“G7でぼっち”菅首相フォローのため妄想ストーリー流布! 甘利明は「外国の首脳を一喝」、FNNは「カメラがない場面で会話」

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官邸が流す「菅首相がG7で大活躍」のフィクション もはや北朝鮮並み

 しかし、こうした報道はもちろん、FNNが勝手にやったものではない。甘利氏のツイッターも、このFNNも明らかに、そのネタ元になっているのは官邸だ。

 前述したNHKの13日放送の『ニュース7』もそうだった。G7閉幕直後、現地の長内一郎記者が中継で、「主要なテーマとなった新型コロナ対策では、セッションの冒頭、菅総理大臣が『ワクチン普及は多国間主義を基本とし、途上国に公平かつ迅速に届ける必要がある』と訴え、議論を主導したかたちとなりました」と解説したのだが、実際は低所得国へのワクチン提供は、イギリスのジョンソン首相とアメリカのバイデン大統領がG7に先立って表明していたもの。むしろ、日本政府は寝耳に水で、当初は「不満」を漏らし、「困惑」さえしていた。

 にもかかわらず、NHK がこんなフェイク解説をタレ流したのは、首相官邸の意向を受けてのものだろう。実際、外務省HPや首相官邸のTwitter公式アカウントでは、こんなプロパガンダが書かれていた。

〈途上国への公平で迅速なワクチンの普及については、リードスピーカーとして議論を主導しました。〉
〈菅総理は、一部のセッションでリード・スピーカーを務めるなど、特に新型コロナ対策・国際保健、世界経済・自由貿易、気候変動、地域情勢といった重要課題について、積極的にG7の議論に貢献し、首脳間の率直な議論をリードしました。〉

 ようするに、「菅首相が外国首脳を菅首相が大声で叱りつけた」という甘利氏のツイートも「カメラのない場面では外国首脳と積極的に会話していた」というフジテレビの苦しすぎるフォローも、この延長線上で出てきた、官邸による「創作」と考えて間違いないだろう。

 安倍政権時代から外交をめぐる情報操作はひどかったが、ここまでくると、もはや北朝鮮で繰り広げられている「ドン様の神話捏造」並み。菅首相はこんな出来の悪い書き割りの捏造をやって、国民が本気で信じると思っているのだろうか。

最終更新:2021.06.19 08:16

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