環境相就任挨拶で「私はみなさんの妹」丸川珠代が危険なのはネトウヨだからじゃない! オヤジ殺しテクに注意!

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丸川珠代オフィシャルサイトより


 10月7日に発足した第3次安倍内閣改造で注目されるのが、44歳で初入閣を果たしたの丸川珠代環境相だ。丸川氏は2007年の初出馬の際、安倍首相直々に口説き落とした“安倍チルドレン”の一人であり、「女性の活躍推進」を掲げる安倍政権にとって知名度の高い丸川氏の起用は目玉人事であり、安倍首相による“えこひいき人事”ともいえる。

 しかし、丸川氏の起用に対しては、大きな不安がすでに囁かれている。

 そのひとつが、宗教団体・幸福の科学との関係である。初出馬した07年の参院選で、丸川氏は幸福の科学から選挙応援を受けているが、当時これを報じた「日刊ゲンダイ」(07年7月31日付)では両者の関係がこう記されている。

「信者が100万人とも150万人ともいわれる幸福の科学が、丸川の全面応援に回っていたのです。丸川への投票を呼びかける電話作戦を展開し、当選に大いに貢献したのです」

 実際、「日刊ゲンダイ」の取材に対して幸福の科学側も、「これまでの安倍政権の仕事と方向性を高く評価し、丸川珠代氏を応援しました」とそれを認めているのだ。

 幸福の科学は創立者・大川隆法氏の“霊言”でも分かるように、神がかりのカルト的要素を指摘される宗教団体だ。しかも、その政治的主張は北朝鮮に対する攻撃姿勢など、タカ派的要素が強い。一方、丸川氏もまたタカ派団体である神道政治連盟国会議員懇談会に所属し、北朝鮮に対しても強固な姿勢を取るなど、まるで幸福の科学の主張に寄り添うような主張をしている。

 こうした丸川氏と幸福の科学の思想の親和性について、政治ジャーナリストはこう語る。

「もともと丸川氏は『霊的なものが見える』などと公言し、霊能者のアドバイスでパワーストーンの数珠を付けていたことが話題になったほど。そういう意味で、幸福の科学から応援されることに抵抗もなかったのでしょう」

 また、月刊誌「WiLL」(ワック)11年3月号に掲載された評論家・渡部昇一との対談では、ネトウヨ的歴史修正主義の片鱗ものぞかせる。

「私たち世代が受けてきた歴史教育は、明治時代までがせいぜい。それ以降の戦争を学び、『自虐史観』を持つ以前の段階でおわってしまうようなものなので、あまり判断材料が足りませんでした。ようやく今、インターネットなどで情報を共有し合う若い人たちのつながりが出てきたことで、『本当の歴史』を知ることができるようになった」

 ネットで「本当の歴史を知った」とは恐れ入るが、実際、丸川氏はネトウヨにかなりはまっているようだ。その一端が見えたのが、安倍首相が安保法制の説明のために自民党チャンネル「カフェスタ」に出演した際のこと。丸川氏はインタビュアーをつとめたのだが、いきなり「辻元清美が乗ったピースボートが自衛隊に護衛を要請した」というネトウヨが流したデマとして有名なネタを、したり顔で語り始めたのだ。安倍首相も一緒になって「実際にいざ危なくなると、助けてくれと、こういうことなんだろうなと思いますね」と辻元叩きを行った。

 だが、辻元氏はこの時、乗船などしておらず、ピースボートとも関係がなくなっていた。結局、丸川氏は辻元氏に抗議を受けて謝罪する羽目になったが、こういう、根拠のないデマ攻撃は“親分”の安倍首相とそっくりである。

 しかしだからといって、丸川氏に、確固とした思想があるわけではないだろう。むしろ、丸川氏の本質というか、問題点はもっと別のところにある。

 丸川氏が政界に進出したのは、当時内閣官房長官だった安倍晋三の勉強会に参加したことがきっかけだと言われているが、それだけでなく、当時丸川氏がアナウンサーとして勤務していたテレビ朝日の“ジジイ人脈”があった。

