タレントに関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
嫌いなジャニーズ1位木村拓哉がマツコに「覚悟ランキングだったら、オレけっこういくと思うよ」いったい、どの口が…
マツコが心配だと繰り返したキムタク
本日公開の映画『無限の住人』の宣伝のため、連日テレビに出まくっている木村拓哉だが、27日深夜放送のマツコ・デラックスが夜の街を気ままに歩く人気番組『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日)にゲスト出演したことが、大きな話題となっている。
2人が千葉の高校で1年だけ同級生だったというのは知られた話だが、テレビ番組での共演は初めてのこと。数年前にトヨタのCMで共演を果しているものの、共演NGという都市伝説もあっただけに、“共演解禁”同級生の2人がいったいどんな会話を交わすのか、と放送前から注目されていた。
そして放送後、大きな話題となったのは、“キムタク最大のタブーにマツコが触れた”というものだ。キムタクが決して公に語ることのなかった、娘の話をした、と。
番組前半で、木村がマツコの番組をよくチェックしていると口にすると、「(番組)観過ぎだって、あんた、もう。大好きなの、私のこと、きっと」と大喜びしながらマツコはこう続けたのだ。
「でも、本当のこというとこの人じゃなくて、娘さんたちが私の番組観てくれているの、ついでで見ているだけよ。この人が観てるわけないじゃない」
「テレビの選局権はオレだから」
このやりとりに、ネット上では「娘の話、衝撃!」「サラッと子どもの話した、マツコすげー!」など騒然となったのだが、でも本当にそうなのか。
たしかにこれまでキムタクにとって、家庭や子どもの話題は完全なタブーであり、テレビはもちろん、プライベートな話題にも踏み込むラジオでも、不自然なほど子どもに関する話は語らない姿勢を貫いてきた。主婦向け雑誌のインタビューですら、主婦受けを意識して料理の話などを披露してもさらに主婦の心を掴みそうな育児話は一切せず、まるで独身のようだった。
でも、たったこれだけある。しかも、キムタクは結局、娘のむの字もいわなかった。これで“キムタク最大のタブーに触れた”って、ちょっとおおげさすぎだろう。
いや、それどころか、この日のマツコはいつものツッコミはどこへやら。これまで見たことないくらいキムタクに気を使いまくり、番組全体がキムタクヨイショ大会と化していたのだ。
そもそも、この番組、タイトル通り“夜の街を徘徊して、偶然、いろんな人に出会う”のが趣旨なのに、キムタクマツコが徘徊した場所は、テレ朝敷地周辺。明らかにキムタクのために、“安全なホーム”を用意したとしか思えないものだった。しかも、やたら、キムタクのフレンドリーさやいい人ぶりばかりが強調されていた。
たとえば、テレ朝前で、キムタクが一緒に仕事をしたことがある『お願い!ランキング』(テレ朝)のAPを務める女性にバッタリ会うのだが、その女性はなんと高校生のころに、地方にドラマのロケに来ていたキムタクに出会い、「テレビの世界を目指します」と語り、実際にその夢をかなえ、『お願い!ランキング』にキムタクが出演した際再会を果たしたというエピソードの持ち主。そんな偶然ってあるのだろうか。
とにかく最初から最後までこんな調子で、マツコは結局、キムタクに対し“みんなが言えないけど、本当は聞きたいこと”など、何ひとつ質問しなかった。
「あなた、なんで飯島さんと4人を裏切って、ジャニーズ事務所をとったのよ?」
「スマスマ公開謝罪のときの、あのドヤ顔はないんじゃない?」
「なんで解散って聞いて、すぐハワイから帰って来なかったの?」
「工藤静香の尻にしかれてるの?」
「大晦日の焼肉は、誘われなかったのか、誘われたけど断ったのか、どっち?」
いま日本中のみんながキムタクにいちばん聞きたいことといえば、“キムタク裏切り”の真相以外にないだろう。しかし、マツコは冗談交じりにすら、こうした疑問に触れることは一切なかった。それどころか、こんなことを言ってヨイショする始末。
「絶妙なバランスで生きてきてるよね。あなたの覚悟と世の中の要求が絶妙なバランスなのよ。覚悟しているランキングで言ったら芸能界トップ3に入っていると思うよ」
覚悟と要求のバランス? もはや何を言ってるのかよくわからない。かつての過激さを失った近年のマツコでもここまで媚びるのは見たことがないというくらいの気の遣いようだった。しかもこのあからさまなヨイショに、さすがに謙遜するかと思いきやキムタクは真に受けて、なんの衒いもなくこう応じたのだ。
