立川志らくが古典落語に「日本人かてめえ」のヘイト盛り込み! 批判を受けた志らくの反論がゴマカシだらけで酷い

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『グッとラック!』での発言がたびたび炎上する志らくが本業の落語でも…(TBS番組HPより)


 “反ポリコレの頑固オヤジキャラ”を気取って雑な発言を連発し、シレッと安倍政権を擁護することに定評のある落語家の立川志らく。最近もMCを務める『グッとラック!』(TBS)で、東出昌大と唐田えりかの騒動について「こうなったら開き直るしかないですね。『芸の肥やし』とか言ってね」と述べ、SNSではその女性蔑視まるだしの時代錯誤っぷりにツッコミが相次いだが、そんな志らくが22日、こんなツイートをしていた。

〈ヘイトだ、パワハラだ、男尊女卑だと言われたら落語は一切出来なくなります。喫煙シーンが駄目なら芝浜も語れない。男だから、女だからと言ってはいけないとなると「男はつらいよ」も駄目になる。セクハラの見地から言えば小津安二郎の名作映画もそのほとんどがセクハラになってしまう。文化の崩壊。〉

 いったい何を言っているのかと思ったら、どうやらコレ、志らくの本業である噺に対する批判への“反論”らしい。問題になっているのは、志らくが2018年12月に披露した「八五郎出世」(別名「妾馬」)という演目。それを収録したNHK の『日本の話芸 立川志らく 落語「八五郎出世」』という番組が、今年の1月18日に再放送されたらしいのだが、その一場面を「ヘイト」だと指摘する声があがったのだ。

 いったいどういうことか。そもそも「妾馬」は江戸時代に作られたとみられる古典落語で、六代目三遊亭圓生など多くの落語家が演じてきた定番の演目。志らくもなかなか気に入っているらしく、「妾馬 ダイ・ハード」なる新作落語を創作したりもしているのだが、今回は古典にヘイト的なアレンジを加えたことが問題になっている。

 簡単にあらすじを説明しておこう。舞台は江戸の身分社会、金にルーズでざっくばらんな性格をした町人・八五郎が主人公だ。大名の名に留まった八五郎の妹・お鶴は妾になって子を生む。大名が八五郎に会いたがっているということで、八五郎は大家に着物や何やらの面倒を見てもらい、屋敷へと向かうことになる。八五郎の乱暴な言葉遣いを憂慮した大家は「とにかく丁寧に、頭には“お”の字をつけて、おしまいには“奉る”を付ければいい」とアドバイスするわけだが、とはいっても八五郎に大名の言葉はよくわからない。この後の八五郎と大名たちのトンチンカンなやりとりが噺の見せ場の一つである。

 問題になっているのは、八五郎が屋敷の門番に呼び止められるくだりだ。訛りのある門番と八五郎のやりとりを志らくはこのように演じる。

門番「おお、てめえは何けえ?」
八五郎「おれは人間だい!」
門番「人間はわかっておる。なにをやっけえあやしげなみゃいったもんであるかとよ」
八五郎「日本人かてめえ?!コノヤロウ!」

 ようするに、志らくが訛りを馬鹿にする文脈で「日本人かてめえコノヤロウ」というセリフを使ったことに対して、Twitterでは「八五郎をヘイターにしないでほしい」などと批判の声があがっているというわけだ。言葉が訛っていることをあげつらって「日本人かてめえ」とキレて笑いを取ろうとする様は、無意識な差別意識の吐露と指摘されても仕方がない。

志らくの反論のインチキ! 圓生や志ん生にも「日本人かてめえ」というセリフはない

 ところが、前述のように、こうした批判を受けた志らくはTwitterでワケのわからない言い訳を始めたのである。

〈その台詞は先人の引用。それと江戸っ子は江戸っ子こそ最高だと思って田舎者を排除してきた言わばヘイトの塊歴史がある。明治になり地方出身者が都会に押し寄せその考え方が通らなくなるのです。妾馬は身分制度へのアンチテーゼがテーマ。卑しいは失礼です〉

 志らくは「先人の引用」というが、念のため六代目三遊亭圓生や五代目古今亭志ん生の「妾馬」のCDを聞いてみたところ、「日本人かてめえコノヤロウ」というセリフはなかった。だいたい、文脈的にも「日本人かてめえコノヤロウ」とキレる必然性はないし、このセリフを入れなくても話の筋はかわらない。「江戸っ子のヘイトの塊歴史」というのも取ってつけた言い訳の匂いがプンプンしてくる。そもそも、江戸時代に庶民が自分たちを「日本人」と呼ぶことはまずあり得ないだろう。

