大阪の感染者560人…吉村知事「感染拡大が抑えられている」「緊急事態宣言は不要」に非難殺到! 12月死者は東京の倍

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大阪府ホームページより


 この男はこんな事態になっても、“やってる感アピール”することしか考えていないのか。もちろん吉村洋文・大阪府知事のことだ。

 東京をはじめとする1都3県の知事がそろって官邸を訪れ、政府に緊急事態宣言を要請したことを受け、吉村知事は4日の会見でこう語ったのだ。

「副作用が強く、最後の手段。大阪は感染の急拡大が抑えられており、今の段階で要請する考えはない」
「医療体制が逼迫したまま年末年始に突入したが、大きな機能停止や障害はなかった」

 大阪は感染拡大が抑えられているから、緊急事態宣言は必要ないというのだ。

 菅義偉首相も同日の会見で、小池百合子都知事への皮肉で、「北海道、大阪など、時間短縮をおこなった県は結果が出ています」「北海道、大阪など、これは時間短縮、こうしたことをおこなった県では効果が出て、陽性者が下降してきております」と引き合いに出しており、それに便乗したのだろうか。

 しかし、この吉村知事の発言にはネット上でも批判の嵐が巻き起こった。せっかくだから、その一部を引用してみよう。

〈え?死亡数たしか多かったよね?〉
〈重症者”過去最多”の大阪府〉
〈夢見てる人いた。大阪も死者数とかヤバいっしょ。 こいつは、人死んでも気にならないんだろうな。 怖っ。〉
〈ちょっとしか検査しなけりゃそりゃ「判明している」感染者数は数字上少なくてすむだろうね この期に及んで一日の検査数2000だよ? これマジでこいつをリコールしないとみんな死ぬぞ〉
〈大阪はコロナ死亡率最多で、自衛隊に泣きついた位の医療崩壊具合なのに緊急事態ではないと。まあ今更と言えば今更だが。〉
〈いい加減にしてくれよ吉村知事さんよ。大阪を止めろ!兵庫県や周辺の感染増は大阪からの飛び火なのは明らかじゃないか‼️〉
〈いえ。 抑えられてませんから!! 近県は、迷惑被ってますしちょっと前迄周りに頼ってたの誰でしたっけ?!〉
〈ねごとは寝て言え!〉
〈負けを認めなければ負けではないという維新の「勝つまでジャンケン」精神を感じる。〉
〈凄いな。まだ初夢を見続けとるんじゃ?〉
〈えっ、この人、どこの大阪に住んでるの???〉
〈「言い切ったら信じるやつおる作戦」やな。 安倍とかも使ってるやつ。〉
〈ポストトランプ〉

12月だけじゃない 1月の死者も東京21人なのに大阪は40人と倍

 いずれも的を射た批判ばかりだ。大阪の重症者数は4日時点で、過去最多の171人。重症者の病床使用率も、見かけの数字ですら72.5%を超えている。決して楽観できる数字ではない。

 重症者に関しては大阪と東京で基準が違うからなどと言い訳するかもしれないが、しかし死者数にいたっては東京の倍近い。

 大阪の12月の死者数は259人で、東京は138人で、2倍近い。言っておくが、東京都の人口が約1400万人で大阪府の人口が約880万人だ。にもかかわらず、死者数は2倍近いのだから、いかに大阪がたいへんな状態になっているかわかるだろう。

 この傾向は年が明けても変わっていない。大阪の死者数は1月1日9人、2日6人、3日7人、4日11人、5日7人で計40人。対して東京は1日4人、2日0人、3日1人、4日2人、5日14人で計21人。やはり東京の倍以上の水準で推移している。

 感染者数じたいは東京のほうが多いにもかかわらず、この死者数の多さは全国最悪レベルと言っていいだろう。

 しかも、感染者数でも、大阪はきょう、1日あたりの新規感染者が560人と、過去最多を記録した。

 吉村知事の発言はこの数字が発表される前だったが、それ以前だって、大阪の感染者数は決して少ない数字ではなかった。たしかに、11月22日の490人からは下がっていたが、12月前半が400人前後、後半は300人前後で、これはむしろ高止まりしているというべき数字だろう。

 年明けは、262人、258人、253人、286人と4日連続で300人を下回っていたが、これは年末年始で単純に検査件数が少なかったから。もともと大阪の検査件数は少なく、11月以降、平日でも6000件を超えたのは合計5日だけというお粗末さなのだが、年末年始はそれがさらに極端に減った結果、感染者数も少なくなったにすぎない。

