宮藤官九郎のオリンピック大河ドラマはナチスの「民族の祭典」になるのか、それとも五輪ナショナリズムを解体するのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
kudokan_141207.jpg
大人計画 公式サイトより


 2019 年のNHK大河ドラマの脚本を宮藤官九郎が担当することが発表された。しかも、テーマは「東京とオリンピックの物語」。日本選手がたった2人で初めて参加した1912年のストックホルム大会から、1964年の東京オリンピック開催まで、52年にわたってオリンピックに関わった日本人を描くのだという。

 大河が近現代を舞台にするのは33年ぶりらしいが、それよりもびっくりしたのは、なぜクドカンがこんなテーマのドラマをやる気になったのかということだ。クドカンというのは典型的な「小ネタ」の人で、「大きな物語」なんて興味がないと思っていた。それが、大きな物語の代表選手のような大河ドラマで、これまた、大きな物語でマッチョなオリンピックを描く。舞台もこれまでクドカンが好んで描いてきた木更津や三陸のような「周縁」ではなく、「中心」である東京だ。大丈夫なのか、クドカン。

 さらに気になるのは、安倍サマのNHKがこのところ、2020年東京五輪を「国家の一大イベント」と位置付けて、並々ならぬ意欲を見せていることだ。リオ五輪が閉幕した直後の9月21日、同局の『おはよう日本』で、五輪開催のメリットとして、いの一番に「国威発揚」をあげる時代錯誤丸出しの解説をしていたが、この空気はいま、NHK全体を覆っている。

 東京五輪の前年に放送されるクドカン大河も、このNHKのベタな「オリンピック=国威発揚」キャンペーンのひとつに組み込まれてしまうのではないか。そんな懸念がつい頭をもたげてしまうのだ。

 いや、下手をしたら、クドカン大河は、ナチスドイツでレニ・リーフェンシュタールが監督したベルリンオリンピックの記録映画『民族の祭典』のような役割まで演じてしまうかもしれない。

 というのも、1912年のストックホルム大会から1964年東京五輪までを描くということは、日本が帝国主義・侵略戦争に突入していった時代、そしてオリンピックが、国家主義的イベントへと変質していった時代を避けては通れないからだ。

 たとえば、1912年は明治最後の年であり、1925年には治安維持法が制定され、1931年には柳条湖事件、満州事変が起きた。1936年にはナチスドイツによるベルリンオリンピックが開催されている。そして1941年、太平洋戦争に突入していくのだが、その前年の1940年は、幻の東京五輪が開催される予定だった年だ。この1940年の東京五輪は、皇紀2600年を記念し、ベルリンオリンピックと同様、まさに国家主義イベントとして招致されたのだが、日本が日中戦争を引き起こしたことで世界中から非難を浴び、開催を返上している。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

宮藤官九郎のオリンピック大河ドラマはナチスの「民族の祭典」になるのか、それとも五輪ナショナリズムを解体するのかのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。酒井まどの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
2 美智子皇后がトランプとの面会に難色
3 マツコがLGBT発言を封印した理由
4 レコ大責任者がバーニング周防社長を告発
5 美智子皇后が事実婚パートナーに神対応
6 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
7 日馬富士暴行で貴乃花批判のおかしさ
8 安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
9 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
10 たけしが安倍を「軍国主義」と批判!
11 欅坂・平手が「今年はひどいことばかり」
12 山口敬之氏が詩織さんに卑劣すぎる反論
13 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
14 オリラジ中田が日馬富士事件で松本批判?
15 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
16 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
17 安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
18 内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
19 安室奈美恵ベスト盤にも奴隷契約の影が
20 「不倫学」が教える防止策とは?
1安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
2国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
3加計学園で設置審委員が内情暴露!
4日本大使館が「民進党は米国が分裂させた」
5義家前文科副大臣が加計疑惑に茶番質問
6萩生田が前川前次官にシンゴジラを観ろ
7安倍政権が乱発するトンデモ閣議決定
8安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
9欧米で安倍と訪日トランプに嘲笑の嵐
10 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
11鶴保前沖縄担当相に辺野古利権疑惑
12内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
13マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
14安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
15沖縄タイムス記者が官邸と百田に反撃
16 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
17美智子皇后がトランプとの面会に難色
18「朝日、死ね」足立議員のトンデモぶり
19日馬富士暴行で貴乃花批判のおかしさ
20JASRACが坂本龍一を騙しうち!

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」