横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」42

安倍自民党が姑息な“カジノ隠し”自治体選挙を展開! 誘致進める二階俊博幹事長の地元・和歌山市長選でも

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 安倍政権が災害対応よりも優先させてきた「カジノ法案」ことIR実施法案が強行採決されたが、カジノ誘致が争点の和歌山市長選(7月29日投開票)が注目される。自民党ナンバー2で和歌山3区選出の二階俊博幹事長が、この選挙に力を入れているからだ。7月22日の告示前夜には、中川郁子衆院議員との“路チュー不倫”で知られる自民党の門博文衆院議員(和歌山1区で落選・近畿ブロックで比例復活)に電話。託したメッセージが、カジノ誘致賛成の現職・尾花正啓候補(自公・国民民主推薦)の出陣式で読み上げられた。

「出陣式には出られないけれども是非、自民党を挙げて尾花候補の圧倒的勝利に導いて欲しい。その上で公明党の皆様とも協力をさせていただいて、この県都・和歌山市がさらに発展できるように、出来ることは何でもする」

 二階幹事長と昵懇でカジノ誘致に熱心な仁坂吉伸知事も挨拶したが、しかしカジノ誘致については全く触れなかった。

 出陣式の後、二階幹事長の代理出席をした長男・俊樹氏を直撃、父親の二階幹事長は市長選についてどう話していたのか訊いた。すると「『一期目も私たちは尾花市長を応援した。その方針は全く変わらない。引き続き、尾花市長を応援します』と言っていました」と回答。続いて「カジノは争点にならないのですか。二階先生も熱心に(和歌山市への誘致を)やっていますが」とも聞くと、俊樹氏は強く否定した。「やっていませんから。勝手なことを言ってもらったら困る。うちはやっていない!」と激昂したのだ。

 しかし海外のカジノにも詳しい事情通はこう話す。

「二階幹事長が地元・和歌山へのカジノ誘致に熱心なのは有名な話です。海外のカジノ業界の関係者が来ると、二階幹事長が候補地(和歌山市内の人工島・和歌山マリーナシティ)に案内しているとも聞いています」

 ちなみに二階幹事長のメッセージを代読した門氏は、カジノ誘致の候補地でホテルを経営する「和歌山マリーナシティ株式会社」の元取締役。「露骨な利益誘導の構図」(地元商業関係者)という声が出るのはこのためだ。

 この人工島には、すでに遊園地やヨーロッパの街並みを再現したテーマパーク、マグロ解体ショーなどを楽しめる黒潮市場などがあり、外国人を含む観光客が訪れている。関西空港に近いことに加え、隣接する遊休地15ヘクタールを利用すれば、すぐにカジノ付IRを整備できるという“即効性”がアピールポイントになっている。

 尾花候補の出陣式では、門氏以外の自民党議員と公明党衆院議員も挨拶。驚いたのは、カジノ実施法案に反対した国民民主党の岸本周平衆院議員(和歌山一区)も挨拶したことだ。さらに連合和歌山の副会長も支援表明、続いて尾花氏が決意表明をした。自公と国民民主に加えて連合までが支援する盤石の体制となっていたのだ。そして最後は勝つぞコールで締めたが、結局、尾花候補自身も応援弁士も誰一人としてカジノ誘致について触れなかった。

 安倍自民党が得意とする争点隠し選挙がまたしても和歌山市長選で展開されたということだ。2015年4月、小樽市長選でもカジノ誘致が争点となり、自民と公明と民主と連合小樽と小樽商工会議所が支援する賛成派の現職・中松義治市長(当時)が、反対を訴えた新人・森井秀明・元市議にまさかの敗北を喫したことがあった。カジノに全く触れない争点隠し選挙で、小樽市長選の再来を避けようとする狙いが透けてみえた。

 そこで和歌山へのカジノ誘致の急先鋒である仁坂知事に「カジノ、IRは和歌山市長選の大きな争点にならないのか」と聞くと、「あれ(カジノ誘致)は僕の仕事。和歌山市役所はあまり関係がない」という答えが返ってきた。

 また門氏にもカジノに触れない理由を聞いたが、「相手候補は争点にしたいのではないですか。市民の方の関心は高くないと思う。『反対』と言っている人達が関心を高くしようとしているだけ」と答えた。

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