ラジオ出演した前川前文科次官が教育勅語復活についても「政治の力で動いていった」「非常に危険」と批判

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 政権に逆らえない空気が強まるなか、「総理のご意向」というキラーワードを突きつける内閣府に異を唱えた文科省の役人たち。少なくとも「国民全体の奉仕者」という精神が生きているように思えるが、それは前川氏にも感じられるものだ。

 たとえば、前川氏は退任した際に文科省の全職員に送ったメールのなかで〈私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援〉や〈様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多様性が尊重される社会〉の創造を呼びかけ、〈気は優しくて力持ち、そんな文部科学省をつくっていってください〉と締めくくっていた。

 また、「AERA」(朝日新聞出版)2017年6月5日号のインタビューのなかでも、前川氏は「(在職中は)高校無償化や大学の給付型奨学金などに積極的に取り組んだ。私は貧困問題が日本の一番の問題だと思っている」と述べている。

 安倍首相の政策とは相異なる、あまりにも真っ当な見識だ。森友学園問題では政権の言いなりになった財務省の呆れた答弁を見続けてきた後では、このような人物が事務次官というポストに就いていたこと自体が信じられないくらいだ。

 さらに、前川氏は退官後には夜間中学の先生や低所得の子どもの学習支援などのボランティア活動に参加。ボランティア団体やNPOのスタッフたちは、いかに前川氏が熱心に取り組んでいたかをテレビ番組やブログなどで証言しているが、この点もラジオでは話題に。青木氏が「なんで事務次官って言わないで、こっそりというか、普通にホームページ通じて(ボランティアに)申し込まれていたことが、いま、ネットで話題になっているみたいですけど」と話すと、前川氏はさらっとこう返答した。

「そうですか。いや、別にただのおじさんですからね。別にそんな、辞める前にどんなポストにいたかなんて関係ないですからね」

 こうした人物が、いや、こうした人物だからこそ、安倍政権の攻撃に晒される現状。加計学園問題は、内閣人事局による人事権と謀略によって官僚を掌握し、行政を骨抜きにして絶対主義を築きつつあることも明らかにしているのだ。


最終更新:2017.12.04 03:33

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