「佐藤浩市が安倍首相を揶揄した」は言いがかりだ! 俳優の役作りまで検閲する阿比留瑠比、百田尚樹ら安倍応援団

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佐藤浩市の「日本は戦後でなければならない」に安倍応援団は沈黙

 言っておくが、佐藤は、「安倍か反安倍か」などという狭い視点で「戦争」を語っているわけではない。「ビッグコミック」のインタビューで、こうも発言している。

「僕はいつも言うんだけど、日本は常に「戦後」でなければいけないんです。戦争を起こしたという間違いは取り返しがつかない、だけど戦後であることは絶対に守っていかなきゃいけない。それに近いニュアンスのことを劇中でも言わせてもらっていますが、そういうことだと僕は思うんです。専守防衛とは一体どういうものなのか、日本という島国が、これから先も明確な意思を提示しながらどうやって生きていかなきゃいけないのかを、ひとりひとりに考えていただきたいなと思います」

 佐藤が、過去の歴史や国際社会における日本の位置も踏まえ、「戦争」について様々な視点から考えていることがよくわかる。もし戦争や武力解決という手段についてまともに議論する気があるなら、注目すべきはこうした発言のほうだろう。

 しかし、安倍応援団はぐうの音も出なかったのか、こういう本質的な発言にまったく触れずに、「胃腸が弱い」云々の部分だけを取り出したのだ。これは、佐藤に対してネトウヨたちの攻撃を扇動しようという意図があったとしか思えない。

 今回の佐藤に対するイチャモン攻撃であらためてわかったことがある。安倍応援団や右派が「平和を守るために戦う」などという方便を大人の論理としてよく持ち出すが、そんなの単なる詭弁で、連中はただただ戦争したいだけということだ。そして、戦争に駆り出される者をヒーロー視したり、手放しで戦争礼賛するような頭の悪い作品以外は、反戦どころか、多角的に論争的に「戦争」を考える視座すら許さない。そういうことだろう。

 前述したように、佐藤浩市は「ビッグコミック」のインタビューの最後に「日本は常に「戦後」でなければいけないんです」と語っていた。しかし、安倍応援団の「安倍サマのマイナスになるような発言は1ミリも許さん」というファナティックな攻撃に、マスコミまでが追従している様を見ていると、残念ながら、日本は「戦後」ではなくすでに「戦前」に突入している、というべきだろう。

最終更新:2019.05.13 05:16

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