W杯の裏で…キモオタデブが“長友式体幹トレ”に挑んだ全記録

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『長友佑都体幹トレーニング20』(KKベストセラーズ)

 サッカーW杯の結果には、みなさんもさぞかしがっかりされたことだろう。だが、筆者の失望、無念、悔恨はみなさんの比ではない。なぜなら、筆者はたんに応援していただけでなく、日本代表のために人知れずもうひとつの戦いを続けていたからだ。その戦いを知ってもらうために、ここにその全記録を記しておきたい。

 きっかけは5月のある日、前回の南アフリカ大会でアフリカのサッカーチームが呪術師を使っていたというニュースをふと思い出したことだった。だとすると、初戦の相手、コートジボワールも日本代表に呪いをかけてくるにちがいない! きっとザックはこのことに気づいていない! これは筆者がなんとかしなければ……。そうだ、呪いには呪いで対抗するのはどうだろう。日本にも「願掛け」という古来より伝わる呪術があるではないか。

 とはいっても、願掛けの代表的な方法である水垢離やお百度参りは、アニメイトに行く以外は外に出ないインドア派の筆者にはむかない。もっとこう室内でできて、ついでに日本代表に関係していそうなものはないだろうか……と悩む筆者の脳裏に閃光が走る。今大ヒット中の『長友佑都体幹トレーニング20』の存在だ。長友の強靭な肉体を作り上げたといわれる「体幹トレーニング」の方法を長友自身が余すところなく紹介しているこの書籍。その効果は抜群らしく、ネットでも「腹が割れた。肉体的な意味で」「この本の内容を実践したら身体が変わった、人生も変わった」と大評判だ。だったら、願掛けがわりにこのトレーニングに取り組んだらどうだろう。ちなみに筆者は身長168cm。体重82kg。腹回り103cmだらしなく膨れ垂れ下がったお腹と貧乳キャラに嫉妬されそうなほどおっぱいが主張する肉体をもつ、猫背キモオタデブである。このトレーニングを続ければ、長友のように腹が8つに割れ、腕や胸にはしっかりと筋肉がつくかもしれない。そんな肉体になれば自ずと自信もつき、なんだったらスポーツバー?的なところに堂々とおもむき、リア充どもに混じって「うぇーい!」とかやったりできるかもしれない。そう、日本代表だけではなく、筆者の未来も明るいものになるのだ!

 というわけで、『長友佑都体幹トレーニング20』を片手に願掛け体幹トレーニングをする日々がはじまった。目標は腹回り10cmマイナス、体重15kg減。これが達成したとき、日本代表は本田圭祐のいうように「世界をあっと驚かせる」だろう。肉体を観察してくれる恋人も友人もいない筆者だって、少なくともかあちゃんだけは「あっと驚」いてくれるはずだ。

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体重82kg。腹回り103cm。これが『長友佑都体幹トレーニング20』のトレーニングでどのように変わっていくのか。ご期待いただきたい。

5月25日
 トレーニング初日。この日、日本代表は国内合宿を終え、7000人以上のサポーターの前で壮行会を行った。我らが長友は、こんなコメントをしている。「この4年間で、チームも強くなっているし、自分も成長できた。自分自身にも大きな期待をしています」。いいことを言う。筆者も自分の大きな腹に負けない大きな期待をもち、トレーニングをすすめようではないか。長友の体幹トレーニングは大きく「ストレッチ」「インナー系」「アウター系」「連動」と分けられ、さまざまな用途に合わせたトレーニングが用意されている。たとえば、ダイエットやブレない体づくり、腰痛解消、疲れにくい体など、スポーツに適した肉体づくりから、筆者のようなクソ豚野郎の肉体改善にまで用いることができる幅広さなのだ。今回の願掛け体幹トレーニングは「腹を凹ませたい」向けのトレーニングを中心に行うこととした。初日はわずか20分ほどですべてのトレーニングを終えたこともあり、「え、こんなもので良いの?」というものだった。しかし、体には汗が浮かび、なかなかの疲労感がある。長友のように自分も成長できるのだろうか。

5月27日
 トレーニング開始から3日が経過。日本代表はテストマッチでキプロス代表と対戦した。内田篤人があげた先制点を守りきり勝利したものの、全体的に運動量が少ないようにみられた。我らが長友も試合後には「連携を高めていかないと、強豪相手には通用しない」と述べていた。さすがストイックキングだ。筆者もその言葉に従おう。腹直筋・腸腰筋・腹斜筋をそれぞれFW、MF、DFにみたて、腹筋全体の連携を強めていくのだ。メニューは「水平クランチ」。あお向けの状態で膝を立て、脚を上げながら両手を水平にし3秒間キープするというトレーニングである。この最中、かあちゃんに襖を開けられ、残念な生物を見るかのような眼をされてしまった……。

