キムタク『検察側の罪人』の安倍政権風刺がキレキレ! 山口敬之事件や安倍昭恵、日本会議を想起させる描写も

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原田眞人監督はインタビューで「僕は百田尚樹じゃない」と

 原田監督はけっして、政治性の強い作品ばかりをつくっていたわけではないが、数年前から、日本をもう一度、戦争の出来る国にしようとする安倍政権に対して、強い危機感を抱くようになっていた。

 原田監督は2015年に『日本のいちばん長い日』のリメイクを担当している。これは、1945年8月14日の正午から8月15日正午までの24時間に政府や軍隊内で起きていた様々な衝突を描いた群像劇で、1967年に公開された岡本喜八監督版は日本映画史に残る傑作と評価されている(庵野秀明監督は『シン・ゴジラ』内で岡本喜八版『日本のいちばん長い日』の演出手法を下敷きにしている)。

 このリメイク版『日本のいちばん長い日』公開時に原田監督は、「週刊金曜日」(2015年8月7日号)のインタビューに答えてこう語っている。

「天皇の位置づけを明治憲法のように戻すのは反対だし、僕自身は憲法改正自体に反対なんです。安保法制も軍を作ることにも大反対です。日本は軍をなくすことで国を残した唯一の国なんだから。原爆を投下されてるわけだし、今の世の中がどう動こうと、そこのところを前面に押し出していかないといけません」

『日本のいちばん長い日』は、超党派の議員向けに憲政記念館で試写が行われているが、そのことに関して「安倍首相も観るでしょうか?」と問われた原田監督は「安倍首相が観たら、彼は自分なりに都合のいい解釈をするでしょう」と、歴史修正主義者の安倍首相に対して強烈な皮肉を飛ばし、また、「利用される恐れは」との問いにも「別に僕は百田尚樹じゃないから(笑)」と、2013年公開『永遠の0』を意識したと思われる皮肉を返していた。

 このとき原田監督は『日本のいちばん長い日』だけで戦争に関わる映画づくりを終わらせるつもりはなく、「憲法を作るプロセスの映画もやりたい。憲法も、僕はGHQの押しつけだと思っていません。これは日本人の意思だよ、ということを伝えたい。そして、そのことを今の政治家たちは理解しなくちゃいけない。だから、ポツダムと日本国憲法についても作って、戦争映画のトリロジー(三部作)みたいな感じにできたら一番いいですけどね」と語っていた。

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