長崎豪雨で“警戒レベル5”も安倍首相と菅官房長官は官邸不在! 災害対応より自民の応援演説を優先した無責任

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自民党・中泉松司候補のTwitterより


 本日10時5分、気象庁が長崎県の五島地方と対馬に大雨特別警報を発表した。 16時10分までに長崎県県内の大雨特別警報はすべて大雨警報に切り替えられたが、気象庁は引き続き土砂災害や河川氾濫等に厳重に警戒するよう呼びかけている。

 大雨特別警報が発表されたのは昨年7月の西日本豪雨以来であり、政府が今年5月から運用を開始した5段階の「警戒レベル」でもっとも高い「レベル5」に相当する。

「レベル5」は〈災害がすでに発生していることを示す〉〈何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況〉となっており、「レベル5」が発表されたのは今回が初。午前11時からおこなわれた気象庁の会見でも「直ちに命を守るために最善を尽くす必要がある状況だ。すでに災害が発生している可能性が極めて高い」と指摘。つまり、命に危険が迫る緊急事態ということだ。

 だが、こうして五島・対馬が危険に晒されているというのに、安倍首相はなんと朝から参院選の遊説のために秋田県入りしてしまったのだ。

 言っておくが、長崎県五島市では昨晩の段階から一部に避難勧告が出され、気象台は本日午前6時31分に「西海市の江島と平島では、50年に一度の記録的な大雨となっているところがある」と発表。そして、気象庁は8時台に「記録的短時間大雨情報」を発表、五島市では市全域の約3万6000人、対馬市では約3万人に避難勧告を出していた。

 ようするに、すでに昨晩から危機が高まっていたのだが、一方、安倍首相は午前9時17分に東京・富ヶ谷の私邸から羽田空港に向かい、9時41分に羽田空港に到着。10時51分に秋田空港に到着したのだが、同58分に「国民に対し、避難や大雨・河川の状況等に関する情報提供を適時的確に行うこと」などの内閣総理大臣指示を出すと、11時30分からは秋田市内で街頭演説に精を出したのだ。

 危険が差し迫っているというのに、危機管理よりも選挙のための遊説を優先させる──。これが総理大臣がとるべき行動なのかと疑わざるを得ないが、さらに問題なのは、菅義偉官房長官まで遊説のために東京を離れているという事実だ。

 菅官房長官は本日、午前から岩手県で自民候補者の応援に駆け回り、午後からは安倍首相と同様に秋田県入り、北秋田市などで演説を行った。

 岩手も秋田も野党統一候補と自民候補が横一線で競り合う激戦区となっているが、災害の真っ只中に総理のみならず危機管理の要である官房長官までもが、揃いも揃って職務を放棄して遊説を優先させたのだ。

 じつは、安倍首相と菅官房長官のふたりが地方遊説のために東京を離れ、官邸を不在にするという事態はきょうだけではなく起こっており、危機管理上、問題があるのではないかという声があがっていた。

 しかし、そうした意見に対し、17日の官房長官記者会見では、不在の菅氏の代理として対応した西村康稔官房副長官が「副長官が在京して対応できるよう運用している。官邸の指揮体制に間隙は生じない」と返答していた。

 だが、その西村官房副長官も、本人のTwitterによると、昨晩から兵庫県淡路島入りし、今朝も比例代表候補の応援活動をおこなっている。もうひとりの政務担当官房副長官である野上浩太郎氏の動向は掴めなかったが、少なくとも官邸の上から3人が危機管理もそっちのけで選挙活動に勤しんでいるのだ。

 昨年7月の西日本豪雨では、十数万人に避難勧告が出されるなど警戒が高まっていた最中に安倍首相が総裁選を睨んで「赤坂自民亭」なる内輪の飲み会に参加し、その後も初動対応が遅れに遅れ、フランスの高級紙「ル・モンド」までもが批判するという事態となったことは記憶に新しい。

 しかし、その反省などまるでなし。国民に命の危険が迫っているというのに、安倍首相はまたも私利私欲のための選挙運動を優先させた。──安倍首相は本日夜、JR秋葉原駅前でマイク収めをおこなう予定だが、災害対応を放り出して自分のアピールに余念がないこの総理に、国民は怒りをぶつけなくてはならないだろう。

最終更新:2019.07.20 05:49

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