5月31日
 トレーニング7日目。日本代表はアメリカ・フロリダで直前合宿を行っている。ちなみに同日、京都の下鴨神社で日本代表の必勝を祈願した蹴鞠が催され、元日本代表の中田英寿も烏帽子に水干しの伝統装束姿で登場していた。野郎も気づいていたか……。しかし、蹴鞠は見物しただけで参加しなかったらしい。そんな腰のひけた願掛けよりも筆者の超願掛け体幹トレーニングのほうがきっと効果があるはずだ!

6月3日
 トレーニング10日目だが、今回は計測日。体重は81kg。腹回り101cm。効果は出ているようだ。

6月11日
 トレーニング18日目。現地時間10日の日本代表はオフなので、筆者も休むことにした。ちなみに『長友佑都体幹トレーニング20』では週に3〜5回のトレーニングを推奨しているので、休んでもまったく問題ない。

6月12日
 トレーニング開始から19日が経過。14日はいよいよ日本代表のW杯初戦だ。願掛け体幹トレーニングにも力が入る。『週刊SPA! 』(06/17 号)に掲載された長友のインタビューにW杯への思いとして「W杯で活躍するために、ずっと強い信念を持ってプライベートを含めて、自分のすべてを捧げてきた」という言葉があった。筆者もまた、呪術師を打倒し、日本代表に勝利を呼び込むため、プライベートを投げ出し、すべてを捧げて長友の体幹トレーニングを行ってきた。「もも上げフロントブリッジ」という、うつぶせになり肘を立て、腰を持ち上げつつ片膝をお腹へひきつける、といった、筆者がやると床オナをしているようにしかみえないトレーニングだが、これがもうひたすらキツい。終えたあとは汗だくだ。だが、これでいいのだ。苦しくなければ願掛けの意味がない。おかげで力がみなぎる! 今ならヤンキーが束になっても筆者には敵うまい!

6月13日
 この日のニュースに戦慄した。コートジボワールが呪術師を帯同してくるかもしれないというのだ。やはり……筆者の予想は当たってしまった。対決の時は迫っている。どちらの呪術が本物か、思わず超絶願掛け体幹トレーニングに力が入る。

6月15日
 対コートジボワール戦。負けた……しかも失点はすべて左サイド、長友のサイドである。長友よ、さぞ無念だろう……しかし、責任は筆者にある。なんせ、呪術対決に負けてしまったのだから。香川真司が「走らされた」と語ったのも、もしかしたら呪術の力が働いていたのかもしれない。願掛けは無意味だったのか……いや違う! 相手の呪術がドログバばりの超絶クラスだっただけで、きっと効果はあるはずだ。願掛けを強化するためにトレーニングのレベルを上げようと思う。そう、長友式体幹トレーニングでは、初級・中級・上級のレベルが用意されており、筆者は今まで初級クラスをモゴモゴ続けてきたのだ。とりあえず今後は中級レベルに取り組むことにしよう。また、今回、敗因になった左サイドを強化するため、左腹横筋に徹底的に負荷をかけていくことにした。

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6月15日、対コートジボワール戦後に撮った写真だ。開始前と比べて下腹部が締まってきていることがわかるだろう。着実に効果は出てきているようだ。

6月16日
 トレーニング開始から23日が経った。中級レベルに上がってから、腹回りの負担がえらいことになっている。これは、凹み具合が楽しみである。ニュースで香川真司が三浦知良からのLINEを既読していないことが明らかになった。ちなみに筆者のLINEは誰からもメッセージがこないので、既読すらできない。

6月17日
 腹回りの筋肉を鍛える前に行う股関節や背中、腹筋のストレッチで「ンギモッヂイイ」とか思っている合間に『週刊新潮』(6月19日号)を読んでいると気になる記事を見つけた。なんと、大久保嘉人の母と、本田の妻がW杯の影でバトルを繰り広げているというのだ。大久保といえば急遽招集された肝いりメンバーで、歯に衣着せぬ物言いでも話題を集めている。チーム内でも本田と対立しているとの噂もあり、分裂の危機となりかねない。こんなとき、長友ならどうするだろうか。本田とは仲が良いが、バランス感覚があるから大久保にもフォローを入れるだろう。あっち行ったりこっち行ったり……。うん、念のため、「疲れにくい体を手に入れたい」人用のトレーニングも導入しよう。

