百田尚樹の“ヨイショ感想文”キャンペーン中止に百田ファンが「左翼の妨害」「あいトリと同じ」 単に企画がバカすぎただけなのに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
百田尚樹のヨイショ感想文キャンペーン中止に百田ファンが「左翼の妨害」「あいトレと同じ」 単に企画がバカすぎただけなのにの画像1
百田氏のキャンペーン画像


 百田尚樹をめぐってまたトホホな騒動が起きた。百田センセイは7月、この作品を最後に作家を引退すると宣言して小説『夏の騎士』を出版したが、版元である新潮社が恥も外聞もないプロモーションを展開。批判が殺到しわずか2日足らずで、中止になってしまったのだ。

 すでにご存知の方も多いと思うが、いちおう経緯を振り返ろう。始まりは10月4日夕方、新潮社のPR用ツイッターアカウントがこんな投稿をしたことだった。

〈百田尚樹の最新小説『夏の騎士』を
ほめちぎる読書感想文を募集!
このアカウントをフォローの上
#夏の騎士ヨイショ感想文 をつけて
感想をツイートして下さい。
※ネタバレは禁止
百田先生を気持ちよくさせた
20名の方に、ネットで使える
1万円分の図書カードを贈呈!
期間:10月25日23:59まで〉

 同時に、金色に塗られたドヤ顔の百田氏が上半身裸で図書カードと『夏の騎士』を持つキャンペーン画像もアップ。そこにも、「読書がすんだらヨイショせよ」「ヨイショ感想文求む」「百田尚樹の最新小説『夏の騎士』をほめちぎる読書感想文をツイートすると、図書カードが当たるビッグチャンス!」といった文言が並んでいた。

 ようするに、百田尚樹の小説をほめた人に賞品をあげるという、ツイッターを利用したプロモーション企画だ。

 ツイッターでその商品や映画の感想などをツイートして何らかの特典を贈るというキャンペーンは、さほどめずらしいわけではないが、しかし、このキャンペーンの特異な点は、「ヨイショ」「ほめちぎる」「作者を気持ちよくさせる」と限定して感想を募集したところだ。やらせレビューやステマがこれだけ問題化して久しいなか、この露骨さは、前代未聞ではないか。

 しかも、新潮社は先の金色の告知に続けて、“ヨイショ感想”の見本までツイートしていた。

〈例 1/4:王道は純粋なヨイショ
「国語の教科書にのせるべきだ」
読了後、最初に心に浮かんだ気持ちだ。
この作品は人生に必要なすべてを
おしみなく読者に与えてくれる。
知らぬ間に涙が頬をつたっていた。
「そうか。この本と出会うために、
僕は生まれてきたんだ。」〉

 いったいどこが王道なのか。「国語の教科書にのせるべき」なんて、まるでネトウヨの感想文だろう。まあ、そういう意味では、百田センセイを気持ちよくさせる感想文としてはもっともとも言えるが……。

 いずれにしても、このあまりに露骨なPRに、疑問の声が殺到。瞬く間に、新潮社のアカウントは炎上状態になった。しかも、作家や文化人からも次々と疑問の声が寄せられた。

 タレントのラサール石井がツイッターで、〈なんだこれ。これおおっぴらにやることなのか。マジな宣伝を洒落っぽくやったつもりか。マジな気持ちが透けて見えて、洒落っぽさから何万光年も遠いわ。新潮社様。「波」も定期購読しております。どうしちゃったんですか。お気を確かに。〉と突っ込んだのをはじめ、新潮社と仕事をする作家たちからも多くの疑問の声があがった。

 翻訳家の鴻巣友季子氏は〈新潮社は。新潮社はどうしてしまったんだ。〉、ミステリー作家の綾辻行人氏も〈ん? うーん、大丈夫か? 正気か? 新潮社。>ヨイショ感想文募集〉と、新潮社の正気を疑い、また小説家の万城目学氏は〈ちょうど昨日、新潮社の方と連絡を取り、次の文庫化作品について万事お願いしますと伝え、電話を切ったわけでありますが、筆者・作品・さらに自分の会社とトリプルで評判を毀損することを厭わない宣伝部に、万事お願いしなければならない現実を前に、躊躇する。そら、躊躇する。〉と今後の新潮社との仕事に対して不安を吐露した。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

百田尚樹の“ヨイショ感想文”キャンペーン中止に百田ファンが「左翼の妨害」「あいトリと同じ」 単に企画がバカすぎただけなのにのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。夏の騎士新潮社有本香百田尚樹編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ
2 葵つかさが「松潤とは終わった」と
3 高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
4 放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧
5 三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由!
6 『クロ現』降板の国谷裕子が圧力を語る
7 「カジノ用地疑惑」追及が松井市長から恫喝・嫌がらせ受けるも新事実を敢然と報道
8 南京大虐殺世界遺産に安倍ヒステリー
9 高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル!
10 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
11 自民党がネトサポに他党叩きを指南
12 岸田には安倍が乗り移っている! 政策だけでなく答弁も
13 安倍政権の「放送法解釈変更」内部文書のリアルすぎる中身!
14 トム・クルーズもハマる宗教の裏
15 テレ朝で『モーニングショー』統一教会報道中止、ネット動画削除!
16 田母神を担いだ百田、中西の責任
17 首相官邸のSNSはやはり電通が仕切っていた! 高橋まつりさんも母親に
18 吉川晃司が「俺は現政権がでえっ嫌い」
19 岸田首相に「話が長くて中身がない」「何を言いたいのかわからない」と悪評
20 宮崎駿がブチ切れた川上量生の差別思想
1高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
2大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