大飯原発福井訴訟弁護団・島田広弁護団長インタビュー

大飯原発が14日に再稼働! 差し止め判決を出した地裁裁判長は左遷、一変した控訴審…裁判所で何が起きているのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

一審で差し止め判決が出たのに、再稼働のために控訴した関西電力


shimada_20180313.jpg
島田弁護団長


──まず、島田さんが大飯原発の訴訟に関わることになった経緯についてお聞きしたいんですが。

島田 1998年に弁護士になり、入ったのが高速増殖炉もんじゅの訴訟を手がけていた法律事務所でした。そのため最高裁判決までもんじゅ訴訟に関わったのです。結果は敗訴でしたが、そうした過程から、日弁連のエネルギー・原子力部会にも入り、日本の原発問題についての問題意識を持っていました。そして2011年3月の原発事故をきっかけに、翌年の大飯原発福井訴訟に関わり、昨年4月から団長を務めています。

──2014年、福井地方裁判所の樋口英明裁判長(当時)が大飯原発3、4号機の運転差止めという判決を出したときも、訴訟を担当されていたわけですよね。

島田 ええ。樋口判決は画期的なものでした。福島第一原発事故の被害と向き合い、原発災害は、憲法上最も重要な価値を持つ“人格権”を奪うものであり、その具体的危険が万が一でもあるのだから、原発の運転を差し止めるのは当然と判断したわけですから。また、関電の経済性優先、安全軽視の姿勢を厳しく批判していました。
 私たちも必死でしたが、この判決はやはり樋口裁判長の姿勢、裁判官としての良心も大きかったと思います。従来の原発訴訟では、行政による安全審査の結果を安易に信用し、それをなぞるだけのような判決が多かったのですが、樋口さんは、自分が疑問に思った安全性の問題点は、迷わず関電に釈明を求めました。そこには樋口さんの強い危機感があったのでしょう。しかし関電は、裁判所からの疑問にきちんと答えようとしなかった。そうした態度が関電が敗訴した大きな要因です。

──しかし、判決後、関電がこれを不服とし、控訴しました。その結果、地裁で差止め判決が出て、現在でも控訴審が続いているのに、大飯原発は14日、再稼動してしまう。それ自体が大きな問題と思えます。すでに燃料も運び込まれました。

島田 法的にはともかく、道義的には非常に問題があると思います。裁判所がきちんと判断して、判決を出しているのに、それを無視しているのですから。運転差止め判決の効力は、判決が確定してから生じるものなんです。ですから関電は樋口判決を確定させないために控訴してきたのでしょう。こうした横暴を止めるためにも、なんとか控訴審は勝たないといけないとがんばってきたのですが。

──その控訴審は現在、どういう状況ですか。

島田 名古屋高裁金沢支部での控訴審は、実質審議に入って3年続き昨年11月に結審しました。現在、判決についてはまだ正式な通知はありません。しかし高裁の審理は、一審の樋口裁判長の時とは真逆で、前半の2年間は、ほとんど何も進まなかったのです。私たち原告側と関電側がお互いに言いたいことを言って、書面のやり取りをしていたのですが、しかし行司役、つまり裁判所が何もしない。本来なら裁判所が指揮をするべきなのですが、それがない。最近は争点整理が重要視され、裁判所が双方の言い分が噛み合っているか、疑問があるかなど精査、指揮するのですが、それが一切ない。お互いが言いっ放しという状態が続きました。しかも関電は、こちらが提起した問題点にまともに答えないことも多く、仕方がなく、弁護団で争点整理表を作って、突きつけたほどです。樋口判決を放置し、裁判を進めず、原子力規制委員会の安全審査の結果だけを待っていた。そんな印象を持っています。東京大学名誉教授であり前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏の証人尋問だけはしましたが、島崎氏の証言で指摘された数々の疑問点を解明するために住民側が行った証人尋問は全部却下し、「くさいものに蓋」といわんばかりに強引に審理終結を図ったのも、そうした姿勢の表れです。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

大飯原発が14日に再稼働! 差し止め判決を出した地裁裁判長は左遷、一変した控訴審…裁判所で何が起きているのかのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発大飯原発編集部裁判所訴訟の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍前首相はやはり仮病だった!読売のインタビューでケロッと「もう大丈夫」
2 菅首相が山口敬之氏への資金援助を親密企業「ぐるなび」会長に依頼か
3 菅首相の叫ぶ「規制緩和」は30年前の流行語
4 東京五輪招致をめぐるICC買収に新証拠! 菅首相も賄賂に関与か
5 ジャパンライフの広告塔に田崎とNHK島田も
6 山口敬之氏が詩織さんに卑劣すぎる反論
7 山口達也の事件をNHKが隠蔽していた
8 釜山総領事更迭の裏に官僚監視秘密警察
9 菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
10 大坂なおみを賞賛し黒人差別に抗議した自民党議員がツイートを削除し謝罪
11 デジタル担当相・平井卓也は電通と組んでネット情報操作を始めた張本人
12 安倍首相が昨晩、フルコースを完食しワイン、ゴルフの約束まで! 
13 河野太郎のパフォーマンスがひどい! 行政改革目安箱を私物化
14 ジャパンライフ山口会長逮捕 焦点は消費者庁の立入検査中止問題だ
15 詩織さん全面勝訴でも山口敬之氏と安倍首相の関係に触れないテレビ
16 安倍政権が消費者庁のジャパンライフ立入検査ツブシ、内部文書が
17 安倍「股関節炎は仮病」証明のゴルフ
18 葵つかさが「松潤とは終わった」と
19 俳優・伊勢谷友介が自殺した近畿財務局職員の手記を読み危機感表明
20 詩織さんに寄せられた山口敬之氏と安倍官邸の特別な関係の新情報!
1 安倍前首相はやはり仮病だった!読売のインタビューでケロッと「もう大丈夫」
2菅政権で「公費不倫」の和泉洋人首相補佐官が“再任、官邸官僚のトップに
3菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
4菅官房長官がテレビでもポンコツ露呈!『報ステ』では徳永有美に陰険クレーム
5安倍首相は本当に病気だったのか? 辞任表明以降一度も病院に行かず
6デジタル担当相・平井卓也は電通と組んでネット情報操作を始めた張本人
7ジャパンライフ山口会長逮捕 焦点は消費者庁の立入検査中止問題だ
8安倍首相が昨晩、フルコースを完食しワイン、ゴルフの約束まで! 
9東京五輪招致をめぐるICC買収に新証拠! 菅首相も賄賂に関与か
10菅首相が山口敬之氏への資金援助を親密企業「ぐるなび」会長に依頼か
11菅首相の叫ぶ「規制緩和」は30年前の流行語
12菅政権の官房長官に決定 加藤勝信厚労相がコロナ対応で見せた無能
13菅義偉“総理”誕生で権力のために不正を働く「忖度官僚」だらけに
14総裁選で自民党がまた新聞社に圧力文書!
15大坂なおみを賞賛し黒人差別に抗議した自民党議員がツイートを削除し謝罪
16大坂なおみの黒人差別抗議マスクに冷ややかなマスコミとスポンサー
17菅内閣が「第三次安倍政権」化! 6月の時点で密約説
18河野太郎のパフォーマンスがひどい! 行政改革目安箱を私物化
19三浦瑠麗が特別講師「N高政治部」で麻生太郎が民主主義否定の暴言
20『バイキング』坂上忍パワハラ報道は政権批判潰しだった!

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