけ」と理不尽バッシング! なぜ母親だけが責任を問われるのか
小島慶子が専業主夫の夫に「あなたは仕事してないから」と口にした過去を懺悔!“男は仕事すべき”価値観の呪縛の強さ
人気記事ランキング
1 | 放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧 |
---|---|
2 | 安倍政権の「放送法解釈変更」内部文書のリアルすぎる中身! |
3 | 高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も |
カテゴリ別ランキング
社会
ビジネス
人気連載
アベを倒したい!
ブラ弁は見た!
ニッポン抑圧と腐敗の現場
メディア定点観測
ネット右翼の15年
左巻き書店の「いまこそ左翼入門」
政治からテレビを守れ!
「売れてる本」の取扱説明書
話題のキーワード