大村知事が「公権力こそ表現の自由を尊重」の真っ当主張に、杉田水脈や維新の松井・吉村が醜悪な“圧力正当化”

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自民党に共闘呼びかけ圧力かける維新・吉村知事、テロ・脅迫の例外を示唆した菅官房長官

 なかでも、ひどかったのが吉村大阪府知事だ。吉村知事は〈維新は表現の自由を全く理解していないらしいです。日本維新の会の国会議員の皆様、是非この問題は国会でも取り上げて下さい〉と、維新に大号令をかけたうえ、こんな卑劣な投稿までしていた。

〈自民党の皆様、この件に関しては、党派を超えて共闘をお願いします。我々維新の会は、愛知県議会で議席がなく発言できませんが、愛知県議会自民党は過半数があります。行政たる愛知県が主催する公共事業で、慰安婦像、天皇の写真を焼却、ありえません。知事は開き直ってます。〉

 自民党にまで共闘を呼びかけ、大村知事に圧力をかける卑劣。さらには作品の趣旨をまったく理解せず「ありえません」と断じる横暴。これでは「維新は表現の自由を全く理解していない」としか言いようがないだろう。

 さらにも政治家ではもう一人、悪質な存在を指摘しておく必要がある。安倍政権のナンバー2である菅義偉官房長官だ。菅官房長官が「補助金」問題をチラつかせてあいちトリエンナーレへの理不尽な攻撃を煽ったことは指摘してきたが、菅官房長官はテロ予告があった後も、会見でこう発言したのだ。

「一般論として、暴力や脅迫はあってはならない」

 政府首脳が民主主義を揺るがすテロや暴力を非難する際は「どんな場合も」とつけるのが普通なのに、「一般論として」。「例外」なら暴力や脅迫は許されるとでも言わんばかりのセリフではないか。政権幹部がこんな姿勢なら、脅迫やテロ予告が治らないのも当然だろう。

 この「表現の不自由展」問題をめぐって、まさに政治家たちのグロテスクな本音が漏れでてきたわけだが、しかし、案の定、テレビはこうした権力者たちを批判することはまったくなかった。

『報道ステーション』(テレビ朝日)と『NEWS23』(TBS)が大村知事の河村市長批判を取り上げたくらい。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)をのぞけば、ほかのワイドショーはほとんど触れることもしなかった。

 まったく暗澹とさせられる日本の言論状況だが。そのなかで救いはやはり、行政の長である大村知事が「表現の自由制限論」と真っ向からたたかっていることだ。大村知事には、今後もこの状況に屈することなく、いまの主張を続けてほしい。そして、中止になった「表現の不自由展・その後」を安全確保ののち再開することで、表現の自由を貫いてほしいと切に願っている。

最終更新:2019.08.07 12:09

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