「覚悟ランキングでいったら、けっこう行くと思うよ。本気度でいったら」
いやいや、苦楽をともにしたメンバーとともにジャニーズ事務所を独立する覚悟もなければ、自分を貫いた結果グループを終わらせた“裏切り者”“戦犯”の誹りを甘んじて引き受ける覚悟もないこの男を、覚悟があるなどと思っているのは、世界中でおまえだけだよと画面の前で多くの人がツッコんだと思うが、もちろんマツコがそのツッコミを代弁してくれることなどなかった。
そう。マツコの番組に出るというから何か起きるのかと期待していたが、結局、今回も、キムタクは最近のテレビ出演のパターンを繰り返しただけだったのである。
SMAP解散の“裏切り者”イメージを払拭しようと、キムタクはこの間、いままで絶対に出なかったバラエティやワイドショー、ニュース番組に積極的に露出してきた。『情報ライブミヤネ屋』(日本テレビ)、『あさイチ』(NHK)、『さんタク』(フジテレビ)、『報道ステーション』『羽鳥慎一モーニングショー』『徹子の部屋』(テレビ朝日)……。そのときに必ずやるのが、「なんでもしゃべりますよ」という気さくさの強調と本音トークのスタンス。『報ステ』の富川悠太キャスターなどは木村に「打ち合せはいりません。なんでも聞いてください」と言われたという裏話をわざわざ明かしていた。
しかし、実際には、解散の真相に斬り込んだ質問など誰もせず、キムタクもまわりのヨイショに乗っかって、結局、“俺さまトーク”を繰り広げるだけ。たとえば、『ミヤネ屋』では「宮根がどうしても聞きたかったあのこと」などと散々煽りながら、宮根が口にしたのは「サーフィンってそんなにいいんですか」みたいな質問だった。唯一、黒柳徹子が「解散して、その後どうなったの?」「(騒動の渦中)みんな会ったときはどういう感じなの?普通なの?」「普段は、仲がいいわけではない?」などと質問していたが、キムタクはまともに答えず、結局お決まりの『ONE PIECE』みたいな船と仲間のたとえ話に逃げるだけだった。
ようするに、キムタク自身がひとり「おれ、こんな番組にまで出てすごいフレンドリーなトークだってしてるでしょ、新しいキムタクを見せてるでしょ」「話しにくい解散のことだって話してるぜ」と悦に入っているだけで、本音なんて何一つ語っていないし、新しいキムタクも見せてはいない。むしろ、いままで以上に周囲に気を使わせ、「木村さんがこんなことを話してくれるなんて」と無理やりよいしょをさせているだけだ。
そういえば、今回の『夜の巷を徘徊する』でキムタクはやたらと “マツコが心配だ”と繰り返したていたが、これも同じだろう。
「すっげぇ心配なんだって、マジで。全部テレビ局の人たちが自分たちで言えネェなっていうことを全部、マツコに背負わせて、マツコだったら全部、番組内で一本背負いで全部、投げてくれるからって企画している」
「みんなが言えないことを『おう、任せとけ』って感じで言ってるでしょ? 思い切ってはいるけどセンシティブなわけじゃない? 攻撃的なものを求められているけど、線引きしてもいいじゃない」
これって、マツコの過激なスタンスを心配しているようで(丸くなったいまのマツコにそんな心配をすること自体も完全にピントがはずれているが)、実は、“そんな過激な番組に出演する俺”アピールでしかなかった。
おそらく、こんなスタンスでいくらバラエティに出演して、マツコや宮根誠司、さんま、黒柳徹子といった芸能界を代表する大物や司会者とトークを繰り広げても、そのイメージが回復することなんてありえないだろう。
実際、発売中の「週刊文春」(文藝春秋)5月4・11日合併号の「『好きなジャニーズ』『嫌いなジャニーズ』」では、キムタクがダントツの“嫌いなジャニーズ”1位に選ばれている。しかも2位のNEWS小山慶一郎にトリプルスコア以上の差をつけてだ。ちなみに“好きなジャニーズ” 1位は元SMAPの中居正広。
とにかく、ジャニーズ事務所や御用マスコミが強引な情報を垂れ流せば流すほど、そして露出すればするほど、逆にキムタクのイメージは悪くなっていく。
そういう意味では、今回、キムタクはマツコから「あんたね、やっぱり解散のこと、きれいごとじゃなくて、きちんとなぜ裏切ったのか、話さなきゃだめよ」くらいのことを言われたほうがよかったのかもしれない。もちろん、すっかり芸能界の論理を身につけてしまったいまのマツコが、そんなことをつっこむはずはないのだが……。
(本田コッペ)
最終更新:2017.12.01 04:22
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