 あげく、〈ヘイトだ、パワハラだ、男尊女卑だと言われたら落語は一切出来なくなります〉などと説教をぶつのだから呆れる。だいたい(志らくもわかっているはずなのだが)古典落語というのは演者が自分なりの解釈でアレンジするのが当たり前で、時代にそぐわなければ言葉遣いや演出を変更するものだ。実際、柳家花緑なんかは「妾馬」の同じ場面で、「どういう用でここにきたかを聞いとるにゃー!」と言う門番への八五郎の返しとして「猫だね、まるで」というセリフを使っている。

〈セクハラの見地から言えば小津安二郎の名作映画もそのほとんどがセクハラになってしまう。文化の崩壊〉という言い訳に至っては、完全に噴飯物だろう。おいおい、いったい誰が小津の話をしているというのか。

 そういえば志らくは去年も、桜田義孝・元五輪担当相の「子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」という女性蔑視発言が問題になったとき、『ひるおび!』(TBS)で「昭和の時代なんかはそういうの普通に映画のなかでもあるじゃないですか」と言って擁護していた。ようは、この落語家は「昔なら問題にならなかった」という言い訳がお好きらしい。こんな感覚で情報番組のMCをやっているのだから、文化がどうこう言う前にバカ丸出しだろう。

 落語だろうが、小津映画だろうが、もし仮にその芸術的価値が差別性にしかないのだとしたら、ミンストレルショーのように、人権意識の更新によって評価が減じたり淘汰されるのは必然だろう。白人至上主義やセクシズムの権化だったディズニーが、近年は多様性やフェミニズムを意識した作品作りで必死にアップデートしているのもそのためだ。

志らくは「時そば」でもヘイト! 都知事選では在特会・桜井誠を賞賛

 しかも、今回指摘されている問題は決して落語全体の差別性などではない。志らくがアレンジしたと思われる「日本人かてめえコノヤロウ」というセリフは、この落語家の無自覚な差別意識が投影されたものなのではないか。事実、すでにTwitterで指摘されているように、志らくは「時そば」の演目でも、そばの中にキムチを入れた店主が咎められ、「パかなこと言うな」と外国訛りをバカにするような言い間違いで返して笑いをとるという演出を使っている。

 江戸時代にはなかったであろう「日本人」や「キムチ」という言葉を差別的な文脈で、時代考証や伝統を無視してわざわざ取り入れておきながら、差別性を指摘されると伝統を持ち出す。御都合主義にもほどがあるだろう。志らくは落語全体の話に論点をすり替えているが、この問題は、落語や江戸っ子が内包する差別性などでなく、志らく個人の差別性にほかならない。実際、志らくはこれまでにも差別意識を感じさせる発言をしている。

 たとえば、2016年7月の東京都知事選の際には、「朝鮮人を皆殺しにしろ」と扇動する差別団体・在特会の元会長で日本第一党の桜井誠の主張を紹介し、評価するツイートまでしていた。

〈小池百合子は名誉ある撤退はしないのでは。だってテロだと言われているのだから。総理の椅子の確約でもしない限りには。桜井パパではないもう一人の桜井候補。橋下さんと喧嘩した人。YouTubeで見られる。パチンコの利益700億が北朝鮮に流れテロ、拉致に使われているからという立候補記者会見〉(2016年7月2日)
〈もし桜井誠氏が言うようにパチンコの利益が700億が北朝鮮に流れ、本当にテロ拉致テポドンに使われているのならば大問題。パチンコを国営化するしかない。だがだからといって在日の人々を一色たんにして攻撃してはいけない。韓国朝鮮は日本を一色たんに攻撃していてもだ。〉(同上)
〈泡沫候補にしては勿体無いぐらい、好き嫌いは別にして、しっかりした政策を持っているとは思います。ただ在日朝鮮人が全て敵のように聞こえてしまうところが怖い。勿論そうはいってはいないのだろうが。かなりの票を集めると思います。〉(2016年7月27日)

 一応、志らくは「だがだからといって在日の人々を一色たんにして攻撃してはいけない。韓国朝鮮は日本を一色たんに攻撃していてもだ」などと予防線を張っていたが、ツイートのなかで「橋下さんと喧嘩した人」と言っているように、このツイートの2年前の2014年には当時大阪市長だった橋下徹とヘイトスピーチ問題をめぐって公開直接会談するなど、桜井誠がレイシストであることはすでに一般的に広く知られていた。そんな正真正銘のレイシストを「泡沫候補にしてはもったいない」、「しっかりした政策を持っている」などと評価するところが、この落語家の本質なのだろう。

 こんな人が帯番組のMCをやっているという事実にあらためて愕然とするが、さらに問題なのは、今回、「日本人かてめえコノヤロウ」というセリフが批判されたことに対する言い訳をみてもわかるように、自分の考え方が間違っていることを決して認めないということだ。ひたすら雑な発言を繰り返して批判されても「自分は正しい」と思い込み続ける立川志らく。露骨な極右や安倍応援団ではないという声もあるが、その思考パターンはネトウヨの確証バイアスに通じる部分さえある。今後も注視しなければならないだろう。

最終更新:2020.01.25 02:01

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