「丸川さんは当時、『テレ朝の天皇』と言われた小田久栄門や、現在の会長である早河洋に寵愛を受け、数々の番組に抜擢されていきました。とくに早河さんとはゴルフに同行するなど“ジジイ殺し”の異名を取っていた」(テレビ朝日関係者)

 そして、早河会長は丸川氏出馬にも大きく関わっている。

「早河専務(当時)も丸川の出馬に一枚噛んでいる、という話があります。というのも丸川の選挙戦は石原伸晃(衆院議員)ら石原ファミリーが完全バックアップすることが決まったでしょう。当然、石原軍団と仲がいいのが早河専務なのです」(「週刊現代」講談社/07年6月9日号より) 

 また、早河会長だけでなく、丸川氏を可愛がっていたのが、元テレ朝政治局長の末延吉正氏。末延氏は丸川氏と安倍首相を“つないだ”人物と目されているが、末延は長らく自民党の担当をつとめ、その後は安倍首相のブレーンとしても知られている。出身地も安倍首相と同じ山口県で、実家は安倍首相の有力な後援者だ。

 しかも、丸川氏出馬の陰には、こうした“ジジイ殺し”のテクニックだけでなく、自身の“不倫問題”もあった。

 1998年、丸川氏はテレ朝の40代プロデューサーと入籍すると一部週刊誌で報じられたが、しかし、このプロデューサーはれっきとした妻子もちだった。そのため、マスコミは“不倫略奪婚”などと報道。その後、プロデューサーはテレ朝上層部から叱責を受け、丸川氏と破局するが、その騒動の余波から丸川氏は2004年にニューヨ−ク支局に赴任する。その際、帰国後は丸川氏の希望通り報道番組のキャスターに抜擢するという約束が幹部との間であったといわれるが、しかし、実際はそうはならなかった。

「いざ帰ってきたら居場所がなくなっていたんです。『報道ステーション』の河野明子は、丸川のお株を奪うような社内政治の巧さがあって、担当プロデューサーともきわめて親密な関係を築いています。『スーパーJチャンネル』の小宮山悦子は盤石だし、『やじうまプラス』は、よりによって丸川以上に過去に男性問題を繰り返した下平さやかにとられてしまった。で、地味なお昼のニュースに回されてしまったのです」(同前「週刊現代」)
 
 なんのことはない。幹部ジジイを籠絡して花形キャスターへの道を進むつもりが、不倫問題で挫折し、社内に居場所がなくなった。そのため、寵愛を受けている幹部たちを動かし、今度は政界進出を目論んだということだろう。

 しかも、その節操のなさは政治家になっても続いた。

 出馬直後には化学製品メーカー社長との熱愛が報じられるものの、当選翌年の08年には当時衆議院議員だった大塚拓氏と結婚。政治的には、自民党のオヤジ議員に気に入られるべく保守色を強め、国会では積極的に野次を飛ばし存在感を示した。

 また、12年には安倍首相によって厚生労働政務官に抜擢されたが、その後、厚生省所管の人材派遣会社「ヒューマントラスト」の広告に出演したことが発覚。しかも、同社の事業に肯定的な発言をしていただけでなく、派遣業界からなる政治団体「政治連盟新労働研究会」に自身のパーティー券を購入してもらっていたことも判明し、野党から追求を受ける事態になったのだ。このとき、政務官として答弁しないとの謹慎処分を受けたが、この一件は丸川氏が政治家としての立場や職権など何も考えなかったことが証明されたかたちとなった。

 自分が成り上がるためには、権力や有力者に媚び、彼らの気に入るように変節をする。それが丸川氏の本質なのだろう。

 安倍首相にとっては、自分にひたすら付き従う可愛いイエスマンともいえるが、国民にとっては、そんな丸川氏に大臣としての期待などもてるはずもない。

 丸川氏は大臣就任後、環境省職員を前にこんな挨拶をしている。

「妹というべきか娘というべきか悩むところだが、そういう人間が自分たちのところに来たという思いで、お育ていただけたらありがたい」

 大臣が就任した役所の職員に「妹」とか「娘」とか、何を甘えたことを言っているのだろう。いや、それともこういうことをシレッと言える、それこそがジジイ殺しの力の源泉ということなのだろうか。
(伊勢崎馨)

最終更新:2016.08.05 06:44

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