宮藤官九郎のオリンピック大河ドラマはナチスの「民族の祭典」になるのか、それとも五輪ナショナリズムを解体するのか

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大人計画 公式サイトより


 2019 年のNHK大河ドラマの脚本を宮藤官九郎が担当することが発表された。しかも、テーマは「東京とオリンピックの物語」。日本選手がたった2人で初めて参加した1912年のストックホルム大会から、1964年の東京オリンピック開催まで、52年にわたってオリンピックに関わった日本人を描くのだという。

 大河が近現代を舞台にするのは33年ぶりらしいが、それよりもびっくりしたのは、なぜクドカンがこんなテーマのドラマをやる気になったのかということだ。クドカンというのは典型的な「小ネタ」の人で、「大きな物語」なんて興味がないと思っていた。それが、大きな物語の代表選手のような大河ドラマで、これまた、大きな物語でマッチョなオリンピックを描く。舞台もこれまでクドカンが好んで描いてきた木更津や三陸のような「周縁」ではなく、「中心」である東京だ。大丈夫なのか、クドカン。

 さらに気になるのは、安倍サマのNHKがこのところ、2020年東京五輪を「国家の一大イベント」と位置付けて、並々ならぬ意欲を見せていることだ。リオ五輪が閉幕した直後の9月21日、同局の『おはよう日本』で、五輪開催のメリットとして、いの一番に「国威発揚」をあげる時代錯誤丸出しの解説をしていたが、この空気はいま、NHK全体を覆っている。

 東京五輪の前年に放送されるクドカン大河も、このNHKのベタな「オリンピック=国威発揚」キャンペーンのひとつに組み込まれてしまうのではないか。そんな懸念がつい頭をもたげてしまうのだ。

 いや、下手をしたら、クドカン大河は、ナチスドイツでレニ・リーフェンシュタールが監督したベルリンオリンピックの記録映画『民族の祭典』のような役割まで演じてしまうかもしれない。

 というのも、1912年のストックホルム大会から1964年東京五輪までを描くということは、日本が帝国主義・侵略戦争に突入していった時代、そしてオリンピックが、国家主義的イベントへと変質していった時代を避けては通れないからだ。

 たとえば、1912年は明治最後の年であり、1925年には治安維持法が制定され、1931年には柳条湖事件、満州事変が起きた。1936年にはナチスドイツによるベルリンオリンピックが開催されている。そして1941年、太平洋戦争に突入していくのだが、その前年の1940年は、幻の東京五輪が開催される予定だった年だ。この1940年の東京五輪は、皇紀2600年を記念し、ベルリンオリンピックと同様、まさに国家主義イベントとして招致されたのだが、日本が日中戦争を引き起こしたことで世界中から非難を浴び、開催を返上している。

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