6月20日
 よし! 願掛けは効果があった! 相手のバックに呪術師がいなければ、ざっとこんなもんよ! この日、日本代表はギリシャと対戦し無得点を守りきった。まあ、ギリシャは10人で戦っていたし、日本代表も無得点だったのだが。グループリーグを抜けること自体も厳しくなってきたこの状況。「マジかよ」という幾万の声が聞こえてきそうである。本田曰く「最後にゴールを割れなかったのは、何か一つアイデアが足りなかった」とのこと。アイデアか……。これはもう、願掛けの出番だろう。本田にアイデアが無限にわいてきますように、との願を掛けつつ、より一層トレーニングにはげむことにする。あお向けに寝つつ片膝を立て、片手をまっすぐ伸ばした状態で片脚と手、頭を同時に上げる「連動Vクランチ」で腹直筋・腸腰筋・股関節・大腿四頭筋を鍛えながら、過酷な上級レベルのトレーニングを行うことを決意した!

6月22日
 トレーニング開始から29日が経過した。日本代表はコロンビア戦前にオフをとっている。なので、筆者も休むことにする。それにしても、W杯には美人なサポーターが多い。また海外のサポーターは時に過激で、たわわな胸を強調してきたりもする。願掛けがより効果的になるために、性の放出を禁止している筆者にとっては非常に刺激が強い。別の体幹が鍛えられそうである。

6月25日
 対コロンビア戦。夢が破れた……。日本代表は今までで一番良い動きを見せていた。しかし、後半から投入されたロドリゲスに振り回され、3点を許す結果となってしまった。おかしい。もしかして、南米にも呪術師がいるのか。そういえば、アマゾンの奥地に住む呪術師がいるという話を昔、コンビニ本で読んだことがある。もしかしてあいつが……? とにかく戦いは終わってしまった。本田は言葉を途切れさせながら言った。「非常に悔しいですけど、これが現実」と。長友は、「勝たせてあげられなかったことが悔しい」と泣き崩れた。そうなのだ。筆者も本田や長友を勝たせてあげられなかったのが悔しいと泣いた。けっこう頻繁に起こる、男一代悔し泣きである。

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6月25日、対コロンビア戦後の写真。分かるだろうか、この引き締まった腹を! なに? よく分からない? いや、見る人が見れば分かるはずだ! そう、続けていけば、長友の体のようになるのも夢ではないのだ。

 あまりに挫折感が強く、閉会までまでやるつもりだった長友式トレーニングもこの日で終了することにした。総トレーニング期間32日。結果はどうだったかというと、腹回りは2cmマイナスで、体重も3kg減。なんだろう、この中途半端な数字。目標には遠く及ばず、かといって、効果がなかったわけでもない。結局、何をやっても中途半端といういつもどおりの自分らしい結果に終わったということか……。こんなだから彼女ができないんだよ! と嘆いているときに、しかし、ふと気がついた。待てよ、自分らしい結果? そういえば、日本代表のメンバーたちは今回、「自分たちのサッカー」「日本らしいサッカー」という言葉をやたら使っていて、負けてしまった今、ネットでは「自分たちの…っていったいなんだったんだよ」と、ツッコミの対象にもなっている。

 でも、もしかしたら筆者は長友式体幹トレーニングを通じてその答えを見つけたんじゃないだろうか。何をやらせても中途半端なこの感じこそが「自分たちのサッカー」、いや、「自分らしい人生」なのだ。自分たちのサッカーが出来なかった日本代表と違って、筆者は自分らしさを出し切ったのである。

 そう思うとなんか元気が出てきた。だいたい、今回の敗戦は筆者の責任じゃなくて、ザックの采配がよくなかっただけじゃないのか。次のW杯では、もっとサッカーの戦術的なアドバイスができるようにならなければ。そのためにも、コレクションしているサッカーマンガをもう一度読み直してみよう。まずは、未完の『かっとび一斗』か、それとも「週刊少年ジャンプ」で連載を打ち切られた伝説の中二サッカーマンガ『LIGHT WING』か。おっとその前に、ポテチとキンキンに冷やした濃厚カルピスを用意してっと。夏はこれですよ、これ!

(オンダヒロ)

最終更新:2014.07.09 10:24

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