 ようするに、どこからどうみても大阪は「感染を抑えられている」ような状況にはなかったのだ。東京が深刻な状態であることは言うまでもないが、大阪はそれ以上と言ってもいいだろう。

医療崩壊で自衛隊派遣を要請しながら、経済優先で緊急事態宣言は要請せず

 ところが、こんな状況にも関わらず吉村知事は「感染を抑えられている」と胸を張ったのだ。

 吉村知事がもし、直近の年明け4日の数字を見て本気でそう信じたとしたら、頭が悪すぎるが、そんなことはありえない。

 吉村知事は明らかに検査件数が少ないことをわかっていながら、その数字がもたらすイメージを詐欺的に利用して、感染の収束イメージをふりまいたのである。

 理由はもちろん、自分たちの失政で医療崩壊が起きている状況を隠し、いつもの「やってる感」をアピールするため。そしてもうひとつは、経済を回すことしか考えていない吉村知事は、どうしても緊急事態宣言をやりたくなかったからだ。

 実際、在阪テレビ局のニュース番組は、今回の発言の背景に吉村知事の「医療の限界を超えない限り経済を回す考え」があると解説していた。

 「医療の限界を超えない限り」って、吉村知事は経済のために大阪府民の命をギリギリまで危険に晒していいと考えているということではないか。

 いや、この言葉通りならまだマシかもしれない。というのも、大阪ではとっくのとうに医療の限界を超えているからだ。

 大阪では、医療削減政策により、医師や看護師、保健所で慢性的な人手不足に陥り、コロナ感染が広がると瞬く間に検査・医療体制がパンク寸前に。そして、その脆弱な検査・医療体制が感染を拡大・重症化させ、さらに医療現場を逼迫させるという悪循環に陥っている。重症者数も11月下旬には100人を超え、以降も増加の一途を辿っている。

 ネット上でも指摘の声があったように、大阪はこうした事態に自前の医療体制で感染拡大に対処することができず、自衛隊の派遣を要請せざるをえない状況にまで追い込まれた。吉村知事が岸信夫防衛相に自衛隊の派遣要請をおこなったのは12月6日のことで、まだ1カ月しか経っていない。

 東京や神奈川の医療体制が十分とは言わないが、少なくとも自衛隊に派遣要請するような事態には至っていない。それ以上の事態を引き起こし、まだ収束していないうちに「感染を抑えられている」などとよくそんなことが言えるものだ。医療体制のことも、府民の命も、なんとも思っていないことがよくわかる。

橋下徹が「コロナを受け入れ拒否の民間病院」を批判も、真の原因は公立病院の医療を弱体化させた維新だ

 しかも、卑劣なことに最近では、苦境に立たされている病院や医療従事者までをもスケープゴートにするような言動を見せている。

 維新応援団の三浦瑠麗氏や維新生みの親の橋下徹・元大阪市長は、ここのところ「今の日本の医療体制ではコロナ対応していない医療機関や医療従事者が多すぎる」「コロナを受け入れているのは公的病院ばかりで、民間病院がコロナを受け入れていない」などと、民間病院叩きを始めている(本日6日におこなわれた日本医師会の中川俊男会長の会見で見事に反論されていたが)。

 これは、吉村知事が12月18日に読売新聞のインタビューで、コロナ病床がある病院は現在約85カ所(12月18日現在)であるとして、府内の約500病院すべてに入院患者の受け入れを要請することも検討していると語ったことと連動してのものだろう。

 そもそも公的病院を削減し民営化を進めてきたのは、橋下徹以来の維新府政だ。同じ18日のインタビューで、吉村知事は「懸命に働く看護師らの収入が減るような状況はあってはいけない」とも語っているが、看護師を削減してきたのも、看護専門学校への助成金を削減し閉校に追い込んできたのも、維新府政だ。

 吉村知事の頭にあるのは、スケープゴートを仕立て上げ自分の失政を隠し、“やってる感アピール”をすることだけ。本サイトでは、12月10日に〈この男はおそらく府民全員が命を落としかねない事態になっても、「私はこんなことをやってる」と“やってる感”を演出し続け、「この状況は○○のせいだ」と責任転嫁を続けるだろう〉と書いたが、まさにそれが現実になっている。

 この嘘つき知事をなんとかしないと、これからもまだまだ多くの大阪府民の命が失われることになるだろう。

最終更新:2021.01.06 11:46

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