大村知事が「公権力こそ表現の自由を尊重」の真っ当主張に、杉田水脈や維新の松井・吉村が醜悪な“圧力正当化”

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杉田水脈が「表現の自由は公共の福祉の制限を受ける」差別発言のお前が言うか

 河村市長や松井代表、吉村府知事といった極右政治家たちの蛮行に対し、「憲法を理解していない」と言い切った大村知事。

 しかも、大村知事の言葉で印象的だったのは、「表現の自由」の重要性をメディアに対しても強く訴えていたことだ。テレビのコメンテーターや報道が「公金を使っているんだから、国の方針に従うのは当たり前」という論理を口にしていることを強調し、「税金を投入するものだからこそ表現の自由は優先されるべきだ」という主張の際には、記者に向かって何度も「そう思いませんか?」「そうじゃないんですか?」と問いかけていた。これは、メディアが表現の自由を踏みにじるような攻撃に加担している今の状況に強い危機感を抱いたからだろう。

 メディアから批判される立場の行政の長が、メディアに対してここまで「表現の自由」を貫くことの重要性を強調し、国民の側に立ってその権利を主張した、というのはほとんど前例がないのではないか。

 だが、大村知事のこうした真っ当な反論にも関わらず、右派や歴史修正主義者からは大村知事に対する凄まじいバッシングが起こっている。

 ネトウヨ連中が「反日知事」「知事の座から引きずり下ろせ」、さらには「逮捕しないといけない」などと喚き立てているのをはじめ、安倍応援団や右派文化人、極右政治家も一斉に大村攻撃を始めた。

 有本香は〈一人の日本国民として、大村知事(あいちトリエンナーレ実行委員会会長)と津田大介芸術監督の国会参考人招致を強く希望します〉と、まるで二人が犯罪でも犯したかのように糾弾。また、杉田水脈衆院議員は「大村知事が河村市長を「憲法違反が非常に濃厚」 河村市長は反論 「少女像」撤去要求で」という毎日新聞の記事にリンクを貼った投稿で、こう投稿した。

〈憲法第21条で保障されている表現の自由は、「公共の福祉」による制限を受けます…〉(8月5日15時59分)

 これぞお前が言うか、というセリフだろう。表現の自由が公共の福祉による制限を受けるとすれば、刑事犯罪につながる表現や杉田の「生産性がない」発言のような差別を行ったケースであって、今回のような歴史的事実に向き合うための表現や天皇タブーによる検閲を描いた芸術作品が「公共の福祉」に反するわけがないではないか。

 しかし、自分たちのヘイトや歴史修正主義発言を「表現の自由だ」と正当化しながら、国民の表現の自由だけを制限しようとしている二枚舌は、杉田のようなネトウヨ政治家だけではない。

 唖然としたのは、大村知事に批判された河村たかし・名古屋市長や維新の松井一郎・大阪市長、吉村洋文・大阪府知事の反論だ。行政の長である彼らが、杉田と同じように“表現の自由は公共の福祉で制限される”“税金が投入された国の補助事業なんだから介入するのは当然”というような、「表現の自由を制限せよ」論を堂々と主張し始めたのだ。

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