ロフトプラスワン20周年+1特別企画

公安も来た、デモの拠点にもなった、“サブカルの殿堂”ロフトプラスワン20年間のトラブル事件簿(後編)

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その7 小倉智昭の一言に怒ってフジテレビにデモ事件
高円寺の反原発デモ、フジテレビ株主総会へのデモ、論争空間はどんどん広がっていった

 20年間にわたり議論の場を提供し続けてきたロフトプラスワンだが、彼らがつくる「論争空間」は自分たちの経営するライブハウスだけにとどまらない。時には小屋を飛び出し、「街」に論争の空間をつくりだすこともある。ロフトプラスワンはデモの協力も行なっているのだ。彼らが「デモ」に関わりだしたきっかけについてこう振り返る。

平野「高円寺での一番初めの反原発デモというのは、素人の乱の松本哉から僕のもとに電話がかかってきて『反原発デモやるから協力してくれ』って話から始まったんですよ。それで会場のマイク設営とか、サウンドカーにもうちのスタッフが借り出された。『500人も来ればいいかな』なんて思ってたら、最終的には1万5000人も集まっちゃって。今でも国会前のデモなどに協力しています。反原連の正式メンバーとして会社組織で登録してるのは、我々・LOFT PROJECTだけ。ロフトは左翼だなんだって言われてるけど(笑)」

 ミュージシャンの飛び入りライブがあったりと、旧来の堅苦しいデモから一般の人にも参加しやすいデモづくりを行った素人の乱。いまで言うところのSEALDsの先駆とも言える彼らだが、そんな反原発デモが盛り上がりを見せた陰には、ライブハウス運営のノウハウをもち、音響設備に関してはプロ中のプロであるロフト陣営のサポートがあったのだった。

 彼らがこういった直接行動に関わるようになったのは、厳密には実はこれが始めではない。2001年、新宿ロフトで行なわれた野村沙知代氏のライブに関するひと騒動でデモ行動を起こしたことがある。

 事の発端は、そのライブを取り上げた『とくダネ!』(フジテレビ系)のなかで、VTRを見た小倉智昭が「この(客の)若者たちはいくらもらってんの?」と「サクラ」を匂わせる発言をしたことから始まる。

平野「サッチーに頼まれたんですよ。『自分もロックのライブをやってみたい。歌ってみたい』って。だから、ウチでやったんです。もちろん、あの頃ですから、テレビ局もたくさん来ましたよ。そしたら、小倉が『あいつらみんな金もらって動員されてるんだろ』って言うもんだから『謝れ』って言ったら、『謝ることはできません』って返されて。すったもんだして、遂にはデモ起こしてフジテレビのロビーを占拠して、株主総会まで行きました(笑)」

 この後も、個人情報保護法に反対する反小泉デモに協力したり、反レイシズムの運動に参加したり、下北沢の大型道路建設反対運動に関わり保坂展人・世田谷区長の当選に協力したりと、直接行動への関与は続いていく。

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