介護殺人に追い込まれた家族の壮絶な告白! 施設に預ける費用もなく介護疲れの果てにタオルで最愛の人の首を…

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 こうした多くのケースを見てわかるのは、介護は家族だけでは無理ということだ。もちろん同書には施設やデイサービスを活用しようとしたケースも紹介されている。しかし例えば冒頭の妻を殺害した木村茂の場合、施設に頼ろうとしたこともあったが「空きがない」と断られている。また夫を殺してしまった澄子は最低月に10 万円前後はかかる施設に入れる経済的余裕がなかった。

 加えて、本サイトでも以前報じたことがあるが、近年、施設での人手不足、虐待、手抜き介護などが社会問題化したことで、施設への不信感を持つ介護者も多い。さらには「他人に迷惑をかけられない」「介護は基本的に家族がやる」という根強い“家族介護幻想”が介護者を追い詰めていく。

 にもかかわらず安倍政権は、現状を無視するかのように、“家族による在宅介護”を推し進めようとしている。

 安倍政権はアベノミクス3本の矢のひとつとして、年間10万人以上といわれる「介護離職ゼロ」をぶち上げ、介護サービスの整備計画を2020年までに「50万人分以上に拡大」と打ち出した。しかし50万という数字にしても、実際にはすでにある38万人の計画に12万人を上乗せしただけだ。

 さらに15年4月には介護保険法が改正され、特別養護老人ホーム(特養)の入所条件が厳しくなった。それまで「要介護1」以上だったのが「原則要介護3以上」と引き上げられ、それが介護保険法の施行規則に明記された。政府はこれまで問題となってきた特養の待機者が大幅に減ったとうそぶくが、しかし入居したくても申込みすらできなくなり、門前払いされる要介護者が増加したにすぎない。また入居できたとしても補助認定が厳格化され、さらにこれまで全員が1割だった自己負担割合が、年金収入280万円以上の場合で2割に倍増した。

 同時に要介護者が利用できる訪問介護と通所介護については、2018年までに自治体が行う「地方支援事業」に移行される。これでは自治体によってサービスや費用に差が生じ、要介護者にとって不利益になるとの指摘もある。

 さらに介護保険料が値上げされた一方、介護報酬は実質マイナス4.48%と過去最大規模の引き下げになり、デイサービスなど小規模施設の閉鎖が相次いで問題になった。現在でも不足している介護職員の確保も課題だ。政府は介護職員の賃金を平均で月1万円程度引きあげるというが効力は未知数であり、今後も高齢化が進む日本で国民の負担が増大することは容易に想像できる。

 こうした政策は、右肩上がりの介護保険制度の財政を抑えるため、家族間による在宅介護に重点を置くものだ。要介護者が必要なケアを受けられないというだけではない。家族にとっても、これまで以上に精神的かつ肉体的、そして経済的な負担が増加するということでもある。「介護離職ゼロ」どろこか、はっきり言って、介護サービスの崩壊と高齢者の切り捨てだ。

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介護殺人:追いつめられた家族の告白

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