妻へのDV容疑で逮捕された作家・冲方丁が、自白強要へ追い込む警察の卑劣な手口と留置場の実態を暴露!

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 手記には冲方氏が一貫して容疑を否認する一方、その真相が全て描かれているかというと、そうではない。というのも冲方氏本人にも理解できないという不可思議な状況があったからだ。

 暴行があったとされる21日晩、会食の予定のため仕事場を出た冲方氏は、確かに妻とは会っていたという。その状況は以下のようなものだった。

〈エントランスに降りると、ガラス戸の向こうに、電動自転車に乗った妻がいるのが見えました。妻は保育園へ子供を迎えに行く途中だったと記憶しています。
 私はひと言、ふた言、言葉を交わして、タクシーに乗って出かけました〉

 それ以前の関係にしても、夫婦喧嘩もあったが、ごく一般的なことだったと冲方氏は認識している。

〈いったい私の妻は、起きてもいないDVを訴えることで、何をしたいのか? (略)真相はわかりません〉

 しかも、留置中に弁護士から送られてきた妻の言い分の書類には「私は夫を訴えていません」となっている一方、和解の金額3000万円を要求してきたという。

 冲方氏は「わからない」というが、しかし夫婦間で何らかのトラブルが存在した。少なくとも妻側はそう認識している。そう考えないとあまりに不自然だ。

 冲方氏は逮捕から9日後、釈放され不起訴処分となっている。事実上、妻や子どもとは接触しないよう言い渡されて。

 もし本人さえも本当にわからないなら、改めて周囲を取材し、真相に迫ってほしい。妻に接触が無理でも、警察に押収された監視カメラの映像を入手するなり、周囲から話を聞くなりしてある程度可能だろう。そうした末に、真実を明らかにしてもらいたい。物書きを生業としているなら尚更だと思うのだが。
(伊勢崎馨)

最終更新:2017.11.24 09:38

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